書籍情報

大きな夫の愛を受け止めるには、私は小さすぎるらしい

大きな夫の愛を受け止めるには、私は小さすぎるらしい

著者:如月一花

イラスト:真神れい

発売年月日:2023年8月25日

定価:990円(税込)

根本(ねもと)鈴(すず)は、体格差のある夫、龍太郎(りゅうたろう)との何年ものセックスレスに悩んでいた。正確に言えば、愛情はあるにもかかわらず、繋がるに至らないのだ。子供が欲しいと誘ってみても、彼はいまいち乗り気にならない。優しい彼が体格差を心配しているのはわかるが、このままでは離婚の危機では? 悩んだ鈴は、仕事仲間である男性に、そのことを相談する。ところが、その現場を龍太郎に目撃されてしまう。浮気を疑った龍太郎は理性の箍が外れてしまい……!?

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登場人物

立ち読み

プロローグ

「鈴(すず)ちゃ……ん。していい?」

昨夜たっぷりと愛撫されて蕩けてしまったというのに、夫の根(ね)本(もと)龍(りゅう)太(た)郎(ろう)はまだ愛し足りないとばかりに、早朝から耳元で囁いてくる。

汗でしっとりとした黒のミディアムヘアに、細く小柄な体格の鈴の上から寝巻き姿の大きな体の龍太郎が囁く。

真剣な顔をされると眼差しは鋭くなって怖いくらいだが、鈴はもう慣れていた。

龍太郎は焦ったい表情を見せつつ、こちらもしっとりした髪をかきあげる。

「だって……」

根(ね)本(もと)鈴(すず)は困惑した。

昨夜も遅くまで愛されて、結局一線を越えることなく終わり、また朝求められているのだから。

(朝……したい……けど。その先してくれないんだもん……)

鈴はどこか欲求不満な思いのまま、龍太郎に言った。

彼と結婚して五年経つが、まだセックスをしたことがない。

素股や愛撫をたっぷりされて終わりという日々で、繋がったことがないのだ。

どうして龍太郎が先をしたがらないかも分かっていた。

筋肉質で大きな体つき、おまけに巨根。

一方の鈴は、中高生に間違われそうな小柄な容姿。

彼はセックスをしたら鈴の体を傷つけるんじゃないかと、躊躇しているのだ。

(龍太郎くん、満足してるのかな)

そんなことを思いつつ、鈴は龍太郎を見つめて甘えた声を出した。

「いっぱいして?」

「うん……。鈴ちゃん、寝起き可愛い」

鈴は恥ずかしそうに顔を背ける。

「少し早めに起こすの大好きなんだ。まだ眠そうなところ見れるから」

「龍太郎くん、朝いつも早いのそのせい?」

「うん。俺のものだって実感が一番するし、体温感じて幸せになる」

そう言って、鈴にそっとキスをしてくる。

「んっ……」

鈴は龍太郎をそっと受け入れる。

胸が静かに高鳴り始めた。

口内を丁寧に舐られ始めると、鈴はすぐに甘い声をあげる。

「ふあっ……あっ……あっ」

クチュッと唾液の混ざる音がして、頬を染める。

「もっとキスしてていい?」

「龍太郎くん、キス長い……」

「鈴ちゃんのナカに入ってる気分がするから」

鈴はドキッと胸を鳴らしつつ、本当は彼だって一つに繋がりたいのだと痛感した。

(少しくらい強引でも、私はいいのに)

鈴はそんなことを思いながらキスをしていると、丁寧に歯列をなぞられてまた息が上がってしまう。

「んっんっ……龍太郎く……」

「欲しい?」

「うん」

潤んだ目で見ると、互いに見つめ合う形になる。

すると彼はすぐに胸を寝巻き越しに丁寧に揉んできた。

「あっ!」

「寝巻き、脱がしていい?」

「うん……」

プチプチとボタンを外されていくと、すぐに胸が露わになる。

小ぶりの胸を龍太郎の大きな手が覆い、丁寧に揉みだす。

「あっあっ!」

「声、可愛い……もっと聞かせて」

「き、昨日も聞いた……でしょ?」

「足りないよ」

龍太郎の切ない声を聞いて、鈴は胸をキュッと痛める。

昨夜もたっぷりとイカされたが、鈴が一方的に気持ちよくなるばかりで龍太郎に奉仕はしていない。不満な気持ちがあっても当然だ。

「龍太郎くんとエッチしたい。今からしよ?」

「ダメだよ。鈴ちゃんの小さい体壊しそうだ」

「だって……」

鈴は昨夜の熱も手伝って、龍太郎を潤んだ目で見つめてしまう。

五年もセックスをおあずけ状態は、鈴だって辛いのだ。

龍太郎もまた、平気だとは思えない。しかし、彼は頑なに鈴の体を心配して繋がろうとしてこない。

(私は、もっと龍太郎くんに愛されたいのに)

鈴がモヤモヤと考えていると、龍太郎が鈴の胸をペロペロと舐めてきた。

「ふあっ! あっああっ! やっあっ!」

「もう尖った」

チュパっと音を立てて舐められてしまうと、龍太郎はすぐに秘丘を寝巻き越しに撫でてくる。

「あっ……やぁ……龍太郎く……早く……して?」

「朝の鈴ちゃん。エッチで可愛い。寝起きにするのやめられないな」

「だって、龍太郎くん昨日もするから。体が……」

鈴は体を震わせながら、龍太郎にせがむように言った。

いつもそうだ。

何度ねだっておねだりしても、その先をしてくれない。

「濡れてきたね。舐めてあげる」

そう言って、鈴はすぐに裸にされると、足を広げられて、股に顔を埋められてしまう。

「恥ずかし……龍太郎……く……」

「これ、好きでしょ? ここ、ヒクヒクしてる」

「あっあああっ!」

舌先が蠢くと、鈴は一気に快感へと誘われる。

それまでの不満とは裏腹に、龍太郎の技によってすぐにイカされてしまうのだ。

舌先は蜜玉を転がして、じわじわと鈴を追い詰める。

「あっああっ! あああっ!」

鈴はシーツを引いた。

「蜜、止まらない。指、入れよっか」

そう言うなり、中指を挿入される。

「あっああああ!」

「苦しくない?」

「全然平気だよ……。龍太郎くん……気持ち……よくて……もっと欲しいの」

「じゃあ、人差し指もあげる」

ぬっぷりとさらに突き入れられると、鈴は体を退け反らせた。

「あっああっ!」

「苦しくない?」

「あっあっ! 龍太郎くんっ……っ! もっとして!」

鈴はこの瞬間が大好きだった。

彼との唯一の繋がりの瞬間だからだ。

彼の指が挿入される瞬間だけは、幸せになれる気がした。

「もっと……龍太郎くんの……欲しい……」

「ダメだよ。ほら、動かすよ?」

言うと、すぐにメチャクチャにかき混ぜてくる。

「あっああああっ!」

鈴の小さな体は龍太郎の指先だけでも確かに翻弄される。

節のある長い指が膣内に二本あるだけでも、少しきつい感じがした。

彼の指が弱いところを刺激するたびに、ヒクヒク体が反応して、一つに繋がっていると錯覚出来る。

でも……。

(やっぱりしてくれない……)

「ここが弱いね? 鈴ちゃんは」

「あっあああっ! ヤァ! イク! イク!」

鈴がすぐに小刻みに果ててしまうと、龍太郎は見逃さないとばかりに胸を弄ったり蜜芽を弄ったりと、さらに鈴を追い詰めてくる。

「ああああああ!」

盛大に果ててしまうと、鈴はぐったりしてしまった。

「龍太郎く……好き……ぃ」

「鈴ちゃん、好きだよ」

互いにキスをたっぷりすると、龍太郎は名残りおしそうに離れていく。

「先に仕事の用意してくるよ」

「……うん」

(また私だけ……。もう五年もこの調子。龍太郎くんは本当にいいの?)

(この後は製品版でお楽しみ下さい)

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