異世界で就職したら、花嫁として溺愛されました!?
著作 みなせ遊砂 Illustration 蘭 蒼史
第1話
プロローグ
はぁ、はぁ、はぁ。
熱い息がこぼれる。
宿の部屋の扉に、ジェリィは背中を押しつけて座らせられている。
これはレイフが部屋に入った途端、押し倒してきたからだ。
驚いた。
甘味の波を抑え込んでいるのは、てっきり自分だけだと思っていたから。
「どうしたら……俺だけのものになる……こんなところまで来たのに……」
(…………?)
乳房の先から与えられる感覚に震えながら、レイフの言っていることがわからないと思った。式は挙げていないものの、ジェリィはレイフの妻だ。もうレイフのものみたいなものではないか。
胸の桃色を甘く噛まれて、ジェリィは声を上げた。
片方の脚は高く広げられ、ジェリィの秘所は無防備な姿を晒している。
その濡れた割れ目を、指が執拗に出入りしていた。
中を擦られるたびに甘い声をもらし、躍動する襞から垂れる蜜液が脚を濡らす。
「あんっ……あん、も、嫌……嫌じゃな……」
自分でも何を言っているのかわからない。ただ、嫌だと言えば、無理やり終わらせられるように思えて、はっきりとは言えなかった。
正直に言えば、もう指じゃなくて、もっと激しく突いてくれるものが欲しい。
(欲しい。レイフが欲しい)
「立って。ドアに手をついて」
後ろに返されて、残りのドレスと靴を全て脱がされた。
「んぅ……嫌、恥ずかしい……」
レイフの舌が、うなじから背筋を辿った。
「脚、もっと開いて」
酔いで赤くなった耳元に過ぎる息が、熱く感じた。
レイフの体温が、ジェリィの酔いの回った身体を上回ったようだ。
おずおずと開いた脚のつけ根に、レイフの指がまた滑り込んでくる。
身体を立てたことによって、蜜液が下へと流れるのを感じた。
(すごく濡れてる……恥ずかしい)
甘味を逃さないようにと必死になってレイフの指に絡みつく水音が、ジェリィの耳から頭の中に入って意識を朦朧とさせた。
(もう、どうなっても……あっ)
乳房の先をきゅっと摘まれた。全身にぴりっとした感覚が走る。
「意識を手放しちゃだめ。これからもっとすごいことするのに」
知ってるでしょ? と熱い息を吹きかけられて、膝が落ちそうになった。
「おっと、もう無理そう? ……俺にもたれかかって」
涙の粒がほろほろと落ちていく。
両腕を、レイフの肩に回した。
小柄なジェリィの身体はひょいとレイフに抱き込まれ、ベッドへと移動した。
「そんなに気持ちいいの? ……ジェリィ、可愛いね。もう、俺を好きになりなよ」
ベッドに寝かされて、指が唇に触れる。
キスしたことがないこと、レイフはもう気づいている。
……キスは、あの人としたのが最後。そしてあの子は自分の身体を傷つけ始めた。
背筋がぞっと凍った。
びくり、と動いた肩をレイフの裸の腕がぎゅっと抱きしめてくれた。
「俺に集中して。感じてて。他のことを考えないで」
こめかみにキスを落とされる。優しいキス。
どんなジェリィでも受け入れると言っているようで、また涙がこぼれた。優しくされるとつらくなるのに。
「忘れて……俺だけ感じてて。他の男なんか見るな。俺があげたイヤリングを……」
「んんっ、あの時は……勢いで……ひゃんっ!」
入ってきた指の本数が増やされた。
乳房が強めに噛みつかれる。
「勢いでも嫌だ。ビール飲んでてもダメ」
噛みついた乳房に舌を這わせてくる。その部分がじんと熱く感じられた。
「あっ、わかっ……あんっ……あっ……」
ぐちゅぐちゅと秘所を出入りする指が、たまらなく気持ち良かった。
あふれ出る蜜液は、ベッドの敷布まで汚している。
腰が落ちるたび、冷たいと感じるほどに。
「んっ……」
下腹がきゅんきゅんと絞られる。指を離すまいと必死に抱き込んで。
レイフが額にキスをくれた。
「いったの? 可愛い」
「はっ……あっ、は……」
くたり、と横たわるジェリィの脚を広げて、レイフが腰を割り込ませた。
ジェリィはふる、と首を横に振って無理だと訴える。
「そんな、可愛く言ってもダメだから」
「────っ!」
一気に入られて、また目の前が星で飾られた。
入っただけで、またいってしまったらしい。
「可愛い……ぞくぞくするよ、ジェリィ……もっと、って鳴いてよ」
ぐちゅぐちゅと音がする。
秘所を貫かれるたびに、甘い感覚が頭まで貫き通る。
勝手にあふれ出る唾液が伝って、頬を濡らした。
「うんっ……んっ……もっ……と、奥っ……」
「そう、今みたいに可愛くねだって。何だってしてあげる……」
両脚を揃えて抱え込むような体勢で腰を入れられると、ぐっと奥まで入るように思えた。
目の前にはまだちらちらと光が散っている。
肌と肌のぶつかり合う音と秘所が鳴らす甘い音と相まって、ジェリィは首をのけぞらせた。
「いっ……く……」
「ダメ。もう少し……一緒に……んっ」
短い声と一緒に、レイフはひたりと腰を押し込んだ。レイフのものをぎゅっと握りこんで離すまいとする秘所が小刻みに震えているのがわかる。
その中に、レイフは白濁を放った。
「そろそろ……俺の子を孕むんじゃない? 早く、孕めばいいのに」
ぞっとする笑みを浮かべたレイフが目に入ったかどうかもわからない。
ジェリィは夢かもしれないと思いながら、そのまま身体を横たえた。