自分の息が淫猥に乱れていることに、南二葉は困惑していた。明るい色のボブヘアは、失恋を乗り越えようと美容院で黒髪から染め、切ったばかりだった。
くりっとした目と小柄な体は快感に震えている。
体を丹念に舐めている男は、神谷清虎。
細身だが筋肉質な体で、彫りの深い顔立ちの切長の目が印象的だ。
二葉の理想の相手として占いで同僚に紹介されたものの、彼は文房具メーカーの最大手社長。
一方の二葉は、小さな文具店の企画部で働いている。
「あっああっ!」
卑猥な声をあげてしまい、慌てて顔を逸らす。
「恥ずかしがることないだろ。気持ちいいんだったら素直になるといい」
「でも……」
二葉は未経験で神谷に抱かれることに困惑しかなかった。
素直にと言われても、彼が何を考えてベッドで尽くしてくれているのかも想像出来ない。
すでに裸にされてしまい、膨らみをやわやわと揉まれると、先端を扱かれた。
「んんんっ」
「声、我慢しなくていいから」
「い、いや……出来な……」
二葉は恥ずかしくてたまらず、首を振った。
すると、すぐにキスが落とされる。
「んっ……ふぅ……あっ」
「仕事のこと忘れて、こういう時間に溺れるのもいいだろ?」
「でも……んっ……んっ……」
「でも? もっと欲しくなってるって?」
神谷に言われて二葉は慌てた。
欲しいどころか中断したい。
それなのに、彼は楽しげに口内を舐り出す。
「んっ……んっ……」
甘い痺れに酔っているうちに、ふわふわとした心地になってしまう。
何も考えられなくなりそうになっていると、神谷がスルッと内股を摩り出した。
「やっあっ……」
嫌がる声も、いつしか甘えたものになってしまっている。
いつかこんな日が来てもおかしくない、そんなことは考えていた。
同僚には結婚相手に相応しいとして紹介され、神谷は神谷で乗り気になって何度もアピールしてくれていたのだ。
二葉が恋愛に奥手になってセックスに踏み切れないでいただけ。
けれどまさかこんなにも甘い時間になるなんて予想していなかったと思っていると、足をそっと広げられて蜜芽を摘まれる。
「ふああっ……あっ!」
いきなりの刺激に、二葉は声を荒らげた。
「敏感なところ刺激したくなった。弱いだろ、ここ」
言われて、秘玉を指先で弄ぶように弄られる。
「ひうっ……ああっ……あああっ!」
「蜜が溢れ出してきた。エッチは初めて?」
二葉は静かに頷くと、あまりの快感に頭がトロトロに蕩けてしまう。
「じゃあ、丁寧にほぐしていかないといけないな」
二葉は恥ずかしい思いでいっぱいになりながら、胸元を押さえた。
すると、蜜壺に指が挿入されて緩やかに抜き差しが始まる。
「あああっ! ……あっあっああっ!」
「ナカはまだ狭いな。少し馴染むまで弄ろうか」
神谷に言われて、二葉はイヤイヤと首を振った。
「だめっ……そんな……ことっ」
腹の奥がジンジンしてきて、頬が火照り出す。
まるで神谷の熱が欲しいとばかりに体が疼き出したのだ。
(何……なんで……。私、体が……)
こんな風になるわけがないと思いつつ、快感には抗えず腰が勝手に揺れていく。
「あっあっあっ!」
内壁を擦られて、神谷は奥をツンツンと刺激し始める。
「ふあっ!」
「まだ欲しがらない?」
「だ、だめ……そんなことをしたら……私……私……」
自分がどうにかなりそうで、怖くなっていた。
酩酊状態の気分で、まともな考えにも至らない。
神谷のことを受け入れていいのかも考えられないでいると、神谷はにっこり微笑んだ。
「だったら、欲しがるまで刺激しようか」
「えっ!」
「そういう怖がりな子の扱いだって、慣れてるよ」
神谷に言われて、二葉は一瞬戸惑った。
彼は今日が初めてではなく経験は豊富みたいだ。
(どんな人と付き合ってきたのかな)
胸がちくっと痛むのを感じてしまうと、二葉は誘惑するように甘えたくなってくる。
「あの……くだ……さい」
二葉が顔を逸らして言うと、神谷はクスッと微笑んだ。
「まだまだ、イかせてから」
「えっ……あのっ」
困惑していると、指が内壁を探るように弄ってくる。
「ああっ! ああああっ!」
「弱いところ、刺激してる。ここ……」
トントンと膣の内側を刺激されると、またひくんとしてしまう。
「ずっと刺激してると、潮吹いちゃうかも」
「だ、だめっ」
「じゃあ、それはやめておこうかな」
ぬぷっと指が抜かれると、二葉はほっとした。
しかしそれも束の間、神谷は膝の上においでと座るように言ってきた。
恥ずかしいと思いながら彼に背を向けて座ると、足を開かされる。
そして目の前で指が挿入される様子を見せつけられる。
「ふあっああっ!」
先ほどより卑猥で、彼の長い指がどんどん侵入してくるのを実感してしまう。
「じゃあ、動かそう」
そう言われると、めちゃくちゃに掻き混ぜられた。
「はあっ……あああっ!」
ヌプヌプと音を立てて混ぜられて、蜜が溢れてくる。
指が増やされて、部屋には卑猥な水音が響き渡る。
「ああッ……あっあっ!」
「力抜いてごらん。そのまま、蕩け切るといい」
「だめ……だめっ……こんなことっ」
しかし、なんとか快感から逃げようとしても、長い指先は弱い部分を徹底的に刺激してくるので逃げられない。
それどころか、後ろから胸を弄られ始めて、頭の中は何も考えられなくなっていた。
「ああああああっ!」
二葉が初めてのセックスで果ててしまうと、神谷はよく出来ましたとばかりに首筋にキスをしてくる。
「んっ……」
「じゃあ、本番だ」
二葉はとろんとした目で神谷を見つめつつ、もはや彼の意のままに体を許してしまっていることを強く感じていた。
(このあとは製品版でお楽しみください)