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静穏を望む元OL妻は、ヤンデレ夫の献身に蕩かされる【書下ろし・イラスト5枚入り】

静穏を望む元OL妻は、ヤンデレ夫の献身に蕩かされる【書下ろし・イラスト5枚入り】

著者:如月一花

イラスト:蘭蒼史先生

発売年月日:2019年07月26日

定価:990円(税込)

「ああ。いけない子だ。明日香。こんなところで感じてるね?」
毎日のように夫の神宮寺吉良と、朝も夜も求め合う恋人のような関係に満足する明日香は、その裏で彼が行う日々の撮影や録音に辟易していた。五年前の事故をきっかけに極まる愛情行動。それは、いずれ周囲への嫉妬や束縛へ変化していく。さらには子作りも上手くいかず、意思疎通もすれ違うばかり。妊娠を諦めかけたその時、女性と密会する吉良を見つけてしまう明日香。裏切られた衝撃に離婚を決意するが、しかし強引に押し倒され……!?

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登場人物

神宮寺 吉良(じんぐうじ きら)

黒髪を流し、固めて整えている。切れ長の目で、長身痩躯の男性。仕事ができ、真面目で、妻しか考えられない愚直な面がある。口下手なせいか、上手く気持ちを伝えられず、行動で示そうとする。
◆神宮寺 明日香(じんぐうじ あすか)

黒髪で、色白の肌。垂れ目気味の美女。お見合いで吉良と出会った。一途で素直、我慢強い部分があるが、それが災いし、最初から本音をぶつけられない面がある。

立ち読み

夫の神宮寺じんぐうじ吉良きらが自分の下に寝転んで、苦し気に息を弾ませていた。


切れ長の黒瞳は切なそうにこちらを見つめ、上下する裸の胸板にはじんわりと汗を滲ませる。筋肉の均整がとれた長躯は、三十五歳の実年齢を感じさせないほどに若々しかった。


「ぁ……ああ、いい……っ」


明日香あすかの細い腰を支える腕は逞しく、その指先で肌を撫でられると、照れたようにピンク色に染まってしまう。まるで恋をするように、吐息は乱れ、無意識に腰が揺らぐ。


自ら猛りに挿入して、腰を振るなど吉良と出会って初めて知ったことだった。


それも今では手慣れ、彼の欲望を体内に挿入するのに迷いや戸惑いはない。


そそり立つ猛りを自ら入れることに、責任や義務のようなものすら感じてきたほどだ。


それは多分、三十歳になって、子作りも大切だが、セックスが楽しくなってきたからだろう。


「奥に……当たってる……っ」


汗でしっとりと濡れた肌が空気に触れるたび、身体が戦慄く。


長く伸びたウェイブする黒髪が揺れる。頬にくっついた髪を手で払いのけ、明日香は喘ぐように天井を仰ぐ。


(暑い)


閉めきった窓から微風すら吹かない。滴る汗は肌を撫で、鍛えられた彼の腹筋に落ちていく。


熱に浮かれる思考に、蕩ける思いで自分の快楽を伝えようと吉良の手をぎゅっと握る。


「今日は、どうした? エロいな」


目を細めて尋ねる彼に、明日香はふっと微笑んだ。


「天気も良いし、身体の調子も良いし……だから、かな……ぁ」


「なら、何も考えるな」


「ん……」


一瞬、切ない思いが胸に込み上げてきた。


考えるなと言われると、自分が『いらないもの』のような気分にさせられるのだ。


この堪え切れない快楽を知って、何度果てても報われないことがひとつだけあるからだろう。


吉良はそれを考えるなと言っている。


頭では理解しても、女性としての想いが明日香の心を弱くする。


『何も考えずに快楽に溺れてしまえ』


そんな命令をされているような錯覚がある。女性として妻として必要なのは身体だけ、そんなむなしい思いにさせられる。


「あっあっあっ! すご……、やぁ! 奥に何度も当てないで!」


「だめだろ、そうしないとたっぷり注げない」


ぼんやりしている暇はないとばかりに、腰を使われて突き上げられた。


「吉良……」


視線を絡ませ、腹の奥で熱がひくひくと蠢くのを感じながら、明日香は愛する夫を見つめる。


「大好き……」


「俺もだ、明日香」


「あっ、でも……今日もゴムは……」


「うん。もちろん、しないよ」


腰を使われて、切なそうに頬を撫でられた。


隘路がきゅっと締まり、熱を咥え込む。


直接伝わる体温や脈打つさまに、身体が震え、吉良との深い繋がりを実感する。


子宮で夫を感じ、揺さぶられて頭を蕩けさせてしまう。


次第にこの行為が快楽だけを望んでいるのではないかと考えそうになるが、そんなことも忘れるほど激しくされて、明日香は空気を求めて喘いだ。


自身で揺れる胸を揉みしだいていると、吉良の手が伸びて下から鷲掴みにしてくる。


「やぁ!」


「先端が尖ってる。ここを押し潰すと、明日香は弱いんだよな?」


言うなり、ぐにぐにと捏ねまわされてしまう。


腰が勝手に揺れて、もはや余計な考えも、正常な思考回路も残らない。


「やぁ! それやめてっ」


「こうすると、明日香は一回イク」


「あっああっ!」


重点的に責められると、腹の奥に突き刺さる熱よりも空気に触れている部分の方が弱いことを知らされる。


明日香が一番鋭敏に反応するのは、ピンク色のぷっくりとした部分だ。


「んんっ!」


「すっごい締まる」


「吉良と繋がったまま、イクのいやぁ」


「どうして?」


「恥ずかしい……」


「俺は幸せ。明日香のこと、俺の手でどんどんダメな人間にしてるみたいで」


「それが分かるから、いや……。変に、なっちゃう……気持ち良くて……吉良のことで、頭いっぱいで……」


こりこりと弄りまわれて、明日香は蜜を溢れさせた。


頭は蕩け、奥はひくついている。


そして、吉良の手の中でグズグズに『ダメ』になっている。


「もっと、して……。なんにも分からないくらい……して?」


「いいよ」


吉良の甘えた低音がくすぐったい。


「吉良ぁ……」


明日香はとろんとした目で見つめた。


ずんずんと突き上げられているのに、一番鋭敏に感じるのは胸の先端。


「もっと、もっと意地悪して」


「じゃあ、ここにピアスする?」


「だめ……。そんな趣味ない」


「じゃあ、どうしたらもっと俺のものになる?」


「もう……イキそ……う」


はあはあと荒い息をしながら、先端を摘み上げられた途端に明日香は果てた。


しかし、腹の奥ではまだ熱がある。


がっくりと力が抜けるが、そのまま思い切り揺さぶられ始める。


そして、最奥をがんがんと突き上げられて果てたばかりだというのに、明日香の快感は強引に呼び覚まされる。


「ひぁっ! あぅ! イク……またイク!」


「いいよ。そのまま俺も」


突き上げは激しくなり、蜜道は熱を締め上げる。


内壁を擦られたり、子宮を揺さぶられたりして、もはやもう一度果てるのも時間の問題だった。


熱が伝わり、吉良と身体がひとつになるような錯覚すらおこす。


その刹那、彼から白濁が放出された。


「あっんっ!」


「明日香っ!」


「吉良……」


ぐったりと大きな胸に倒れこむと、明日香は肌からにじみ出ている汗にようやく気が付いた。


繋がったままでいると、吉良がそっと男根を引き抜いた。


そして、今度は明日香を四つん這いにさせてくる。


(吉良……私、本当は恐い)


辛い想いを抱いたまま、尻を突き出し猛りを受けた。


夫が日に何度もセックスが出来ることも、明日香の気持ちを憂鬱にさせる。


快楽の坩堝に飲まれ、吉良を愛しているのに、自分達にはただ快感を求め合うことしか出来ない。


後ろから突かれていると、尻穴に指が触れた。


「そこは……ダメよ!」


「全部。はぁ……はぁ……。俺のものにしたい」


「だから、そういう趣味はないの……吉良ったら」


呆れつつ、明日香は胸をジンと切ない想いにさせられる。


窓から差し込む光は明るく、抱き合いだした朝方に比べるとかなり明るい。


でも、吉良の欲望が収まることはなかった。


そして、明日香も拒否する理由は何一つない。


吉良は基本的に避妊をしない。そんな生活が、もう五年になる。


そして、あの恐怖の交通事故からもう五年だ。加害者は飲酒をしており、今だに刑務所にいる。太腿の傷が見えると嫌な気分になるのは治らない。


「あんっ……あっ!」


「蜜が溢れて、ぬめるな」


「だって、終わったばかりで」


ぐちゅ、ぐちゅと卑猥な水音が部屋中に響いていた。


精と蜜が混じり、部屋はむんむんとしている。


最奥を突かれ、すぐに内壁が肉棒に絡みついた。


さっき果てたばかりで明日香は心まで蕩けていた。


夫を好きで、愛されて、身体を知り尽くされて、幸せだ。


じゅぷっと音を立てながら突かれると、卑猥な人間だと自覚させられる。


ただ性欲を持て余し、日曜の昼間から抱きあうだけのつまらない夫婦なのだと自覚させられるような気もする。


(そんなんじゃない。吉良の愛情はいつだって深いもの)


ずんずんと突かれるといやでもはしたなく喘いで、吉良の方に懇願するように振り向くしかない。



「もっとして?」


「欲しがりだな」


「だって、きっと足りないの。幸せにだって……なれないから」


蕩けた頭でも真剣に、明日香は強請る。


恥ずかしくて仕方なかった日は忘れ、今はもう吉良との子作りで頭をいっぱいにする。余計な事を考えると、心が恐怖で浸食される。


「あっあっ! 吉良ぁ!」


「声がいやらしくなってる。もっともっと欲しくなってるだろう?」


「うん、そう。吉良が欲しくて仕方ないの」


振りむき、甘えておねだりした。


思わず舌なめずりしている。


(私、野生の動物みたいになってきてる)


いけない、だめだ、そんな箍たがはさっき外されている。


(避妊したい。赤ちゃんが出来たらどうするの? でも、吉良を拒めない)


吉良に抱かれても冷静に考える。そのうちに吉良はふくらみを弄ぶ。


挿入されながら先端を捏ねまわされることは、ふたりの為の儀式のようなものだ。


こうして、存分に抱き合う為、理性も剝ぎ取り、動物のように抱き合う為に。


自分達の幸せの為、快楽の為に、合理的であるけれど獣のような行為だ。


にゅちっとした感覚を感じて、目を剥いた。


「そこ、いやっ」


「いいだろ? 触るだけなら」


そう言いながら、吉良は尻穴に愛おしそうに触れている。


無防備な姿勢のまま、抵抗も出来ずにいるといつ指を突き入れられるか不安が満ちる。


「私……本当にそういう……趣味なくて」


ひくんと身体を震わせる。


快楽から一転して、吉良の悪い癖が出ていると思った。


彼を見れば、自分を愛でて、尻をするすると撫でている。


「ああ。怖がるなよ。アナルの趣味は俺にはない。でも、こんなことするのは俺しかいないだろ」


「うん」


「でも俺、もっと明日香を自分だけのものにしたいんだよ。全部。他の夫婦はしないことをしたい」


ひくんと猛りが膣内で蠢いた。


吉良が興奮しているんだと思い、明日香は困って視線を彷徨わせる。


前を向くが、繋がったままで無防備なせいだと、夫を信じるしかない。


「私、今までどおりでいいの」


わずかに明日香の声が震えた。


「分かってる。俺だって明日香の嫌がることはしないから。するわけないから」


「うん……。分かってる」


そう言いつつ、吉良の手はくるくる尻を撫でていた。


腹の奥の屹立は律動し、熱を一層帯びている。


(分かってる。これも、全部私のせいだって)


そう思いつつ、何も出来ないことがもどかしい。


吉良を好きだし、こんな風にされ続けていたら、いつの間にか受け入れている日がくるかもしれない。


そうなった時、ふたりの間にあるものは本当に愛情なのか。


それは疑問だった。


快楽にまみれた生活、それが正しく許される毎日に、お互いが少しずつ歪んでいる。


「ねえ? 吉良。早くちょうだい。沢山ちょうだい」


「分かってる。遊びは終わりだな」


その途端、抜き差しが激しくなる。


奥をずんずんと突かれて、身体中が揺さぶられて背を仰け反らせた。


今までに感じていた快楽より、一層深いものを得ている。


子宮が震えるような感じに、明日香は切なく、恐怖と戦いながら声をあげていた。


「あんっ! あんっ! 早くちょうだい!」


「いやらしい声出して。明日香、本当に可愛いよ」


 


(このあとは製品版でお楽しみください) 

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