「あ……の、ビクター様。もう質問はよろしいでしょうか? できれば、ちょっと中座したいのですが……」
ダイアナは顔にぎこちない笑みを浮かべた。
膝を重ね合わせ、足首を交差させる。
「どうした? いつもはもっと威勢がいいはずの君が、やけにしおらしいね」
ビクターが目を細め、僅かに首をかしげる。
その様が素敵すぎる。
しかし、今はそれに見惚れている余裕などないし、生理的欲求を解放したいという気持ちは、かなりのところまで高まってきている。
「いったいどうしたんだ? 顔が引きつっているようだが、どこか具合でも悪いのか?」
微笑んでいるつもりだったのに、いつの間にか表情にまで焦りが出てしまったみたいだ。
「いえ……そうではないのですが……」
ダイアナは言い淀み、自分でもわかるほど頬を引きつらせる。
いくら夫婦とはいえ、今こうしている状況下で「手水に行きたい」などと、言えるはずもない。
(そんなはしたないこと言えやしないわ……。でも、言わなければこのままこうしているしかない……)
気にすれば気にするほど、排出の欲求は増すばかり。
長くじっとしていられなくなってくるし、いい加減表情も管理できなくなってきた。
「ダイアナ?」
ビクターの顔が、ぐっと近づいてくる。
「は、はい、ビクター様……」
声が震え、少しずつ息が荒くなってきた。
「……今夜の君は、やけに色っぽい……」
そう口にするビクターの声が、ダイアナの唇のすぐ上で響く。
「今夜は、出迎えてくれた君の勢いに負けてここへ来るはめになった……。普段からルイに夫としての務めがなんたるかを延々と聞かされているし、結婚した以上その責務を負うべきなのは重々わかっている。しかし、繰り返し言うが私は地位や財産にはまるで興味がない。だが、さっき君に農園主らの話を聞いて、自分の中にも領地に対する思い――生まれ育ったこの地への愛情はあるのだと改めて自覚をした」
自分が話したことがきっかけで、ビクターが領地愛に目覚めた。
「それはよかったです! 領民もきっと喜ぶことでしょう。これからは、もっと頻繁に領地視察に出かけて――」
ダイアナの身体が、突然ぶるりと震えた。
「ビ、ビクター様……。申し訳ありませんが、今夜は自室で休ませていただきたいと思います」
そろそろ我慢の限界が近づいているような気がして、ダイアナは思い切って暇乞いをする。
本当なら、もっと領民や領地について突き詰めて話し合いたい。
だけど、今はダメだ。
ぐずぐずと誤魔化してきたが、もう限界に近い。
もう今夜は諦めて、一刻も早くいくべきところに急ごう。
「自室で休む? 今夜ここに誘ったのは君のほうだぞ?」
ビクターがいぶかしそうな表情を浮かべる。
彼の身体の下で、ダイアナは全身をこわばらせて黙り込んだ。
「……睦み合いをしようとしていた気が変わったのか……? もしや、ノーマン・バーンズの話が出たからか? 恋人を想う気持ちをベッドで思い出してしまった? 君は僕の妻としてここにいるのではないのか?」
ビクターの手が、ダイアナの夜着の胸元にかかる。
指先がリボンを解くと、ふっくらとした乳房が透けて見えた。
「そ……そうですが……」
「では、予定通りここで睦み合えばいいだろう? それが出迎えのキスを受けなかった僕への制裁だったはずだ」
ビクターはダイアナの夜着の前を開き、すでに硬くなっている乳先にかぶりついた。
「ゃああんっ!」
突然の刺激に、上体が跳ね上がり甘い声が漏れる。
「ビ……クター……さ……、あんっ! ひぁあんっ!」
ちゅくちゅくと乳房を吸われながら、脚の間の蜜の量を確かめられた。
そこはもうたっぷりと潤ってはいる。けれど、今はいじってほしいとは思えない状況下にある。
ビクターが着ているものを脱いでいる間に、ダイアナは身体をひねり横へ逃げた。
「どこへ行くんだ?」
ベッドから下りようとしているところを、後ろから抱きすくめられる。
腰をしっかりと左腕に取り込まれて、右手で乳房をやわやわと揉まれた。
「どうして逃げようとするんだ……。僕に抱かれたくはないのか?」
「きゃ……!」
両手を前につかされ、腰を高々と引き上げられる。膝をついた脚の間に、ビクターの屹立がぴったりと寄り添う。
「い……いけません、ビクター様っ……」
硬くそり返るそれが秘裂を割る。とろりと溢れ出た蜜が屹立をしとどに濡らしている。
「妙なことを言う……。君は僕にこうしてほしくてたまらなかったんじゃないのか」
ビクターの指がダイアナの双臀を左右に広げ、蜜窟の入り口をあらわにする。
「やぁんっ! あぁ……っ!」
「そんなに騒ぎ立てるほど、はっきりとは見えていない」
「そ、そういう問題では……、ぁああああんっ!」
うしろを振り返ろうと片方の膝を持ち上げた途端、先端が蜜窟の中に滑り込んだ。
ビクターが、ゆっくりと腰を動かし始める。
「ダメぇっ! そんなにしちゃ……ぁ、ああ、あんっ!」
「っ……、ダイアナ……君が不用意に動くからだ――」
ビクターに諫められ、ダイアナは腰をもとの位置に戻そうとした。
だけど、身体に力を入れているせいで、動くことができない。あまりにも身体をこわばらせているせいか、ビクターがふいに腰の抽送を緩めた。
「は……ぁ、あ……」
小刻みに震える自分を感じながら、ダイアナはため息のような声を漏らす。
そのまま開放してくれるのかと思いきや、四つん這いになった身体をくるりと仰向けにさせられてしまった。
乳房が大きく揺れ、挿入されたままの屹立が蜜窟の中でぐるりと回転する。
強すぎる衝撃を受けて、ダイアナは両脇を締めて拳を固く握った。
「いゃあぁ……っ! あ……あぁ……」
両側から押された乳房がこんもりと盛り上がり、宙に浮いたままの膝が小刻みに震える。
「ダイアナ……。いったいどこでそんな煽情的なポーズをとることを覚えた? それに、今夜の君はやけに感じやすい。中がひっきりなしに動いている……」
ダイアナは唇を閉じたまま首を横に振った。
そんなことを言われても、わからない。身体が勝手に震えてくるし、これ以上中を掻かれたらどうにかなってしまいそうだ。
ビクターの息がにわかに荒くなり、緩くなっていた抽送が再び強くなり始める。
ランプの炎が揺れ、薄闇の中
にダイアナの身体がぼんやりと浮かび上がった。ビクターはダイアナの中を執拗に掻き回し、掌で平らな下腹をゆっくりと撫でまわしている。
ダイアナが拗ねたような啼き声をあげると、ビクターは目を細めてなおもそこを強く突いた。
ビクターの切っ先がダイアナの平らな下腹を内側から押し上げている。突かれるたびに、そこが小さく盛り上がるさまがたまらなく淫らだ。
(このあとは製品版でお楽しみください)