【第二話】
彼はニュースキャスター!~TL小説編集者の私~ 後編
著作:如月一花 illustrator:龍 胡伯
第2話
様々な困難を予想しながら、それでも加奈は子作りとしてセックスをすることを受け入れている。それを、楽しみなんて軽い言葉で片づけてほしくない。
そもそも加奈にとって大輝とのセックスは特別なものなのだ。
大輝から求められると幸せを実感するし、熱が体内にあると一つになっている気がして幸せが倍増する。
加奈にとって大輝とのセックスはただの快楽を求め合う行為ではなくて、彼との繋がりを確かめ合う行為そのものなのだ。
妊娠したら、自分たちの生活は激変するんだろう。
セックスもなしでどう彼との繋がりを感じればいいのか。
そんな恐怖心を抱きながらも、今は大輝とたっぷり愛し合うことに専念している。
加奈の耳朶に大輝がまた囁いた。
「腹の中で俺の熱がどんな風になってるか教えて?」
「大輝の?」
「動くから」
「えっ!」
加奈の腹の奥でいきなり熱が突き上げられる。
「あっあああっ!」
「加奈。どんな感じ?」
「それは……大輝の熱がお腹の中いっぱいになってて。でも……」
加奈はそれ以上は言えなかった。
まだまだ足りない、とは。
「加奈。黙るってことは物足りないってことかな?」
大輝が何度も抜き差ししてくるので加奈は首を横に振った。
恥ずかしくて言えそうにない。
「違うのっ」
「言っていいんだよ。もっとメチャクチャにして欲しいって」
加奈は潤んだ目で振り向くと大輝をうっとりと見つめた。
そして小声でボソリと言った。
「弱いところ、全部いじめて?」
加奈が言うと大輝がクスッと口角を上げて笑う。
そして、男根が引き抜かれるとベッドに連れて行かれる。
その場に寝かされて首を傾げていると、大輝がおもむろにディルドを取り出した。
そしてすぐに加奈の蜜口に挿入し始める。
「あああっ!」
「まだまだ足りないんだよね?」
そう囁かれて、加奈は小さく頷いた。
「淫乱、だ。全部欲しいなんて」
「だって、後悔したくないもの」
ベッドの縁に座った大輝の膝に加奈は前から跨った。
ディルドが落ちないように懸命に堪えているが、蜜が溢れて滴り落ちている。
恥ずかしくてたまらない状況の中、大輝が先端を摘まんできた。
「ああああっ!」
「加奈。イクのは堪えて? じゃないとディルドが飛び出るから」
「はあぁはああぁあ」
加奈は息を乱しながら懸命に腹に力を込めた。
今にも滑り落ちそうなおもちゃを加奈は思わず手で押さえる。
「恥ずかしい格好をしてるね、加奈」
「大輝……ぃ」
「俺の前で淫乱な女を見せつけてくれてるみたいで、最高だよ」
言われて、加奈は赤面してしまう。
自分で欲しがっておきながら羞恥心をたっぷりと煽られて悶えてしまうなんて、すっかり欲望に溺れてしまっている。
しかも、大輝は心地よくなっていない。
それじゃダメじゃないかと加奈は大輝に上目で聞いた。
「大輝のちょうだい?」
「まだまだだよ。加奈の恥ずかしいところをいっぱい見てから」
「何度も見せてるのに」
「それに、自分でおねだりしたんだろう? 観念して、イクまで膝の上で悶えるといい」
加奈が恥ずかしさに震えていると、今度は膨らみを指先で扱かれた。
「ふあああっ!」
「ほら、またイキそうだ。我慢できるか?」
「イクっ!」
「ダメだよ。まだ全部同時攻めじゃない」
加奈が朦朧とした頭で堪えていると、大輝がキスをしてきた。
(これ、キス……?)
しかし、加奈が思うよりもそれは甘くて頭が蕩けていくものだった。
舌先を蠢かせて唾液を混ぜていると、蜜が蜜口から滴り落ちてくる。
「ンンッふぅ」
「キスでイケそうだろう?」
「だいきぃ」
声にもならないような声で喘いだ瞬間、加奈の腹の中でディルドが思い切り蠢き始めた。
「んあああっ」
「ほら、体が満足してないだろう?」
同時に先端を摘ままれて加奈は一気に頂きを昇りきり果ててしまう。
ディルドも膣が締まり滑りに任せて飛び出し、それと共に蜜が床に滴り落ちた。
「あっふあぁああ……」
体がヒクヒクと快感に震えていると、大輝が加奈をベッドに座らせる。
そして強引に抱えると、猛る男根を蜜口にあてがった。
「じゃあ、子作りの再開だ」
「大輝っ」
じゅぷっと音を立てながら挿入されると、一気に最奥を貫かれる。
「あっあああっ!」
加奈はそれまで感じていた快感をさらに上回るような刺激に耐えきれずに挿入だけでも果てそうになる。
抜き差しで擦られて、最奥がジンジンと欲しがるように疼いた。
「あっああっああっ」
揺さぶられる体と共に揺れるたわわな胸を、加奈は自ら揉みしだく。
先端を捏ねていると、大輝の抜き差しが早くなった。
「ナカがきつい」
「それは、さっきイッたばかりだから」
加奈が頬を染めながら言うと、大輝が満足そうに笑みを溢した。
「加奈はこれで満足かな」
「大輝は?」
「俺は加奈のイキ顔沢山見たから満足だ」
そのまま抜き差しが続けられると、最奥が痺れるような快感に刺激される。
「ああっあああっ!」
「加奈っ! もうそろそろ限界だっ」
「大輝っ」
抜き差しがさらに早くなって、加奈は息も出来なくなりそうになる。
そしてグチュグチュと音が立つほどに蜜が溢れ出し、部屋に響き渡ると、肌がぶつかる音も同時に響き始めた。
互いの吐息が響く中、加奈は堪えきれずに大輝の名前を叫んだ。
「大輝!」
「加奈!」
その刹那、白濁が腹の奥にたっぷりと注がれた。
加奈は恍惚とした笑みを浮かべながら幸せを噛み締め、意識を手放していった。
(第三話へ続く)
第三話の配信は2/14予定