女の唇を、ふたりの男が争うように奪っている。
三人の流す蜜液で口もとは濡れ、したたりが顎(あご)にまで伝う。それでも三人のキスは終わらなくて、彼女は乱れた荒い息をこぼした。
「は、っ……ん、ん……っ、ん」
男たちは、競って女の名を呼んだ。それに彼女は微笑み、褒美とでもいうように黒髪の男へ、そして金髪の男にキスを贈る。
「は、やく……ここ」
そして唇をほどき、女はなにもまとっていない体を彼らに見せつける。その肌は白く、微かに湿っていて、艶めかしさがますます際立った。
薔薇の芳香が濃いのは、ここが三人以外誰も来ることのない薔薇園だからだ。三人は東屋のベンチに座っている。花は今を盛りと咲き誇っていて、そこに女の嬌声、そして男たちのため息が絡むさまは、見る者がいれば眉を顰めるだろう。
「わたしの、ここ。かわいがって……」
男たちは手を伸ばす。大きく開いた脚の奥、濡れそぼった女の秘密に触れる。その指先には淫らな匂いの立ちのぼる蜜液が絡み、その香りに誘われるかのように、男たちはそれを舐め取った。
「あ、あ……もっと」
女は淫猥に濡れた声をあげ、そして勃ちあがった乳首を自ら抓んだ。男のひとりが誘われるがままにそこに触れ、唇を押し当てる。彼が乳首を吸うのと同時に、もうひとりの男は秘所に唇を押しつけて、淫らなくちづけをした。
「ん……ん、んっ、んん」
まるで女王のように薔薇の中に君臨する女は、体を仰のかせて艶めいた声をあげた。彼女が感じていることはその肌が微かにわななくことからも見て取れたけれど、女の浮かべる表情は平静なままだった。男たちがこの体に溺れるのは必定――なんの疑問もないというようだった。
「あ、あ……あ、もっと……もっと、吸って」
じゅ、じゅく、と濡れた音が立つ。乳首を、そして濡れる秘所を吸われて女はまた声をあげたけれど、男たちは容赦しない。舌を使って尖った乳首を、そして花びらの重なり合う秘所を舐め、啜ってはまた舌を使い、女の流す蜜を堪能しているようだった。
「っあ、あ、あ……ん、あ、あ、あ……あ」
女は自らの体を抱きしめた。そうやって、わななく肌を押さえようとしているようだったけれど、その体はますます淫靡に、淫猥に、男たちの目を犯すばかりなのだ。
「あ、あ……あ、あ!」
秘所に触れる男が、指を突き立てた。蜜肉はかきわけられ、少しだけ指を呑み込んで、そこは震える。媚肉はますます蜜を流し、男の指を歓待する。
「や、ぁ……もっと。もっと、深く……」
「そうすれば、あなたが狂ってしまうでしょう」
どこか嘲笑うように男は言ったけれど、その口調は女と男の、主導権の握り合いに過ぎなかった。どちらがより、相手をおかしくすることができるか。それを競っているわけでもないだろうけれど、その場には淫らで、それでいてぴんとした空気が張りつめていた。
「あなたの、ここ……たまらなく魅惑的だ」
昂奮(こうふん)を隠せない口調で、男は言った。
「ほら、期待して震えている。ここに私を……私たちを挿れられて、かきまわされるときを待っているのでしょう?」
「ああ……ん、んっ、っ、ん」
女は、少し腰をあげた。すると指一本を呑み込む角度が変わって、全身にたまらない感覚が走る。それを身悶えてこらえながら、女はひと粒、涙を流した。
「あ、もっと……奥、まで。挿れて。わたしを、おかしくして……!」
魘(うな)されるように、女は叫んだ。それに応えるように、薔薇の花が大きく揺れる。濃い芳香を撒(ま)き散らす。
「かしこまりました、姫ぎみ」
笑ったのは、黒髪の男ばかりではなかった。乳首を吸う金髪の男も笑って、ふたりの指が蜜洞に挿り込む。入り口をかきまわし、ぐちゅぐちゅと音をさせて、溢れる蜜の温度を愉しむ。
「あ、あ……あ、ん!」
中ほどにまで指を二本埋められて、それらはてんで勝手に動く。予想できない動きを味わわされて、女は腰を捩(よじ)る。すると性感はますます高まって、女は甲高い声をあげた。
「んぁ、あ、あ……ん、んっ、ん!」
「もっと深くまで……でしょう?」
くすくすと笑いながら、男が言う。彼は指をさらに一本増やし、温かい体内を味わった。そこに己を突き込んで、女の肉を味わう瞬間を思い描いているのかもしれない。
「あなたの中……うねうねと動いて、心地いい。この奥で、私たちを受け入れてくれる……私たちのものを、くわえ込んでくれる」
「あ、はや……はや、く」
耐え難いというように、女は声をあげた。
「もっと、して。あなたたちを……もっと、挿れて」
「ふふ」
そうやって笑ったのは、金髪の男だ。彼もまた指を増やし、すると中で蠢(うごめ)くのは四本の指だ。それらは別々の生きものであるかのようにてんでに動き、内壁を擦る。わずかに爪を立て、引っ掻く。その動きがたまらなくて、女はますます艶めいた嬌声をあげた。
指が、ますます奥へと挿っていく。女は腰を動かして彼らを誘い入れた。ぐちゅぐちゅと音がして、彼女の秘所が反応していることがわかる。奥から蜜液がこぼれ、男たちの手のひらまでを濡らした。
「いぁ、あ、あ……あ、ん、んっ、ん」
四本の指を奥にまで受け入れて、女は身を捩らせた。男たちは彼女の体を支え、なおも座った格好を取らせたまま、中をかき乱し突きあげ、女の声を引き出そうとする。
「ああ、だめ……だめ」
声をあげて、女は指から逃れるような動きを見せた。
「指、じゃな……もっと、太いもの」
「ふふ、淫らですね」
そんな彼女を見て悦ぶように、男が言った。
「もっと太いもの……私たち自身が、欲しいのでしょう?」
「あ、そう……そう、よ」
嬌声とともに、女は叫んだ。
「あなた、たちが……もっと、深いところに」
耐えがたいといったように、女は声を嗄らす。
「あなたたちだって……我慢できないのでしょう? わたしが欲しくて、たまらないのでしょう?」
「そうだね」
金髪の男が、素直にそう言った。
「あなたが欲しい。おかしくなってしまいそうだ」
「じゃあ……早く」
女はますます大きく脚を開いた。すると淡い薔薇色の花びらが男たちの目によく映った。彼女は、男たちを悦ばせる方法をわかっていて、己を晒すのだ。
「こ、こ。あなた、たちを……」
女の背にまわされた手が、彼女を俯せに引き寄せる、大きく下肢を突き出した恰好で四つん這いになった女は、同時に抜け出てしまった男たちの指を惜しむように、声をあげた。
「あ、は……、っ……」
女は、黒髪の男を押し倒すようにその場に突っ伏していた。彼の唇に自らのそれを押しつける。きゅっと吸って、淫らなくちづけを繰り返す。
「ふふ……ここ、腫れてるね」
後ろに位置した金髪の男が、そういってひくひくと震える秘所に触れた。拍子にどくりと蜜が溢れ、内腿を伝って流れ落ちていく。
「そして、小刻みに震えている……僕たちを待って、わなないている」
「は、やく」
女は、繰り返しねだった。
「ここ……早く。我慢できないの」
黒髪の男が、自分の衣をくつろげる。そそり立った男の欲望を露わにすると、そっと秘所に擦りつけた。
「あ、あ……あ、あ、あ!」
「挿れますよ」
男は、なんでもないことであるかのように言った。
「ほら、ここはこんなに柔らかい……私を歓待してくれている」
「ひぁ、あ……ん、ん……ん、んっ」
大きく震えて、女はそれを受け入れる。媚肉は拡がり太い男のものを受け入れて、それがずくずくと入りこむのを味わっている。女の目から、また涙がこぼれ落ちた。
「泣かないで」
黒髪の男はそう言って、彼女にくちづける。唇を重ね、舌を吸い合い、下肢ではひとつに繋がって、ふたりの姿はまるで、もとからひとつのものであるかのように、深く密着していた。
「ひ、ぁ!」
女が声をあげる。高く突き出した下肢に、金髪の男が触れたのだ。彼はそこに指を這わせる。そして繋がった男ごと、秘所を撫であげた。
「いぁ、あ、あ……ん、ん、っ!」
「こうやっていると、ますます甘い蜜が流れ出す……かわいいね」
「っああ、あ……あ、んん、ん、ッ!」
男の欲望に拡げられている感覚と、後ろからなぞりあげられる感覚。双方に苛まれて、女はますます淫らな嬌声をあげた。
「もっと、乱れて」
そう言って彼は、ぴんと尖った秘芽を指で攻めた。秘芽はたちまち赤く腫れ、そのさまに男は悦びの声をあげた。
「ふふ……ここも、こんなに感じるんだね……?」
「あ、たりまえ……、っ……っ!」
同時に、突き込んだ男には腰を上下される。大きく突きあげられて内壁が反応し、秘所がひくひくと震える。その反応に、男が声を洩(も)らした。
「中が、ひくついていますよ」
愉しそうに、男が言った。
「私を締めあげて、離さない。中がうねって、私に絡みついてくる……」
「いぁ、あ……あ……、あ、あ!」
腰を突き出したまま、女が啼いた。そんな彼女を後ろから追いあげていた金髪の男は、秘所から指を離した。そして体を起こし、自分の衣服をくつろげる。
「ひぁ……」
「ほら、僕のことも受け入れて」
彼は言って、そして自身を女の脚の谷間にすべらせる。先端から淫液を洩らす男の欲望は、くちゃくちゃと音を立てながら、もうひとりの男と繋がっている深い部分に触れてきた。
「ここ……もう少し、拡がるよね」
そう言って、彼は腰を突き出した。蜜口に無理やり押しつけたそれは花びらを破り、先端がそこに埋まったのだ。
「いぁ、あ……あ、あ、あ……あ、あ、あ!」
女が嬌声をあげた。ふたりの男の淫肉が重なって、黒髪の男が厭(いや)な顔をした。しかし金髪の男はそんな彼の反応など気にもしないといったふうに、少しずつ自身を押し進めるのだ。
「ふふ……すごくきつくて、いい感じだよ」
荒い息を洩らしながら、男は言った。
「僕をきゅうきゅうって締めつけてくるね。この感覚、たまらない」
「あ、や……っ、……だめ。も、……これ、以上」
「嘘つき」
下から突きあげられ、後ろから拡げられ。女の秘所はぐちゅぐちゅと音を立てながら、少しずつ新しい快楽を受け入れていく。媚肉はぎりぎりまで拡げられ、そこはますます敏感になって、女の悲鳴を誘った。
「んや、あ……あ、あ、ああ、あ、あ!」
しかし女は、その状況から逃げようとはしないのだ。彼女はなおも腰を突き出し、突きあげてくる男を受け入れた恰好のまま、悦びの声をあげている。秘所からはなおも蜜が溢れ、とろとろとすべりをよくしていく。
「ふぁ、あ、……ん、……ん、っ……っ」
嬌声をあげる女の唇を、黒髪の男が奪う。きゅっと吸いあげ、唇を咬み、なおも流れる唾液を吸い立てながら、彼女の声をも奪っていく。
「ん、っ……む、……ん、ん、っ……」
「後ろからされて、ますます感じているようですね?」
彼は、淫らな声でささやいた。
「ふたりに挿れられて、感じる? もっと、もっと欲しい?」
「あ、ほし……、ほ、しい」
女はささやいた。
「もっと、もっと。奥まで突いて。わたしを、めちゃくちゃにして……!」
「もちろん、あなたの望みを叶えてあげますよ」
余裕を見せた口調で、男が呟く。それでいて怒張はますます大きく、彼もまたこの状況に感じていることを示している。
「ふたりで、同時に……あなたの奥を、汚してあげましょう」
(このあとは製品版でお楽しみください)