プロローグ
「あっぁぁあ!」
シティホテルのスイートルームの一室、ダブルベッドの上で美村(みむら)かおりは裸のまま足を開脚して身悶えていた。
丸見えになった秘丘に、幼馴染の西村(にしむら)輝(てる)が顔を埋めて舌を淫靡に蠢かせている。長身の彼が小柄なかおりの前に屈んでいるだけでも、淫靡さが増している気がした。会っていなかった間に、輝はすっかり大人になって、その鋭い眼差しにすっかり心は射貫かれている。
ぐちゅぐちゅと音を出して秘玉を舐められると、かおりはあられもない声をあげて腰をくねらせた。
「そこっ……やぁ!」
「蜜が溢れているじゃないか。欲しい証拠だ」
「ちがっ……ちがっ……輝が舐めるからっ!」
「かおりは気持ちいいとこんな風になるんだ。それとも、相手が俺だからかな?」
「ち、ちがうのっ」
そう言ったものの、輝との偶然の再会には淡い期待を抱いていた。
だからこんな風に一晩だけの関係でもいいと思えている。
なのに、輝はねちねちと丹念に確かめるように、蜜玉を転がして遊んでいるのでたまらない。
「ひあっ!」
腰が浮いて、かおりは逃げるように身をくねらせる。
「もうイキそうかな」
「お願い……はずかしいのはやめて……」
かおりが懇願すると、輝は驚いたように目を丸めた。
「へえ。あんまり経験なしとか。まだまだ足りないと思ったのに。恥ずかしいなんて」
輝は嬉しそうに口角を上げる。
かおりは困ったように苦悶の表情を見せた。
腹の奥がジンジンと熱を帯びていて、舌先が蠢いていたところが蕩けている。
「こんな……反則……」
「反則なんてしてない。かおりが蕩けてるから、もっと気持ち良くさせたいだけだよ。そんな顔見せられてほったらかしになんて出来るか」
「だ……め……これ以上……されたら……」
涙を堪えて懇願するが、輝は容赦なく舌を突き入れてくる。
「んっぁああ!」
背を仰け反らせて悦んでしまうと、もはやかおりの理性は決壊した。
腹の奥からとろとろと蜜が溢れて止まらない。
それを輝が丹念に舐め取っている。
「ひあっひあっ!」
「慣れてきたみたいだね。いい声でよがってる」
「ちが……これ……私じゃないの……ふぁっあっぁあ!」
「素直じゃないな」
舌だけでなく指先でも蜜玉を弄りまわされて、かおりは悶絶した。
輝の長い指先が丁寧に敏感なところを弄り、圧し潰してくる。
ぬちぬちと音を立て、唇は蜜を舐め取りかおりを堪能しているようだった。
「あっあっ!」
かおりは身悶えながら、自ら胸を鷲掴みにした。
「自分で弄るより俺がした方がいいだろう」
そういって覆いかぶさられると、先端を丁寧に捏ねられる。
「あっあっ……あぁああ!」
声が枯れそうな程に啼いてしまうが、輝は動きを止めることなく弱い部分を責め続ける。
先端がピンと尖ると、輝は舌先でも捏ねまわしだす。
「ああっ!」
「こんなに尖らせて欲しがってるくせにいらないなんて。かおりはいつでも素直じゃないな」
「こんな……ときに。そんな素直になんてなれない……でしょ……」
「なるんだよ。俺の前でだけ」
「え……」
いきなり言われてかおりは一瞬何を言われたのかと思った。
よくわからないでいると、先端がそのまま舐られ続ける。
かおりは嬌声をあげながら、次第に恍惚としてきてシーツを引いて逃げるしか出来なくなっていた。
秘玉を弄りまわす輝の指先は、突然ぬっぷりと蜜壺へと侵入してくる。
「あっぁっ!」
「なかもきつい。子作りには、もう少し慣れてもらわないといけないな、セックスに」
「な、慣れるわ……あっぁああ!」
(セックスがスポーツ……。本当にそんな風に割り切ってるの? 輝)
混乱した心を見透かされないように、かおりはこれでも必死だった。
【セックスはスポーツみたいなものだから、子作りしよう】
売り言葉に買い言葉で、酔った勢いでしているこの行為に、身も心も蕩けている。
とてもスポーツとは思えなかった。
どちらかというと、心と心がひとつになる錯覚や恋心を抱かせる行為に思える。
男性だから感じ方が違うのだろうかと思っていたときだ。
輝の指先が激しく膣内で動き出した。
激しい水音がし始めて、ぐちゅぐちゅと室内に淫靡な音が響く。
かおりはいやいやと首を振りながら、ただ快楽に抗うしかない。
シーツをぎゅっと握り、たわわな胸を揺らしながら悶える。
指が増やされて一気に窮屈になって少しだけ痛みを感じた。けれどそれもつかの間で、ぬめりにまかせて指が往復し始めると、すぐに快感が増してきた。
「あっあっ!」
「素直に感じる身体じゃないか。二本咥え込んでも悦べるんだ。これからたっぷり仕込めるな」
「仕込む?」
「子作りにふさわしい身体に、だよ」
かおりは胸を高鳴らして潤んだ瞳で輝を見つめた。
こんなことをされ続けていたら、頭がどうにかなりそうだ。
少なくとも、仕事のことを忘れてしまうんじゃないかと不安になる。
ぬぷぬぷと何度も指が抜き差しされていると、内壁を擦られてたまらず身体を震わせて悦んでしまう。
先ほどまでいやいやと首を振っていたが、もう抵抗の言葉も言えなくなっていた。
「あっ……奥が疼いてる……輝……輝……」
「そういう時はもっとしてっておねだりするんだ」
「もっと……して」
言うがままに言葉にすると、輝はスラックスをくつろげる。
ベルトを緩める仕草は、かおりには新鮮だった。
男性がそれを取る瞬間を、大人になって見たことはなかった。彼氏が出来たこともないから、きっと輝の行動ひとつひとつが、心に刻まれていくんだろう。
ゴムを装着し、彼が腰を落とすと、かおりは「え?」と思わず声をあげる。
「子作りじゃないの?」
「子作りの前に、身体を慣らすのが先だろ。セックスはスポーツ。単純だろ?」
「う、うん」
そう言われて受け入れると、かおりの膣はゆっくりと押し広げられた。
激しい熱を受け入れると、かおりは息も絶え絶えにしながら輝の名前を何度も呼んだ。そして、もどかしい気持ちが湧いていることに、思わず蓋をする。
輝にとって、この行為はスポーツなのだから。
(このあとは製品版でお楽しみください)