書籍情報

冷徹シークと灼熱の蜜夜【書下ろし・イラスト10枚入り】

冷徹シークと灼熱の蜜夜【書下ろし・イラスト10枚入り】

著者:有允ひろみ

イラスト:ODEKO

発売年月日:2016年07月29日

定価:990円(税込)

『遠慮なく声をあげればいい。今宵ハーレムにいるのは、僕達二人だけだ』                                                                イギリス人の伯爵令嬢・ジャスミンは行方不明の兄を探すために単身でアラブへと渡る。アラブの町で危うく奴隷商人に拉致されそうになったジャスミンを助けてくれたのは、兄の友人でカビール王国の国王・ラシードだった。ハーレムに通されたジャスミンは、媚薬を嗅いで、淫らになった体をラシード抱かれてしまい……!?

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登場人物

◆ラシード・カリム・アル・マフムード
アラブの海沿いの国カビールの王子
漆黒の艶やかな髪にやや浅黒い肌。黒曜石の固い瞳、その奥は黒蜜のように甘い瞳がエキゾチックで端正な顔立ち
◆ジャスミン・バークリー
伯爵家の娘。しっとりと柔らかな蜂蜜色の金髪に白い肌、深い海を思わせる藍(らん)緑色(りょくしょく)の瞳。好奇心旺盛で、思いつくとじっとしていられないお転婆娘

立ち読み

「いいえ、なんでもないの……、ただ……ちょっと疲れて、横になっていただけなの」
ラシードは、目を細めジャスミンの寝乱れた姿をじっと見つめた。
「そうかな? 見たところ、疲れたというより、燃え上がった欲望を持て余して困り果てているように見えるが?」
「ち、違うわ! そんなッ……」
はだけたドレスの裾を直そうとした途端、かがみ込んできたラシードに身体を押さえ込まれた。
「目尻にある化粧はどうした? 君は、これが何を意味するかわかっているのか?」
低く響く彼の声が、ジャスミンの羞恥心を限界まで高めていく。剥き出しになった脚の間に、彼の腰が割って入った。もがいている太腿の内側に、なにか硬く熱いものが触れる。
ジャスミンは戦慄した。今、自分の脚に当たっているのは、間違いなく男性の性的部分だ──。
「ラシードッ……!」
朦朧とする思考の中、どうにか咎めるような声を出すことに成功した。
「こんなの、駄目よ……! お願いだから行ってちょうだい……私を困らせないで」
「ふっ……〝お願いだから行ってちょうだい〟か。あの夜と同じ台詞だ。まぁ、君はもう覚えていないと思うが」
「え……っ?」
ラシードの言葉に、ジャスミンは驚き、目を見張った。忘れるわけがない。あの夜のできごとは、今もはっきりと覚えているのに。
「さっきも言ったとおり、この宮殿は僕のものだ。つまり、ここにあるものは、全部僕の所有物だ──全て僕の自由になる──」
彼の膝が、閉じようとするジャスミンの脚を阻んでいる。早くなった呼吸が、胸元を激しく上下させている。それをじっと見つめたかと思うと、ラシードは彼女の首筋に唇をつけて強く吸った。
「ぁ……っ、ん……ッ……」
我慢できず、つい声を上げてしまう。それを聞いたラシードは、満足そうに口元に笑みを浮かべた。
戸惑う唇をキスで塞ぐと、ラシードは寝そべったままのジャスミンの腰を左腕に抱え込んだ。
「ジャスミン、君はいつの間にこんな淫らな行為をするようになったんだ? 僕の母が住んでいた部屋で自慰をするなど、破廉恥極まりない」
「ぁんっ……ち、違ッ……、ぁあ……」
違うと否定する唇から、甘い吐息が零れ落ちる。ただキスをしているだけだというのに、身体中の末端がぴりぴりと痺れる。全身が、やたらと敏感になっているみたいで、太腿に触れている彼のものが、火傷しそうに熱く感じる。
「なにがどう違うと? 再会してまだ間もないのに、もう嵐の日に起きたことの続きをしようというのか?」
「ぁ、んッ……!」
その言葉でわかった。彼は覚えている──最後の夜のことも、嵐の日に起きたできごとについても。
ラシードの指が、ドレスの胸元にかかった。そこをゆっくりと引きおろして、白く柔らかな乳房をあらわにする。
「ほう……、綺麗だな。胸の先の薄い色は、あの頃のままだ」
彼の唇が、目の前にあるピンク色の切っ先を含んだ。最初はごく緩く吸って、それが徐々に強まり、硬くなった乳首を舌で転がしては甘噛みしてくる。
「ぃ、あッ、あんッ! ふ、ぁッ……、ラ……シード……!」
「こめかみに施した化粧の意味を知っているのか? それは、ここの主である王に処女である自分を捧げたいという意志を表すものだ」
「なっ……、ああんっ!」
そんな意味があるだなんて知らなかった! さっきルクサーナが言っていた素敵なこととは、ラシードとこんな風に抱き合うことを指していたのだろうか?
そうだとしても、もう抗えない。初めての体験だというのに、彼の甘く意地悪な愛撫に、身も心ももう蕩けきってしまっている。
もう片方の乳房を齧るように口に含むと、ラシードはキスに濡れた乳首を指先で摘んだ。
「あんっ! ぁ、あ……あん、ん……!」
ひっきりなしに漏れる声を壁を飾る真珠貝が弾いて、ジャスミンの全身を羞恥にまみれさせる。
「いい声だ。男をその気にさせて、狂わせるような……」
ジャスミンが喘ぐたびに、胸元から立ち上る濃厚な香りが、一層香りたった。身体の奥から、熱が湧き出てくる。なにか抑えきれない感情が、彼女を飲み込もうとしている。
「どうする? ここまでは八年前と同じだ。だか、これから先にあることは、ただの戯れじゃない。きちんとした、男女の営みだ。まさに、アラビアン・ナイトに描かれている世界だ。しかも、君が昔読んでいた子供用の改編などされていない、たまらなく淫靡で、融けるほど甘い睦み合いだ」
「ひ、ぁッ……!」
敏感になった乳首を、硬い歯列で甘く噛まれて、ジャスミンは身体を激しく反りかえらせた。
その拍子に、寝床の横に置いていた香油入りの杯が、コトンと音を立てて倒れてしまう。新たに匂い立つ香りに、ラシードはふと、そちらを見る。
「これは? ルクサーナが作っている香油か? ああ、これを使ったのか。だから、こんなにもたっぷりと淫らな蜜を溢れさせているのだな。なるほど……君は、僕に処女を奪ってもらいたいらしい」
「ち、違……ぁあッ……!」
ラシードが、舌先で乳暈の縁をなぞった。
「違う? こんな恰好で誘っておいて、今更よく言えたもんだ」
いきなり胸の先を強く吸われ、歯と舌で硬くなった乳首をしごいてくる。
「あンッ……! や、ぁっ……ん!」
まるで熱病に罹ったみたいに、全身が熱く震える。いつの間にか、溢れ出る蜜が太腿の内側をしとどに濡らしていた。唇を噛み締め、声が漏れるのを止めようとするのに、まるで功を成さない。それどころか、そうすることで余計淫らな気持ちになってしまう。身体が淫靡に波打ち、つま先がベッドを離れラシードの背中の上で重なり合う。
「ひあっ……! あ、ああッ!」
彼の長い指が、ジャスミンの濡れた丘陵(きゅうりょう)の割れ目に沈んだ。そして、すぐにぷっくりと膨らんだ淫芽の頂(いただき)を見つけて、そこをコリコリと指先で嬲(なぶ)ってくる。仰け反った拍子に、着ているものをすべて剥ぎ取られた。胸元を離れ、腹の上を下りてきたラシードの舌先が、熱く腫れた頂に触れた。
「ぁあ! ラシ……、は……、あぁっ! あ、あぁ……!」
凄まじい快楽が全身に広がり、ヴァギナに与えられる初めての愛撫が、ジャスミンの呼気を奪い去ってしまう。
「……ひ……、ッ……」
ふっくらと盛り上がる丘を割られて、溢れ出る蜜の中をラシードの舌先が泳いだ。彼のキスが更にジャスミンの丘を侵食する。ラシードは、そのほとりに指先を遊ばせ、ジャスミンが焦れて背中を仰け反らせた瞬間、蜜を垂らす泉の中に深々と指を潜り込ませた。
「ひっ……! んっ……」
身体に指を含まされた一時、彼女の身体はびくりと震え、石のように硬直した。だけど、すぐに唇に戻ってきたキスに蕩けて、差し込まれたラシードの舌を味わい、甘い声を上げ喘いだ。
すると、身体の緊張も徐々にほぐれ、蜜泉の入口が、僅かに蠢きだす。
「いい子だ……、もうこんなに欲しがってる……」
ラシードは、ねだるようにひくついている彼女の泉から指を抜き去り、おもむろに身体を下にずらして、濡れた丘に唇を寄せた。
「まるで百合のつぼみのようなヴァギナだ……。もう甘く香りたっている上に、溢れるほど蜜を垂らしている」
滴る蜜を、じゅるりと舐め上げ、ラシードは彼女の両の太腿を腕の中にきつく挟みこんだ。そうやって腰を固定しておき、柔らかな丘の割れ目を、舌先でじっくりと味わっていく。
凄まじい快感がジャスミンの全身を貫き、意識が遠のきそうになる。
「ラシード……、ぁ、あああっ……!」
こんなことをするのはこれが初めてなのに、気がつけば羞恥よりも欲望の方が勝っている。
彼に触れて欲しい──ただそれだけを望み、それ以外のことは考えられなくなる。
どうすればいいか、わからない。でも、一時でも早く彼と融け合いたいという想いが、熱病のようにジャスミンの思考を侵食していく。
喘ぎ、身体を震わせるジャスミンを見て、ラシードは彼女の唇にキスを移動させて、舐め採った蜜を口移し、更に舌を強く絡ませる。
「あの時の君はまだほんの子供だった……だが、今はもう十分に大人だ。今回は我慢しない……君の処女を奪って、君のすべてを僕で満たしてやる」
身体をいったん離すと、ラシードはジャスミンの両の脚を腕の内側に高く抱え上げた。彼女の肌に真珠貝が映す小さな虹が揺らめく。さっきまでラシードのキスを受けていた蜜の泉に、彼の硬く反り返った蜜茎があてがわれる。
「ラシー……ド……、ぁあ……」
ジャスミンは、思い切って閉じていた目蓋を開け、目の前のラシードに視線を合わせた。
思い返せば、どれほど彼とこうなることを望んでいただろう? 初めて会った時、彼の瞳に引き込まれた。まだ恋というものを知らないまま彼に恋して、そうと自覚して気持ちを募らせた矢先に手の届かない存在になってしまって──。
「……は、ぁ……」
泉の入り口をほぐすみたいに、彼の切っ先が浅く入ってきては丘の上へと滑っていく。
「ひ、ぁあっ! あ、あ……あああんっ!」
ラシードの高ぶりがジャスミンの蜜泉に沈み、突然身体の真ん中に鈍い痛みを感じた。だけどそれは驚くほど甘美で、すぐに全身を突き抜けるような快楽にとって代わった。
指と舌で愛撫されてすっかり腫れあがった淫芽を、ラシードの指がくにくにと捏ね回した。
途端に目の前でまばゆい七色の光がはじけて、腰が浮き上がった。
「あ……あぁッ!」
そのまま突き上げるようにして身体を貫かれて、瞳をじっと見据えられる。目の前にあるラシードの瞳が、宙を舞う虹を捉え黒いオパールのように妖しく光っている。ゆったりと満足げに微笑む口元は、彼がすべてにおいて王である風格を感じさせた。
「気持ちいいのか? ……まだ知ったばかりなのに?」
唇が触れる位置でそっと囁かれて、ジャスミンは我もなく繰り返し頷いてしまう。見つめてくる瞳が優しく感じられて、まるで嵐の日に戻った様な気分になる。
蜜泉に沈み込んだラシードのくびれが、ジャスミンの中にある敏感な襞をめくり上げては撫で下ろしてくる。
「ぃ、あ……、あ……、ひ、んっ……」
彼が少し動くだけでも、叫びだしそうに感じてしまう。泉の奥から、蜜があふれ出すのがわかる。
いったいどうしたらいいのかわからず、ジャスミンは自分の上にのしかかっているラシードの背中にしがみついた。
「ラシード……」
唇をつけていなければ、息が苦しいような気がする。もっと身体を混じりあわさなければ、身体がどこかへ飛んでいってしまいそうで不安になる。
「可愛いことをする……」
彼の左腕に、肩を抱え込むように抱かれて、左胸を右の掌に鷲掴みにされた。
「君といると君の家に滞在した時の充実した日々を思い出すよ。森に行って野ウサギに餌付けしたり道すがらに生っている木の実を摘んで食べたり……」
「ぁ、んっ……あ、んっ……!」
ゆっくりと深く腰を振られながら、指先で硬くなった胸の先を転がされる。身体の内側を、彼のものにじっくりとかき混ぜられている。
もっともっと欲しい。身体中を彼でいっぱいにしてしまいたい。こんな淫らな考えを持つなんて! でも、どうしようもなく身も心もラシードを欲している。
これも媚薬のせい? それとも……。
文字通り裸になった今、彼への本当の気持ちが剥き出しになった。
「ラシード……」
〝愛してるわ……、あなたを愛してるわ、ラシード! たとえ、あなたが本当に愛を必要としない人であっても〟
「ぁ、ん、……ふ……、あッ……」
自分の気持ちを素直に認めた途端、身体に感じる熱の色まで変わった気がした。
「どうした……? 急に身体が柔らかくなったようだ……、んッ……、それに……ああ、すごい……、まるで吸い付くように締め付けてくる……」
繰り返される抽挿に蕩けながら、ジャスミンはラシードの頬を掌に包んで、自分からキスをして舌を絡みつかせた。
ラシードは、より一層身体を密着させ、貪るようなキスを返してくる。
「ひ、ぅ、あぁッ……!」
ジャスミンの中でミシミシと質量を増していく彼の猛りが、彼女の淫壁を内側から押し広げていく。硬くめくれ上がった先端の段差が、抜き差しするごとに濡れそぼって敏感になっている内襞を引っ掻く。ゆっくりと捏ねるように中を探られていると、突然我もなく叫びだしそうに感じてしまう部分がある。
「い……ッ……、ラシ……ドッ……、そこ、い、やぁっ……!」
身体が跳ねるほど激しく反応する彼女を見て、ラシードは口角を持ち上げて満足げに、にやりと微笑む。
「ここがいいんだな? ……あぁ、また蜜が湧き出てきたな」
軽く腰を引き、ずぶ、と熱い肉塊を押し戻されるたびに、ジャスミンの唇からは吐息のように長く切なげな嬌声が零れた。
ラシードの逞しい両の肩に、ジャスミンの細い指先が食い込み、振り乱す金髪がベッドの上で乱れもつれる。
「だ……め、いゃ……あ、あ、ぁッ……!」
容赦ないラシードの腰の動きが、ジャスミンの豊満な乳房を揺らした。ペンダントにしている真珠の指輪は、彼女の髪の毛に絡みついてラシードには見えていない。つま先から、凄まじい快楽が押し寄せてきた。
「あ、ラシ……ドッ……、こ……怖……いっ……、あ、あ……!」
あまりの快感におびえる彼女を、ラシードが攻め立てて更なる絶頂へと追い詰めていく。
「大丈夫だ、僕がいる……。さあ、達するんだ……。怖がらなくていい……」
ラシードは、襞の奥に潜む蜜泉を抉るように刺激し、限界まで張りつめた蜜茎を最奥まで埋め込んでくる。
「ジャスミン……」
ラシードの声が耳元で優しく響いて、押し寄せる波のようだった腰の動きが、優しくリズミカルな抽挿に変わった。
「ぁ、あ……ふ……」
身体が蜜のように蕩けていく。甘く濃密な悦楽の中に、とろとろと蕩けていく……。
「ぁ、あ、んッ! は……ぁ、ん、ん……!」

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