書籍情報

囚われの薔薇姫と孤高の黒王子【書下ろし】

囚われの薔薇姫と孤高の黒王子【書下ろし】

著者:麻倉とわ

イラスト:弓槻みあ

発売年月日:2015年04月27日

定価:972円(本体900円+税)

ピアノが大好きなローレンはその腕を見込まれ、王宮での御前演奏を依頼される。無事に弾き終えるとアンドレアに労いの茶会に招待された。その席で媚薬を飲まされ、関係を迫られる。蕩かされながらも「好きな人とでなければ」と抵抗する彼女にアンドレアは興味を持つ。今まで誘いを拒む者などいなかったからだ。ローレンは王宮に軟禁され、夜ごとにアンドレアに抱かれてしまう。最初は反発していたが、次第に気持ちが変化して…

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登場人物

◆ローレン・セルウェイ

貧乏な音楽教師の娘。金髪と青い瞳が美しいが、音楽に夢中になるあまりに数ある求婚を断り続けている。
◆アンドレア・マルス・プリンツ・フォン・ドルシア

ドルシア王国の第二王子。黒髪とエメラルド色の瞳を持つ。亡き兄への敬意を表し、喪が明けても黒衣を纏っている。

立ち読み

そこは何本ものキャンドルが灯り、甘く濃厚な香が焚きしめられていて、いかにも愛を交わすための場所という雰囲気だった。
「そんなに怯えた顔をするな、ローレン。すぐによくなる」
アンドレアは微笑みながら、寝台にローレンを横たえる。顔の両側に手をつくと、自分の優位を少しも疑っていない表情で、ゆっくりと覆いかぶさってきた。再び彼に唇を奪われそうになった時だった。
「つぅっ!」
アンドレアが顔をしかめて、跳ね起きた。ローレンがその唇に噛みついたのだ。体の自由がきかない中、必死の反撃だった。
「なるほど、かわいらしいが手強い子猫というわけだ」
血がにじんだ唇を拭うと、アンドレアは不敵に笑った。
「こんな扱いを受けたことはないが、これはこれで刺激的だな」
「お、おね……がい」
「わくわくするよ、ローレン。君とはたっぷり楽しめそうだ」
必死の願いもむなしく、アンドレアは再びローレンにのしかかると、桜色のドレスの胸元に手をかけた。彼の意図は明白だった。
「いやぁ!」
大切な母の形見。けれどそれを知るはずもない王子は一気に腰のあたりまで引き裂くと、ぼろ布のようになった絹を破り取った。続いてローレンの腕を上げさせると、その布を使って頭の上でひとまとめに縛り上げてしまったのだ。
あまりのことにローレンは声も出せず、震えながら目を見開く。もともとうまく動けないのに、さらに自由を封じられてしまった。もう絶対に逃げられない。
「乱暴をしてすまない。だが君は少しばかりお転婆みたいだから」
アンドレアはローレンの瞳を見つめ、幼い子をからかうように鼻先をそっと撫でた。
「きれいな瞳だ。湖よりも澄んでいて、まさに清らかな乙女にふさわしい。だが、すぐに私を欲しがって淫らに潤(うる)むようになる」
「や、やめ……」
「では、君を天国に案内するとしよう」
絹ずれの音と共に、たくましい体がのしかかってきた。燭(しょく)台(だい)の灯りで王子がまとう黒い絹地が鈍く光り、ローレンは目をしばたたく。
瞬間、首筋に噛みつくようなキスが落ちてきた。痛みぎりぎりの激しい刺激。容赦なく這い回る舌と唇のせいで、白い肌はたちまち熱を帯びる。
「あ……ん」
やめてと、助けてと叫びたかった。それなのにローレンの唇からこぼれたのは、蕩けそうに甘い喘ぎ声だ。
「ほう、君の声は指先で奏でる音色に負けていないな」
それが呼び水になったらしく、アンドレアは破けたドレスの胸元を大きく広げた。下着からまろやかな二つの膨らみがこぼれ出て、ローレンは小さく息を呑む。だが無情にもドレスはさらにはだけられ、コルセットに包まれた細い腰まで露わになってしまった。
いきなり空気にさらされたせいで、胸の果実が硬くなる。待ちかまえていたように長い指が珊瑚色の乳首をとらえた。
「これはまたかわいらしい。ちょうど食べごろだな」
つままれてやんわりいじられると、二つの突起はどんどんしこって、何かわからない熱いものが腰のあたりで蠢(うごめ)き始めた。初めて感じる、甘く妖しい疼(うず)きがローレンを苦しめる。
「あ……」
「気持ちよさそうだな、ローレン」
「い、い……や」
無遠慮な目から逃れたくても、両腕を縛られていて身動きができない。それ以前に、体がひどく重かった。唇もあいかわらずうまく動かない。
「先ほどの酒に薬を入れたのだ。手荒な真似はしたくなかったが、その方が互いに楽しめるし、君は他の女たちより手強そうだから」
ローレンの考えを読んだように、アンドレアはわずかに頭を下げた。その顔立ちはルネサンス絵画に描かれた天使よりも優しげで美しい。それなのに、なぜこんなひどいことをするのだろう? しかも彼とはほんの数時間前に会ったばかりなのに。
「く、すり?」
「東方の媚薬(びやく)だ。体中が感じやすくなって、男に抱かれたくてたまらなくなる。破瓜(はか)の痛みも少しは和らぐはずだ」
破瓜――アンドレアは、純潔を奪うと言い放った。
「君はきれいだ。ローレン、どうか私のものになってくれ」
「やめ……ひっ!」
ふいに右の乳首に濡れたものが触れた。少しざらついていて、あたたかい。アンドレアの舌だった。吸い上げられ、ピチャピチャと音をたてて舐め回されて、ローレンは目を閉じて身を捩(よじ)る。腰の疼きはますますひどくなって、いったいどうすればいいかわからなかった。
こんな恥辱にはとうてい耐えられない。心からそう思っているのに、つい誘うように胸をそらしてしまう。もちろん自分では気づいていないのだが。
その時、目元をそっと拭(ぬぐ)われた。
「なぜ泣くのだ、ローレン?」
「えっ?」
思わず見開いた目に映ったのは、心底驚いている表情だった。
「君のような娘は初めてだ。王子の寝台に招かれるのは名誉なことだぞ。これまで誰もが素直に脚を開き、私を拒むものなどひとりもいなかった。抱いてくれと、それとなく誘う者も大勢いる。それなのに――」
「し、知らない……か、ら」
混乱のあまり、自分が泣いていることさえ気づかなかった。
それでもローレンは回らぬ舌を必死に動かそうとする。愛してもおらず、ましてよく知りもしない相手と、肌を合わせることなどできない。それをなんとか伝えたかった。
「知らない……アンド……レア……様のこと……何も」
一瞬、アンドレアの視線が揺れた。どこかが痛むように眉を寄せて、ローレンから目をそらす。しかしすぐに思い直したらしく、笑いながら再び胸元に顔を寄せてきた。
「では、今から知ればよい。誰かと親しくなるには、こうするのが一番だろう?」
「あん、あっ!」
白い乳房を強く揉みしだかれ、ローレンの息はますます荒くなる。まるで罰するように乳首を捻(ねじ)られ、反対側には軽くではあるが歯をたてられた。それなのに薬のせいか、痛みまでもが甘い痺(しび)れを呼び起こしてしまう。
「う……ん」
アンドレアに攻められ、いつの間にか両足の間の秘められた部分がわななき始めていた。もどかしくて切ない、未知の感覚。妖しい熱を帯びて、じっとりと潤(うる)んでいるのが自分でもわかる。
そこに触れたい。そんなことをしてはいけないのに、濡れてほころぶ花(か)芯(しん)を思いきりいじりたくてたまらない。
「ああ……」
一度意識してしまうと、ローレンはそれしか考えられなくなってしまった。はしたなく恥ずべき行為なのに、秘所は甘く疼き続ける。これも媚薬のせいなのだろうか。
「ゆ、許し、て……くださ」
もう限界だと思った時だ。アンドレアが上体を起こし、ローレンの足首に手をかけたのだ。
「悪いが、ローレン。それはできない。それにここでやめたら、つらいのは君の方だぞ」
「えっ? あ……あ、だ、だめ!」
王子の言葉を理解する間もなかった。アンドレアは細い脚を大きく開かせ、ドレスと花びらのようなペチコートをまくり上げたのだ。白いドロワースがあらわになって、ローレンは悲鳴を上げる。だが力強い手は迷うことなく下着も引き裂いてしまった。なんとかずり上がって逃れようとすると、足首をつかまれて容赦なく引き戻される。
「いやっ! いやぁ!」
すべてがアンドレアの前にさらけ出された。髪と同じ蜂蜜色の薄い下生え、その奥でひっそり息づく純潔。つつましやかな薄桃色の秘花を隠すものは、もう何もない。
「……きれいだ」
「いや……いや……」
ローレンにとっては、アンドレアの賞賛も空しいだけだった。死にたいほどみじめで、とめどなく涙が頬(ほお)を伝う。けれども――。
「ああっ!」
二本の指が躊躇(ちゅうちょ)することなく、薄い花びらをめくり上げたのだ。ローレンには泣く猶予さえ与えられなかった。小さな花芯を剥かれ、自身が溢れさせた愛液をクチュクチュとまぶされる。
「あ、あああ、だめ! いやぁっ!」
「いやではないだろう? こんなに感じて濡らしているのに。もっと触ってほしいと、ヒクついて誘っているぞ」
かゆみにも似た熱感がひっきりなしに襲ってきて、ローレンを苦しめる。確かにアンドレアにいじられていないと、おかしくなってしまいそうだ。
「あ、あ……ひいぃっ!」
アンドレアの指先は時にくすぐるように、時に荒々しく愛らしい宝珠(ほうじゅ)を愛撫する。すでにコルセットもはぎ取られ、ローレンは真珠の首飾り以外は生まれたままの姿にされていた。
「処女でなくなるのが、そんなに怖いか」
もちろん怖いし、純潔も守りたい。アンドレアを拒みたい一心で、ローレンは目を見開いて何度も頷(うなず)く。
「……そうか」
アンドレアは薄く笑うと、ローレンから離れて寝台を下りた。
「では助けてやるとしよう」
長身の後ろ姿がそのまま隣室に消えたので、ローレンの体から力が抜けた。もしかしてあきらめてくれたのだろうか。
けれど期待も空しく、王子はすぐに戻ってきた。しかも右手に紫色の媚薬の瓶を持って。
「そ、それは……」
いったん口にすれば、男を求めずにいられなくなる催淫剤(さいいんざい)――その効果を知っているローレンは怯えて唇を震わせる。しかしアンドレアはためらうことなく、瓶を手に、再び覆いかぶさってきた。
「い、いや」
媚薬を飲むまいとして、ローレンは唇を噛みしめ、顔をそむける。すると実に楽しげな笑い声が聞こえてきた。
「なるほど飲みたくないか。よし、わかった。それでもいい。だがローレン、これはいろんな使い方ができるんだ」
アンドレアが笑いながら内股に手をかけ、大きく脚を開かせた。間に体を入れられたので、もう閉じることはできない。
「な、何?」
その格好のまま尻の下に枕を入れられ、秘所がさらに露わになった。恥ずかしさと惨めさで、ローレンはきつく目を閉じる。無力な彼女にできるせめてもの抵抗だった。ところが――。
「きゃあっ!」
いきなり下腹部を濡らされ、ローレンは悲鳴を上げた。アンドレアがひめやかな花唇に媚薬を注ぎ入れたのだった。その冷たさに思わず目を開けると、見下ろしていたのはひどく不穏(ふおん)な笑顔だった。
「こうすると、効き目はもっと――」
「ああんっ!」
ふいにローレンの体が大きく波打った。アンドレアの言葉が終わらないうちに、秘部が燃えるように熱くなったのだ。直接媚薬(びやく)を入れられたせいか、作用は強烈だった。膣(ちつ)だけでなく、後ろの小さな蕾(つぼみ)や色づいた花びらまでもがジンジンと痺れている。まるで無数の羽虫がむらがっているみたいで、とてもじっとしていられなかった。
「いや……あ……助けて」
「ずいぶん気持ちよさそうだな。蜜が溢れて、シーツを濡らしているぞ」
アンドレアの指が蜂蜜色の茂みへと伸び、ごく軽くくすぐったが、それすらローレンにすれば耐えがたい前戯(ぜんぎ)となった。
「だめ……お、お願……い」
もっと強い刺激が欲しかった。今すぐ花園の深部に触れてほしい。長い指で襞(ひだ)をこすり、熱を持つ奥をかき回してもらわなければ、どうにかなってしまいそうだ。
「アンドレア様」
「言ってごらん、ローレン。私に、どうしてほしいんだ?」
「さ、触って……ください」
「どこを?」
言葉にできるはずもない要求だった。ローレンは答えるかわりに涙を浮かべて首を振ったが、そうしている間にも体の奥では凄まじい熱感が荒れ狂っていた。触れられてもいないのに、乳首は赤く色づいて尖り、脚の間から半透明の粘液がトロトロとこぼれ落ちる。
その苦しげな様子を見かねたらしく、とうとうアンドレアが胸のふくらみを撫でてくれた。
「ここか?」
「え、ええ」
次に舌先が、先端の二つの肉粒を交互につつく。
「ここは?」
「は、はい……そこも」
けれども愛撫はあくまでさりげなく、燃えたぎるような秘部は放置されたままだ。ローレンはこらえきれずに何度も身を捩り、体全体でさらなる欲求を伝えてしまう。
「まだ足りないのか? だが、どこをいじってほしいのかわからなくては――」
「いや、いやです! お願いっ!」
ついにローレンは巧みな誘惑の前に陥落(かんらく)した。自らさらに大きく脚を開き、膝を曲げて、疼き続ける蜜園をアンドレアの目前にさらしたのだ。青い瞳を涙に濡らし、恥じらいも屈辱も、意地さえ忘れて愛撫を請うてしまった。
「こ、ここを……お願い……ですから」
「いいぞ、ローレン。よく言えたな」
アンドレアが満足そうに微笑み、身を屈めてきた。まず長い指がぬかるむ花芯をもてあそび、唇が乳首を引っぱるようにくわえた。そのまま絶え間なく敏感な柔(やわ)肉(にく)をこすられ、しこった肉粒(にくつぶ)を吸い上げられる。その指も唇も今までとは違って、望んでいたとおり淫らに執拗(しつよう)にローレンを追いつめた。
「あ……ああ……」
どうしてこんなに気持ちがいいのだろう。このあさましい行為も、アンドレアも、心から拒みたいと思っているのに――。ローレンは自分自身が信じられなかった。
「君はすてきだ、本当に」
「いや……あ……うう」
胸の尖りをしゃぶられながら、肉芽を擦られ、白い肌がわななく。強烈な快感は痛みと紙一重だ。まして怪しげな薬のせいで、恐ろしいほど敏感になっている。生硬(せいこう)な体は送り込まれる愉悦(ゆえつ)を受け止めきれず、ローレンの意識はいつしか闇の中へと吸い込まれていった。

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