書籍情報

宵の伯爵と新米メイド~甘く秘めやかな教育から今日も逃げられません~

宵の伯爵と新米メイド~甘く秘めやかな教育から今日も逃げられません~

著者:叶マリン

イラスト:蘭 蒼史

発売年月日:2023年2月24日

定価:990円(税込)

 梓家の当主、功史朗は両親が亡くなったあと、執事の佐伯から早く身を固めるよう小言を言われ続ける日々。その梓家に花屋の店員として出入りしている絢子は、功史朗が留守の間に、当主の書斎とは知らずに部屋へ入ってしまう。絢子の生けていった花を見て興味を引かれた功史朗は、絢子をなかば強引に使用人として梓家に迎え入れ、性の「秘密の教育」を施すことにのめり込む。男を悦ばせる方法、女としての悦び、全てを仕込まれ続ける絢子。そんなある日、功史朗に「秘密の宴」へと連れ出されて……!?

お取扱店

登場人物

白川 絢子(しらかわ あやこ)

戸浦花木店の店員だったが、梓家の使用人として雇われる。使用人として働くつもりが梓家の当主の性の「秘密の教育」を受けることに。実家にいるきょうだい達の進学費用を自分の仕送りでまかなっているので、功史朗に玩具にされても断れないと思っている。
梓 功史朗(あずさ こうしろう)

華族 梓家の当主。日々の空しい遊びに退屈を感じているところに絢子が現れ、「秘密の教育」を施すことに楽しみを見出す。最初は、教養はあるがウブな絢子を自らの手で乱れさせることを楽しんでいたが、徐々に絢子に心を占められていく。

立ち読み

プロローグ

――二十三時。

私は今夜も、功史朗様の執務室、その奥の部屋へ呼ばれていた。

「下着を脱いで脚を開きなさい」

「はい、ご主人さま」

言われた通りに下穿きを下ろし、かかとの低い黒靴は履いたままベッドに腰かける。両足を開き、M字に曲げた膝に腕を回すと、スカートが太ももまでずり落ちた。

普段は布に覆われている部分にひんやりとした空気を感じる――功史朗様に見せつけるような恰好で――ここでこうして脚を開くのは何度目だろう。

いつも恥ずかしい……思わず伏し目がちに顔を横に向ける。

けれど、彼は目をそらすことを許してくれない。私の顎を指で挟み、クイッと自分の方に向けた。

「私を見ていなさい、今から絢子のここがどんな状態か、教えてあげるから」

そう言って、もう片方の手で私の秘部を撫で上げる。思わず声が漏れた。

「ァアッ! んっ……」

「絢子。お前のクリトリスはもうこんなに大きくなっているよ。どうしてだろうね?」

私と目を合わせながら、人差し指と親指で私の赤い芽をもむような動作を、ゆっくりと、功史朗様は何度も繰り返した。

「ん……ッふ、ぅ……あッ!」

呼吸が乱れて唇が開く。不安定な姿勢を保ちきれない彼の手が顎から離れ、私は膝に腕を回したまま、ベッドに背中から倒れこんだ。

黒に近い栗色の髪がベッドに広がり、天井の明かりが秘部にまともに当たる。

キッチリとメイド服を着ている上半身が、あらわな下半身の淫靡さをいっそう強めた。

功史朗様は天井を向いた私の内ももに手を押し当て、さらに脚を開かせた。

「ああ……ぬらぬらと光って、絢子のここは本当にいやらしい」

私を恥ずかしさに喘ぐ姿勢にさせて、さらに羞恥を煽る言葉を投げてくる。

「分かっているよ。いやらしい絢子はこうされるのを望んでいると」

中指と薬指を蜜壺に挿し入れ、彼は親指の腹を私の赤い芽に押し当てた。

「アァァッ!」

私がどんな声を上げようと、功史朗様は手加減などなさらない。

親指は赤い芽の上で快感を引きずり出すように上下し、中に挿れられた二本の指が規則正しく律動する。

その動きに容赦はない。まるで、機械のように。

「ん……あッ……、ッふ……っんんッ!」

「はしたない子だね、絢子。シーツにこんなシミを広げて」

低く冷たい声には少しの優しさも含まれていなくて……でも、その言葉に私は、甘いため息を漏らしてしまう。

「ハァ……ア……ごしゅじ、ん様……ご、めんなさ……ぃ」

勝手に達することは許されていない。

功史朗様のお許しがなければ、イくことは許されない。

私は右手の人差し指を口に含み、噛んだ。せり上がってくる波を押さえるために。

「ああ、また溢れてきた。昼間の絢子からは、想像も出来ない姿だよ。ここに触れられるのが、そんなに嬉しいのか?」

私を責め立てる功史朗様の指と、言葉。

彼の低い声は、優しくて穏やかな昼間の声と、この部屋で私を「教育」する時の冷たい声がある。昼間の声は好きだけれど……冷たい声で嬲られると、熱くなっていく私の身体があった。

『はしたない子』

あぁ、本当にその通りだ。だんだん意識が、功史朗様の指の動きに侵食されていく。

ふいに、功史朗様の指が私の身体から離れた。

閉じていた目を開き、功史朗様を見上げる。

「ご主人様……?」

「達してしまいそうになっただろう? 駄目だよ。絢子がイっていいのは俺が許した時だけだ。教えただろう?」

ベッドに片膝を乗せ、ベッドサイドに立つ功史朗様は腕組みをして私を見下ろしている。

「ふ……触ってもいないのにクリトリスがヒクヒクと動いているよ、指で弄って欲しそうに」

M字に足を開いたまま、どんな風になっているか言われ、恥ずかしくて息が不規則になる。

「ん? 俺にこんなことを言われて、さらに蜜を溢れさせるんだね。こんな、いやらしい身体になるように教えた覚えはないが……ああ、そうか」

功史朗様は人差し指の腹で蜜をすくいながら、唐突にぴんッ! と赤い芽を下から上へ弾いた。

「アァっうッ!」

「絢子の」

ぴんッ!

「アッ!」

「身体は」

ぴんッ!

「やぁァッ!」

「男を」

ぴんッ!

「んんッ!」

「上手に」

ぴんッ!

「んふぅッ!」

「誘う」

ぴんッ!

「くぅッ!」

「はしたなく」

ぴんッ!

「ごしゅじッ!」

「いやらしい」

ぴんッ!

「さまッ!」

「身体だな」

ぐっ、と二本の指が再び侵入してくる。さっきよりもさらに、さらに深く。

「あああぁッ!」

ぐちゅッ、ぐちゃッ、ぐちゅッ、ぐじゅッ……赤い芽を弾かれるたび溢れた蜜が、二本の指でかき出されるように前後し、シーツを濡らす。

功史朗様は、自身の指で乱れる私を冷静に見下ろし、まるで実験を施しているように痴態を観察している。

「ご……じ……さ、ま……ァ」

もう言葉をうまく紡げない。

「ん……? あぁ、クリトリスも触れて欲しいのか?」

功史朗様は天井を向いた私の内ももに手を押し当て、さらに脚を開かせる。

上唇を舌で舐め、功史朗様は赤い芽を口に含んだ。

「……っ、ん……ぁ!」

貪るように蠢く舌に触れ、急激な熱と刺激を与えられた私は思わず腰を引こうとしたけれど、上から押さえ込まれていて、まったく動けなかった。その間も功史朗様の唇と舌の動き、そして二本の指による裏からの刺激で、赤い芽はさらに大きく膨らんだ。

「ふ……ぅ、ッ……んァアッ!」

蜜壺で指が動くたび、クチュ、クチュと音を立てる。

「また、大きくなったよ。絢子はこうされるのが好きなんだね?」

「そ……んな、こ……と」

「そんなこと、何だ?」

功史朗様が赤い芽に甘く歯を立てた。

「やあぁぁぁあん!! ぃやァ……ンッ!」

強烈な快感が身体を突き抜ける。

腰をねじって逃れようとしたが、功史朗様の腕力の前では、私の抵抗はあまりに無力だった。

「嫌なのか?」

功史朗様が話すたび歯が当たり、突き抜ける快感が再び襲ってくる。

「クリトリスはもっと求めているようだぞ」

やめて、そこでしゃべらないで……!!

「ほら、また蜜がこんなに」

お願い……しゃべら、ないで……。

強烈で、みだらで、甘い快感が私を支配する。

赤い芽に舌を這わせながら、功史朗様は上目遣いで、

「いい景色だよ」

私を見ながら冷酷に嗤う。

「あ……ごしゅ…ん、ま……もぅ…」

蜜壺の中で二本の指が動くたび、クチュ、クチュと音を立てた。

こんな刺激にずっとなんて耐えられない――息も絶えだえに許しを乞う。

けれど、功史朗様による「教育」は今夜も始まったばかりだということを、私は知っていた。



(この後は製品版でお楽しみください)

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