プロローグ
「諒一(りょういち)さんっ……。ひぁんっ! あんっ……!」
柔らかな朝日が差し込む高層マンションのリビングで、珠美(たまみ)はラグの上に仰向けに寝そべった状態で声を上げる。
「いい声だね、珠美。僕は珠美の啼き声が大好きだ。……ほら、もっと聞かせてくれ」
テーブルの上には、ひんやりと甘いチョコレートムースが載った皿が置かれている。諒一がスプーンでそれをすくい、珠美の口の中に入れてくれた。
珠美は、身体には何ひとつ身に着けておらず、そばにいる諒一も一緒だ。
「美味しい?」
「はい、とっても美味し……ん、んっ……」
返事を終える前に唇にキスをされ、舌で口腔の中を丹念にまさぐられる。それが済むと、今度は多めにすくったそれを乳房の上に、たっぷりと盛られた。
「きゃっ!」
思わず上体を起こしそうになったけれど、せっかく諒一が買って来てくれたチョコレートムースを、床に落とすわけにはいかない。
珠美は、頬を染めながら自分の胸元を見つめた。そうしているうちに、体温のせいで、チョコレートムースがだんだんと形を崩し、とろとろに溶け始める。
「あっ……ムースが――」
珠美がそう言うが早いか、諒一が乳房を伝うそれを舌で舐めとった。そして、微かに頷きながら、満足そうな表情を浮かべる。
「うん、確かにとても美味しいな」
そう囁くと同時に、諒一が乳房にかぶりつき、先端を舌で捏ね回す。彼の淫靡な舌遣いに、珠美は背中を仰け反らせて喘いだ。
「あんっ……諒一さん……。あ……ああああんっ!」
諒一が珠美の上に覆いかぶさり、本格的に乳房を愛撫し始める。
「珠美の胸は、本当に可愛いね――」
ピンと硬くなった乳先を甘噛みされ、音を立てて吸われる。
「すべすべした肌も、柔らかなお腹も可愛い。どこもかしこも可愛くて、大好きだよ」
辺りにチョコレートムースの香りが漂う中、諒一が甘い声でそう囁いてくる。彼の唇が徐々に下半身に向かって下がっていき、臍の下で止まった。
「珠美は僕にとって、世界一甘くておいしいスイーツだよ。いくら食べても食べたりないし、四六時中口の中に含んで、舌で転がしていたいな」
話している間に、諒一の唇が徐々に下半身に向かって下がっていく。
珠美は彼の声に聞き惚れながら、うっとりと目を閉じて腰を捻る。彼の唇が両方の骨盤を巡り、左脚の付け根で止まった。
「特に、ここ――僕のものを待ちかねて、すぐに濡れる珠美のここが本当に大好きだ」
諒一に両方の足首を掴まれ、そっと左右に広げられる。彼の目前に秘部を晒す格好になり、珠美は恥じ入りつつも悦びに唇を震わせた。
「あっ……ああああっ!」
硬く尖った彼の舌が、珠美の蜜窟の中に沈んだ。僅かばかりの挿入なのに、全身がとろけそうなほど気持ちがいい。
「珠美、中がヒクヒクしてるね。すごくいやらしいよ……。ほら、もっと淫らな格好をしてごらん。珠美ならできるだろう?」
「は……はい」
諒一に促され、珠美は頬を赤く染めながら両方の膝を腕で抱え上げる。そして、さらに深い挿入を期待して、瞳を潤ませながら指でしっとりと濡れた花房を押し広げた。
「珠美のここは、本当に素直だな。ほら、ここも、こんなに腫れてピンク色に染まってるよ」
彼の舌が勃起した花芽の先を、ちょんと突いた。
「あんっ!」
ふいにやって来た強い快楽に、珠美は小さく叫び声を上げた。膝を抱える手に力が入り、自然と秘所が上向きになる。
ものすごく淫らだし、まるで愛撫をねだっているみたいだ。
恥ずかしくてたまらないのに、珠美は今の姿勢を保ちながら自分を見る諒一の顔を見つめた。
それを見た彼が、にっこりと微笑んで、ペロリと上唇の端を舐めた。
「もっと舐めてほしいんだね? そうなら、正直にそう言えばいい。僕にどんなふうにしてほしいのかな? ちゃんと言ってくれれば、望みどおりの事をしてあげられるよ」
話し終えた諒一の口元に、魅惑的な微笑みが浮かぶ。薄く開いた唇の間から、濡れた舌先がチロチロと蠢いているのがわかる。
珠美は、その動きに魅入られたようになり、小さく頷きながら思ったままの言葉を口にした。
「も……もっといっぱい舐めてほしいです。わ……私、諒一さんに、いろいろな事をされたいです。もっと……もっと――」
諒一に、すべて暴かれてしまいたい。
トロトロに溶かして、ぜんぶ奪ってほしい――そう思うのに、何をどうしてもらえばいいのかがわからない。
今の気持ちを、どんな風に言い表せばいいのだろう?
珠美が自分自身をじれったく思っているのに気づいたのか、諒一が目を細めながら「そうか」と言った。
「珠美は、僕に自分のすべてを晒したいんだね? 僕に、ありとあらゆる淫らな事をされて、ぐちゃぐちゃになるまで抱かれたい――これで合ってるかな?」
そう口にする諒一の顔が、たまらなくいやらしい。
珠美は繰り返し大きく頷くと同時に、そんな事を願う自分を恥じて唇を噛み締める。
「いいよ。珠美が望むとおり、もっといろいろな事をして、珠美を悦ばせてあげるからね」
諒一が、そう言いながら珠美の太ももの内側を緩く齧った。
「あっ……」
珠美は小さく声を上げると、全身を弛緩させて諒一に身も心も委ねるのだった。
(この後は製品版でお楽しみください)