「あっああっ!」
水瀬(みなせ)加奈(かな)はソファの上で身悶えていた。
すっかり裸にされてしまい、夫である井村(いむら)大輝(だいき)からすでに精をたっぷり注がれている。
それでも足りないとばかりに体を揺さぶられて、最奥を突かれている状況だ。
「大輝ぃ!」
「加奈っ!」
二人は以前と違って子作りに真剣に励んでいた。
特に加奈の方は、以前はお互いの仕事のことや事実婚のことを考えて悩んでいた。
でも、今はそんなことはない。
大輝とならどんなことでも乗り越えていけると思っている。
でも、今度は肝心の子供が出来ないという悩みが生まれつつある。
そのうちに、互いの欲望のままに求め合うようになってしまい、もはや制御不能だ。
ソファに寝そべっていたところから立たされると、大輝が指を使って密芽を摘まんできた。
「あああっ!」
頽れそうになった加奈は懸命にソファにしがみついて堪える。
刺激が増やされて少し弄られただけでもすぐに果てそうだ。
「蜜が指先に絡んでくるよ。加奈」
「大輝……もっとして?」
「ああ、加奈の体を堪能したい」
加奈が甘えるように言って尻を突き出すと、大輝は密芽をムニムニと捏ねてくる。
猛りが最奥で膨張して、今にも爆ぜそうだった。
「あっああっ!」
加奈は喘ぎながら背中を退け反らせた。
頭がクラクラして酩酊したような気分になっていると、大輝がもう片方の手で膨らみを鷲掴みにしてくる。
「あっあああっ!」
ムニムニと揉まれて、先端を摘まみあげられると加奈は今にも果てそうになった。
懸命に堪えているものの、膝がガクガクして立っているのも辛い。
「果てて気持ちよくなるといい、加奈」
「いや……大輝のが欲しいの」
「まだまだたっぷりあげるからね」
大輝の甘い声音に加奈はゾクゾクした。
普段はその甘い声を使って真面目なニュースを読んでいるのに、今は加奈を妊娠させようとしている。
その言葉は耳を伝わり子宮にまで届くかのようだ。
(大輝の声、エロ……。こんな声、だったっけ?)
朝の顔のキャスターなのに、含みをもった豊かな声を耳元で響かせてくるので、それだけで果てそうになる。
しかも、大輝が自分の為だけに甘い言葉を発していると思うと余計だ。
一人妄想して欲情していると、大輝が耳朶をぺろぺろと舐めてきた。
「休んでる暇はないだろう?」
「ちが……休んでるんじゃないの。大輝のこと考えてて」
「どんなこと?」
言いながら、加奈の胸の先端を摘まんできた。
「んっふぅ……っ!」
「教えて?」
「大輝の声ってこんなに色気あったかなって」
「加奈の為に少しくらいは使い分けるよ。その方が盛り上がるだろう?」
「そう、なんだ」
(私のための声)
そう思うとさらに興奮して、蜜が溢れ出してしまう。
それでなくても大輝の声を嫌いと言う女性はいない。
柔らかく優しげで、囁かれるたびに体の奥底まで染みこんでくるような感じがするのだ。
「加奈。一人で妄想してるんだろう? 最近仕事で身につけたみたいだね。そういうこと」
「だ、大輝っ。気がついてたの?」
加奈は慌てた。
急な異動によって配属されたTL小説の編集部。
最近ではその仕事にも慣れてきて、TL小説にもっとも必要な妄想という能力を身につけつつあった。
手っ取り早いのが大輝で練習すること。
そこで得た妄想を作者との話し合いで活かすのだ。
例えば、美声のヒーローに命令されると、なんでも言うことを聞いてしまうヒロインなんて設定は、自分とリンクするため話しやすいし、作家も食いついてくれるはずだ。
そんな建前を掲げつつ、加奈は妄想が止まらない。まさかそれに大輝が気づいているとは。
「で、今はどんなこと考えてるの?」
「教えない!」
「教えてよ」
大輝がいきなり密芽をつまんでムニムニと押しつぶしてくる。
「ああっあああっ!」
「言わないと、このままイカせるよ?」
「やああっ!」
加奈は首を振って喘いだ。
そのまま果てても恥ずかしい妄想を言っても加奈にとっては快楽が待つのみだ。
「あっあっ……それは……大輝の声でイカされるっていう」
「俺の声?」
加奈の言葉に大輝は手を止めて、蜜を舐め取った。
加奈は息を乱しながら、腹の中にいまだにある熱を感じて息を飲んだ。
大輝は心地いいのか外に放つ気配もない。
「大輝? 続けないの?」
加奈がオロオロしつつ言うと大輝はクスリと微笑んだ。
「じゃあ、俺が加奈の耳元で囁くからね」
加奈はビクッと体を震わせて、大輝のことを見つめた。
お願いしてしまったみたいで戸惑ってしまう。
体を強張らせていると、密芽をムニムニと弄られ始めた。
「あっああっ!」
「蜜が止まらないみたいだけど? 悦んでるんだろ?」
いつもと違う低音の甘い声に加奈は体を震わせた。
すると余計に蜜が溢れ出して、洪水状態になってしまう。
「ふふ。垂れてきてる。加奈。何を妄想してるのか教えてよ」
耳朶で囁かれた途端に腰から砕け落ちそうな程の快感に襲われ、加奈は思わず後ろを向いた。
すると大輝がにっこり微笑んで楽しそうにしている。
「い、意地悪っ」
「そんなことないだろう? 大事な子作りなんだから」
「こ、こんなことしなくてもっ」
「加奈が満足する方法で子作りしないと後悔するだろ? 妊娠したらお楽しみが減るんだから」
言われて、加奈はムッとした。
妊娠したら大変なのは加奈だ。
様々な困難を予想しながら、それでも加奈は子作りとしてセックスをすることを受け入れている。それを、楽しみなんて軽い言葉で片づけてほしくない。
そもそも加奈にとって大輝とのセックスは特別なものなのだ。
大輝から求められると幸せを実感するし、熱が体内にあると一つになっている気がして幸せが倍増する。
加奈にとって大輝とのセックスはただの快楽を求め合う行為ではなくて、彼との繋がりを確かめ合う行為そのものなのだ。
妊娠したら、自分たちの生活は激変するんだろう。
セックスもなしでどう彼との繋がりを感じればいいのか。
そんな恐怖心を抱きながらも、今は大輝とたっぷり愛し合うことに専念している。
加奈の耳朶に大輝がまた囁いた。
「腹の中で俺の熱がどんな風になってるか教えて?」
「大輝の?」
「動くから」
「えっ!」
加奈の腹の奥でいきなり熱が突き上げられる。
「あっあああっ!」
「加奈。どんな感じ?」
「それは……大輝の熱がお腹の中いっぱいになってて。でも……」
加奈はそれ以上は言えなかった。
まだまだ足りない、とは。
「加奈。黙るってことは物足りないってことかな?」
大輝が何度も抜き差ししてくるので加奈は首を横に振った。
恥ずかしくて言えそうにない。
「違うのっ」
「言っていいんだよ。もっとメチャクチャにして欲しいって」
加奈は潤んだ目で振り向くと大輝をうっとりと見つめた。
そして小声でボソリと言った。
「弱いところ、全部いじめて?」
加奈が言うと大輝がクスッと口角を上げて笑う。
そして、男根が引き抜かれるとベッドに連れて行かれる。
その場に寝かされて首を傾げていると、大輝がおもむろにディルドを取り出した。
そしてすぐに加奈の蜜口に挿入し始める。
「あああっ!」
「まだまだ足りないんだよね?」
そう囁かれて、加奈は小さく頷いた。
「淫乱、だ。全部欲しいなんて」
「だって、後悔したくないもの」
ベッドの縁に座った大輝の膝に加奈は前から跨った。
ディルドが落ちないように懸命に堪えているが、蜜が溢れて滴り落ちている。
恥ずかしくてたまらない状況の中、大輝が先端を摘まんできた。
「ああああっ!」
「加奈。イクのは堪えて? じゃないとディルドが飛び出るから」
「はあぁはああぁあ」
加奈は息を乱しながら懸命に腹に力を込めた。
今にも滑り落ちそうなおもちゃを加奈は思わず手で押さえる。
「恥ずかしい格好をしてるね、加奈」
「大輝……ぃ」
「俺の前で淫乱な女を見せつけてくれてるみたいで、最高だよ」
言われて、加奈は赤面してしまう。
自分で欲しがっておきながら羞恥心をたっぷりと煽られて悶えてしまうなんて、すっかり欲望に溺れてしまっている。
しかも、大輝は心地よくなっていない。
それじゃダメじゃないかと加奈は大輝に上目で聞いた。
「大輝のちょうだい?」
「まだまだだよ。加奈の恥ずかしいところをいっぱい見てから」
「何度も見せてるのに」
「それに、自分でおねだりしたんだろう? 観念して、イクまで膝の上で悶えるといい」
加奈が恥ずかしさに震えていると、今度は膨らみを指先で扱かれた。
「ふあああっ!」
(この後は製品版でお楽しみください)