淫靡な吐息を押し殺すように、メイドのディアナは必死に子爵のアルフォンスの背中に抱きついた。
さっきから執拗に蜜壺を指で抜き差しされ、何度も胸の中で果てさせられていた。
それでも許さないとばかりに、アルフォンスはディアナから漏れる吐息にじっと耳を傾けるように無言で蜜の溢れるところを続けて掻き回す。
息を荒げると、アルフォンスは「可愛いな」と目を細めて嬉しそうにする。
そんなことをされては余計に体は熱を帯びて、蜜が枯れてしまうこともなかった。
思わず吐息を漏らしてしまうと、アルフォンスが耳元で囁いた。
「我慢しないで欲しいな」
「……そういう問題、ではっ」
「でも、今は誘うように甘い息を吐いたろう?」
「それはっ」
何も言えずにディアナは黙りこんでしまう。
吐息ひとつにすら反応されては、声を出して喘ぐこともできない。
必死に堪えているものの、既に何度となく喘ぎ、息を求めて身を捩らせてしまっている。これではアルフォンスを求めているようでしかなく――彼からしてみれば、抵抗という言葉を忘れてしまったようにしか見えないのだろう。
考えているのも束の間、さらに粒を刺激されたディアナは背を仰け反らせて思わず喘いでしまった。
「はっああっ」
「ディアナ。素敵だ」
「そんなことは、ありまっせっ」
「そんなに抵抗しないでくれ」
「もうお止め、あっあっあっ」
「ディアナの敏感なところはここだろう?」
声も出せない程の快楽がゾクゾクと背筋を伝い、今にも頂きに上り詰めてしまいそうだ。
粒だけでなく、アルフォンスは乳房も丁寧に揉みしだき始めると、もうディアナは我慢できずに嬌声を上げてしまう。
「はっああっ!」
「我慢なんてしないで」
「ダメです、私はっ、メイド、ですっ! あっあっ」
「そんなこと、どうでもいいだろう?」
「いけ、まっせっ」
必死に抵抗の言葉を紡ぐものの、敏感なところを同時に責められては息すらままならない。
おまけにアルフォンスに組み敷かれているものだから、体を捩らせて逃げようも、すぐに手は伸びてくる。
アルフォンスはとても優しい。
けれど、こうして子供のように言うことが聞けないのが子爵として恥ずかしいことだと城内でも有名だ。
戯れが過ぎる、大人になれ、そういう言葉で通じる相手ではないのはわかっている。
けれども、夜毎アルフォンスの相手をしなければならなくなるとは夢にも思っていなかった。
彼に秘密を握られてしまうまでは、そんなこと――。
「あっあっあっあっ」
とうとう頂きを昇り始めてしまうと、アルフォンスが指の抜き差しを開始した。
くちゅくちゅと卑猥な水音が部屋中に響き渡り、ディアナの心が乱れる。
「ほら、もう少しだろう?」
「ちっ違いっまっ、あっあっ」
アルフォンスは、うっとりと見つめてくる。
きっとはしたなく乱れ、淫靡な顔つきになってしまっているのだろう。
体の自由を奪われるような快楽は、ディアナには止めることができない。
自分ではどうしようもないくらいの快楽に突き抜かれ、幾度となく果てた体はろくに力も入りそうにない。
それなのにまた、果てそうになっている。
指の抜き差しはディアナが果てるまで続く。
体をくねらせ逃げても、アルフォンスの手から逃げることはできず、胸の突起を摘ままれてしまう。
さらに快楽を与えられ、とうとう息を荒げたディアナは膣がキュウキュウとアルフォンスの指を締め付け始めたことに気付いた。
「アルフォンス、さまっ」
「もう限界だろう?」
「そ、そんなことはっ。あっあっあああっ!」
抵抗したつもりが、突起をツンツンと軽く弾かれただけでディアナは果ててしまった。
アルフォンスはそんなディアナをそっと抱きしめ、頭を撫でる。
そして、額にキスを落とすと「好きだよ」と口にした。
「……アルフォンス様?」
朦朧とする意識の中、ディアナはそれがどういう意味であるかがわからなかった。
アルフォンスはディアナを抱き寄せ、キスを繰り返す。
もう限界だとディアナはキスを制すのだが、アルフォンスはお構いなしに、体のあちこちにキスを散りばめ始めた。
「ここは、まだとろとろだ」
「アルフォンス様っ」
何かと思えば、アルフォンスが蜜壺に顔を埋めて舐めていた。
甘い快感がまた呼び戻されて、ディアナは背を仰け反らせた。
部屋にはまた卑猥な水音が奏でられ始める。
「あっあっ。アルフォンスさまぁ」
「そんなにいいかい?」
「そうでは、ありま、せっ」
必死に押し戻そうと、無礼を承知でアルフォンスの頭を引き剥がそうとするが、アルフォンスは力ずくで茂みに割入ってくる。
舌先で蜜を舐め取られ、ツンツンと粒を刺激されればまた快楽が始まってしまう。
もうだめだと諦めつつも、ディアナは必死にアルフォンスに抵抗の言葉を浴びせる。
「いっいけませっ」
「そうは思っていないはずだよ?」
「ダメっ」
「本当かい?」
「もう、お許しくださいっ」
そう言うと、アルフォンスは口の周りを濡らす蜜を拭うと、猛ったものをディアナの蜜壷にあてがう。
アルフォンスは一言、「いいかな?」と訊くが、ディアナに拒否することなどできる筈もなかった。
アルフォンスはグラバー家の子爵。
そして、ディアナはそこで働くメイドなのだ。
コクリと頷くしかなく、そっとその様子を見つめることぐらいしか許されていない。
けれどもきっと嫌だといえば、それなりに気持ちを静めてくれるのだろう。
子供っぽいアルフォンスが優しく抱きしめてくれる意味は分からないが、この行為は単なる戯れにしか過ぎないはずだから。
それなのにどうして感じてしまうのだろうか。
ズルリと男根が入ると、優しく抽送が始まる。
慣れないディアナを気遣ってくれているかのようだった。
初めこそ痛みを伴ったが、何度か体を重ねるうちにその優しさは嬉しく、無下に抱かれているだけとは思えないと錯覚してしまう。
ましてや、好きだと言われてしまえば尚さら困惑するだけだ。
「痛くはないかい?」
「はい」
「ディアナの中は心地いい」
「お止めください」
アルフォンスの甘い囁きは、ディアナの心を切なく疼(うず)かせた。
メイドという立場を忘れてしまいそうなほどに。
「ディアナの中に入るだけでも、もう充分だが、ついつい欲が出てしまう。ほら。こうして動くと――」
「やっあ。はっああっ」
ディアナはアルフォンス
の太い首に腕を回して首をイヤイヤと振った。
「本当に感じやすいんだね。ディアナのそんな様を見たら、もう止められないだろう?」
「そんな。私は……。私は」
「ほら、少し動こうか」
そう言って腰を使い始めるアルフォンスにディアナは息を荒げた。
アルフォンスから滴り落ちる汗がディアナの頬を伝うが、ディアナは拭うこともできずにハアハアと息を荒げる。
最奥に到達すると、ズンと激しく突かれ、ディアナは思わず声を上げてアルフォンスにしがみつく。
「アルフォンス様っ」
「そんなに、いいかい?」
「ちがっうっ。ちがっ。はあっああっ!」
「もっと素直になってくれ、ディアナ」
「はあっんっんっ」
「そんなにも嬉しそうじゃないか」
「違うの、ですっ」
必死に言葉では否定するものの、快楽はディアナを完全に支配していて、会話すらままならない。
最奥を突かれ続けると、次第にディアナの蜜穴はアルフォンスのそれをがっちりと締め上げた。
(このあとは製品版でお楽しみください。)