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ヴェスキア共和国の秘書~元首閣下は執務室で愛を説く~【書下ろし・イラスト8枚入り】

ヴェスキア共和国の秘書~元首閣下は執務室で愛を説く~【書下ろし・イラスト8枚入り】

著者:ツヅキ

イラスト:緒田涼歌(オダ リョウカ)

発売年月日:2019年01月25日

定価:990円(税込)

『いいの? ここでやめて。我慢できなくて自分で慰める君の姿を見せてくれるというのなら、それも悪くはないけれど』
零落したソスピリ家の多額の負債を賄うため、ヴェスキア共和国ファルコ元首閣下の秘書を務めることになったジゼラは、愛人役も兼任するよう彼から直接言い渡される。女性と関わってこなかったという彼の手は、しかし積極的にジゼラの下半身へと伸びていく。ダンスの練習の際に、仕事中に。さらには船上でと繰り返される前戯。彼に犯されるのが日常と化す日々の中、ふと目にした文箱からは、生前の父と愛人との手紙が出てきて……!?

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登場人物

◆ファルコ
ヴェスキア共和国第二十二代元首の青年。目元にかかるライトブラウンの髪に、琥珀色の瞳をしている。上背があり、甘い顔立ちの裏には女性慣れしていない潔白の素性がある。頭が切れ、さじ加減を弁えて欲を抑えられるものの、嫉妬する心は強い。
◆ジゼラ・ソスピリ
零落したソスピリ家の長女。白い肌の柔らかで豊かな胸と、くびれのある腰をしている。縁談はあったものの、金策に走らねばならない家の事情に行き遅れてしまった。性格的には貞淑で気丈に振る舞おうとするものの、往々にして流されてしまうことが多い。

立ち読み

「……ぁ、ふッ――」


自分の手でふさいだ唇からこぼれる、淫らに濡れた喘ぎ。


執務机の上へと横向きに寝かされたジゼラは、上体を捩って自分を見下ろす男から顔を隠した。


「やめ、て……お願いです、閣下。それ以上は、見ないでッ……!」


肩を出したドレスの胸元は大きくはだけ、白く柔らかい谷間をさらしている。


くびれた腰から伸びる大腿の片方は、膝裏を支える男の手で高く上げられ、普段はスカートの中に秘された部分を露(あらわ)にしていた。


閣下と呼ばれた男は琥珀色の瞳を細めて「否」と答えると、下着越しの秘唇をそっと指先で撫で上げる。


「ぁ、あッ」


「感じるのかい?」


びくん、と背を跳ねさせるジゼラは、しかし男の問いかけに必死で首を横に振る。


半分は本当だ。


とはいえ、心中の大部分を満たすのは死にたくなるほどの羞恥だった。快楽に身を任せられるような余裕はなく、ただ喘ぐことしかできない。


なにしろ、ジゼラは処女である。


没落貴族の娘に産まれ、年頃になれば父の事業を手伝って金策に奔走し、恋をする暇などなかった。


そして男を知らないまま二十を幾(いく)つか越えたジゼラにとって、この行為は未知と大差ない。


しかも呼び名が表すように、相手はただの男ではない。


「閣下……!」


くにくにと秘所を指で押され、ジゼラは押し殺した悲鳴を上げた。


「やはり感じているじゃないか、ジゼラ」


ふと、影を感じて視線を上げると、机に手をついた男が覆いかぶさるようにしてこちらを見下ろしていた。


美しい男だ。


甘い顔立ちに目元にかかる淡い茶髪。上背があり、こうされるとジゼラの身体はすっぽりと彼の腕の中に収まってしまう。


白いシャツに丈の長いジレを着込んだこの男の名を、ファルコという。


二十五という若さでヴェスキア共和国を統治する元首(ドージェ)の座についた麗しき青年だ。


彼は微かに苦笑して、ジゼラの顎をとった。


「素直に感じる、と言ってくれなくては困るな。なにしろ、私は女性のことをまるで知らない。どのように扱えばいいのかわからないからね。どこがよいのか、どうすれば気持ちよいのか、君のこの唇で伝えてほしいのだけど」


ファルコの指先が、形のよいジゼラの唇をなぞっていく。


そのまま喉元に滑り落ち、鎖骨を、胸元を愛撫する。はだけた胸の谷間に訪れた時、ジゼラの喉が鳴った。


「あ――……」


ドレスの上から掌で包み込むように触れられ、ぐっと背がしなる。柔らかい絹のドレスは男の手の動きを如実に伝えてくる。


ぐにゅ、くにゅ……。それほど大きくないジゼラの乳房はちょうど彼の掌におさまり、柔らかくその形を変えた。


「ん、ぅ……ッ」


もどかしい感覚に、ジゼラは仰向けになったまま身悶える。


「や、だめッ……このままじゃ、また……!」


「また、濡れてしまう?」


ファルコのからかうような言い方にジゼラは耳まで赤くなった。


そう、この行為はこれが初めてではない。


最初は服の上から身体を撫でられただけ。それが少しずつ深く激しくなって、そのうちにジゼラは明らかな身体の変化を覚えるようになっていた。


(愛撫されると、下半身が疼いて――……)


気づけば、下着に濡れた染みが出来上がっている。


それが恥ずかしくて、ジゼラは必死でファルコの愛撫を拒んだ。


「別に普通だろう、ジゼラ。君が変なわけではないはずだ」


「や、あッ……」


ジゼラの惑いを断ち切り、反応を楽しむようにファルコは乳房への触れ方を変える。


強めに揉まれ、苦しげに眉を寄せると、ジゼラはさらに身をよじった。ファルコはその顔を覗き込んだまま、もう一方の手でそっと下着をずらす。


「ん――」


ひく、とジゼラの喉が震えた。


入り口に直接、ファルコの指が触れたのだ。


「ぁ……!」


軽く前の突起を擦られただけで、全身が張り詰める。


「君は本当にここが弱いな」


胸を愛撫する手を止めないまま、ファルコが小さな突起を指の腹でくいと剥いた。刺激が加わるたび、ぴくぴく、とジゼラの白い大腿が震える。


「閣下、お願いです。これ以上は、もう、ぁ、あッ」


「ダメだ、これぐらいでは」


耐えられないとばかりに懇願するジゼラを突き放し、彼女の肩に腕をまわすと、ファルコはドレスを引きずり下ろした。


「いやッ……――」


「よく見せて」


まろびでた乳房の突起はぷっくりと立ち上がり、仄(ほの)かに色づいていた。


ファルコはそっと顔を近づけると、舌先で突起を軽くつつく。それから親指と人差し指で挟み込むように乳房を掴むと、とがらせた先端をもう一度唇に含んだ。


(あぁッ……!)


濁流のような快楽がジゼラの背筋を這い上がる。


「んぁ、あッ」


ちゅ、と突起を吸われたかと思えば、乳房を揉みしだかれる。


敏感な場所をなぶる濡れた舌の感触があまりに卑猥で、ジゼラは何度も気をやりそうになった。


「閣下、閣下ッ……」


背をしならせ、ファルコの肩に手を置いてその身体を押し返そうともがく。しかし、足を閉じようにも割り込んだ彼の腰がそれをさせない。


「ぁ、あ……!」


「濡れてきたね」


とろりとした液体が脚の付け根につたうと、ファルコの笑みが深まった。


「入れるよ」


「閣下……ん……ッ――」


ぬちゅ、と侵入してくる指先が肉襞を掻いた。


最初はほんの少しだけ。


慣らすような動作に、けれども違和感が拭えない。


身体を強張らせるジゼラを心配するように、ファルコが言った。


「まだ慣れない?」


こくり、と頷くと指の動きがゆっくりとしたものに変わる。


「じゃあ、こうしようか」


「ぁ……」


粘膜を擦るように上下に動かされ、ジゼラは唇を開けたまま喘ぎを漏らした。ゆっくりと、慎重に入れた指を引き抜いては、奥深くへと差し込んでいく。


何度もそうされていると、いつしかジゼラの身体からは力が抜け、甘い喘ぎが漏れ始めた。


「や、ぁ、あ……!」


「気持ちよくなってきた?」


「閣下……」


「これは契約だ。君は実家の借金返済のため、私の秘書として奉仕する。公務の他に、私が女性に慣れるための相手になる……と君も了承したはずだ、ジゼラ」


「けれど、閣下……こんな……このようなことは、然るべき女性にされるべきでは――?」


「君は貞淑だな」


一度は頷きながらも納得できないように顔を曇らすジゼラを一笑に付し、ファルコは大きく指を動かす。ジゼラはびくん、と背を逸らし、そのたびに甲高い喘ぎ声で執務室を満たしていく。


彼女の反応に笑みを漏らすと、やれやれといったようにファルコは執拗に奥を何度も突いた。


「けれど、これほどまでに淫らだ。神聖な仕事場で服をはだけさせ、私の指で狂おしげに鳴いている」


「あ、あ……」


羞恥と慣れない快楽に翻弄され、涙をこぼすジゼラの頬をファルコの大きな手が撫でた。


仕事――。


切なげに眉を寄せ、ジゼラは濡れた唇を開いて苦しげな息を繰り返す。


(このような痴態を見せることが、私の……役目……?)


内奥を指で突かれ、びくびくと腰を揺らめかせながらジゼラは思う。


忙しい公務の中、ファルコは気まぐれのようにジゼラに触れてはいやらしく攻めた。


最初はどう反応すればよいのかわからず、また快楽を知らない身体は固かった。だがどうだろう。今やジゼラの身体はファルコの指を咥え、甘い喘ぎを上げるほどに快楽に慣らされてしまった。


「ん、ふッ……、ぁ」


過敏になった奥底を探り当てられた途端、ジゼラの腰が一際大きく跳ねる。


何かに気づいたようにファルコが目を細め、同じ場所をぐにゅ、と押す。


「ここがいいの?」


「あ、ぁ」


ひくひくと腹部を痙攣させるジゼラの反応を見下ろし、ファルコは薄く笑った。


「覚えておこう。そろそろもう一本入ってもよさそうだが」


「――!」


試すようにぬちゅ、と新たな指が挿入される感覚にジゼラは息を呑んだ。


人差し指に続いて、中指の先がめり込む。


「や、ぁ、あッ」


濡れて解されたそこは瞬く間に二本目の指を呑み込み、粘膜で絡めとった。そして、閉じかけたジゼラの腿に手をかけると、ファルコは大きく開かせる。


「やッ――」


あまりの羞恥に、ジゼラの目が涙で潤んだ。


ファルコは平気なのだろうか。国家元首として与えられた公邸の執務室を――自らが使う机の上での淫らな行為を、なぜこの人は平然とできるのだろう。


仕事で忙しく色恋に興じる時間がないのは理解できる。そのために、女性に不慣れな彼への奉仕を要求される、というのも自らの処遇を思えば納得してもいい。


(けれど、なら……どうしてこの人は、こんなにも冷静な目で私を乱してやまないの?)


ジゼラに覆いかぶさるようにしてその反応を伺うファルコの表情は、女を抱く男のそれのようには思えなかった。


事実、蕩けきっているジゼラに対し、ほとんど興奮するそぶりがないのだ。


今回だけではない。どこか他人事のような、戯れだと割りきっているような熱のなさは毎回のことだった。


「ひ、ぁ」


親指の腹で前の突起を弄られると、むずがゆいような感覚が下半身に広がる。


「あ、ぁッ」


「いくの? ジゼラ。でも、まだ早いよ。休憩時間はまだ残っている」


ファルコはそう言って指を抜くと、ジゼラに立つよう促した。震える脚で机を降りたジゼラを真後ろにあった窓の前に立たせ、窓枠に手をつかせる。


途端に、遥かな海原が視界に広がった――。


ここからは、ヴェスキア共和国が海洋国家と呼ばれる所以の澄んだ内海が見渡せる。港に停船する客船の他、海原の先から船首をこちらに向ける帆船を見て、ジゼラは身を強張らせた。


「大丈夫、あんな遠くからは見えないよ」


不安をとり除くように、ジゼラの背に身を寄せるファルコが囁く。


その手が太腿をゆっくりと撫で上げ、断りなくスカートを腰まで捲ると、下着を足元に滑り落とした。


「ぁ……」


そして愛液に濡れた指先が尻の割れ目をつたうと、再び中に押し入った。


「んぁ、あ」


耳朶を軽く噛まれ、ジゼラは悩ましげな喘ぎを上げてしまう。


ファルコのもう片方の手がドレスからこぼれ落ちた乳房をおしつぶすように撫でまわせば、声はさらに濡れていく。


「閣下、閣下……」


ジゼラの吐息で窓が曇る。


下からすくい上げるように手の中へと収めた白い乳房を、ファルコの指がやんわりと揉みしだく。指の形が食い込むほどに丹念に解されていくたび、ジゼラの理性は蕩け、何も考えられなくなった。


「ぁ、あ」


いつの間にか、ファルコの指の動きに合わせて腰が揺れていた。


「だめ、だ、めッ……」


にちゅにちゅと、二本の指が膣の浅い辺りを焦らすように何度も行き来する。上向いた指の腹で背の側を擦られると、ジゼラは堪らないとでもいうように激しく首を振った。


「あ、あッ」


「熱いね、君の中は」



ファルコの囁きに羞恥を煽られ、ジゼラの内壁がきゅうっと指を締め付ける。


限界まで膨れ上がった胸の突起を指で摘まむと、ファルコは顔を悦楽に染めた。


「それに敏感だ」


「あッ……」


その瞬間、ジゼラは軽く達した。


太腿の内側がびくびくと震え、つうっと付け根から熱い愛液が流れ落ちていく。さらに滑りをよくしたファルコの指が激しい抽送を始めると、ジゼラの喉からは絶え間ない喘ぎが漏れた。


「ぁ、んぁ、あッ」


 


(この続きは製品版でお楽しみください)

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