プロローグ
こんなことはいけない。
やってはいけないことだと何度も頭の中で巡るのに、厚木乙女は高校生のブレザータイプの制服を着て、すでにジャケットは脱ぎ捨てた状態で喘いでいた。
ラブホテルのベッドはときどき激しく軋み、どこか安っぽい感じがしたが、同時に悪いことをしていると思わされる。
「あっあっあ!」
「厚木さん?」
窺うように顔を見つめられて、乙女は思わず逸らした。
ブラウス越しに先端を捏ねられているだけだが、充分すぎる刺激に声が勝手に何度も上がっているのに、その先をしてくれない。
課長の碇龍臣は、乙女に制服を着せたまま寝かせ覆いかぶさるのだが、服を脱がして挿入することなく、焦れた行為を三十分以上はしているような気がした。
まるでたっぷり堪能していると言わんばかりに、乙女の身体を弄りまわしてくる。
恥ずかしくてたまらないのだが、碇とは職場では会話もままならない上司と部下。乙女が誰にも内緒で勤める、制服キャバクラに突如現れたことをきっかけにこんな痴態を晒すことになっている。
「や、やぁ……やぁっ」
「反応が可愛い。部下じゃなかったら、悪いことしてる気分だ」
「課長も私も大人ですから」
「そうだね。厚木さんの反応は初心で、まさに学生みたいだけど」
言われて乙女は頬が染まる。
口封じの為に勢いで来たホテルだが、乙女は全く経験がない。
こんな恰好でキャバ嬢をしていたら、男性から見れば男好きだと勘違いされるかもしれないし、ホテルにまで誘い出したら、どんな思い違いをされているか分からない。
碇がブラウスのボタンを外していくと、乙女は恥ずかしさで顔を覆った。
碇はくすっと笑うと、そのままブラをするっと取り外してしまう。
露わになったたわわな胸を見た途端に、碇はそっと触れてきた。ぞくりとした感覚とともに甘い痺れを感じて逃げるように身体をくねらせる。
先端を直に扱かれると、さっきよりずっと激しい快楽に襲われて乙女は声を上げた。
「あっあぁああ!」
「初心だけど、敏感なんていいね」
「す、すみません」
頬を染めて口を覆うと、すぐに払われた。
「恥ずかしくないよ。厚木さんって意外と大胆なのかな」
「わ、わかりません」
首を振って逸らすが、弄られているところが熱くてたまらない。
碇は会話をしながらでも丁寧に先端を押しつぶしたり、捏ねたりして乙女に刺激を与え続けてくる。話しているのが辛くて、次第に目が潤んできて平常心じゃいられなくなってきた。
蜜がとろりと溢れだして身体がじんじんしてくる。
けれど、碇は乙女の身体をくまなく堪能するように、先端を揉みしだき続けてくるだけだ。
とろとろと蜜が溢れて乙女が懸命に声を我慢していると、碇がくすりと笑う。
「やっぱり悪いことをしてる気分になるね」
「な、なぜですか?」
「そりゃ、そうだろ? 厚木さん初めてみたいだし、制服着てるから」
「すみません」
「謝る必要はないよ。ただ、俺としては……その……」
「はい」
潤んだ瞳で碇を見つめた。この状況を少しでも喜んでくれるなら、強引に関係を持った甲斐がある。ただ、無理に関係を持たされたと思っているなら、話は別だ。
乙女は勇気を振り絞っての行動だが、やはりもとの関係が浅いせいか罪悪感が勝るのだろうか。
「か、かわいいよね。厚木さん」
思わぬ言葉に乙女は目を丸くした。碇も照れ隠しなのか、先ほどより刺激が強くなって乙女も身体をくねらせる。
「もっと先までしていいかな」
乙女は頷くと、するんとスカートを捲られた。
そして下着を脱がされると、秘丘が露わになる。頭がくらくらしていると、指先が秘部を往復し始めて乙女は喘いだ。
「あっあっあ!」
初めての快感に思わず碇に抱き着いてしまう。すると碇がさらに指を速く動かし始めて、蜜壺に挿入し、たっぷりの蜜と絡めるようにめちゃくちゃに掻き混ぜてくる。
「あっふあぁあ!」
「厚木さん……腰が震えてる。初めてだけど、いいみたいだ」
「その……あっ……あっあぁあっ」
たっぷりと焦らされたせいなのか、経験の少ない乙女には理解出来ないが、肉襞が指に絡んで混ぜられていると、それだけでも果てそうになる。
それに、膨らみを弄られていた時とは全く違う悦びに身体が勝手に応じているみたいだ。それは乙女にも制御不能の部分で、ぐちゃぐちゃとした水音もどんどん激しくなっている。
いやいやと首を振りつつ、乙女は酔いしれるように碇に身を委ねていた。
とろんとした目で見つめると、碇が驚いた顔を見せる。
「そんな顔されると、俺も理性が吹き飛ぶよ」
言われた途端に、指が増やされる。さっきより圧迫感が強くなり、膣内がめちゃくちゃになる。
同時に膨らみに碇がむしゃぶりついてくる。
「あっああっ!」
先端をペロペロと舐められながら、乙女は焦れた想いがこみ上げてくるのを感じた。
腹の奥が疼いてたまらず、たっぷりの刺激に翻弄されているにもかかわらず、もっと強い刺激が欲しくなる。
蜜がとろりと滴り落ちて、制服を汚すほどになりようやく碇は身体を起こした。
「そろそろいいね」
乙女はこくんと頷いた。
プリーツスカートやシャツを脱がされるかと思っていると、碇はスラックスをくつろげて、猛りを抜き出すとパッケージを装着して、ゆっくりと腰を落として侵入してくる。
「あ、あっ!」
(制服……汚れちゃうっ)
「……厚木さん。最高にいいね」
悶える乙女を後目に、碇はどんどん奥へ侵入してくる。たっぷりの蜜で満たされているせいか、かなり奥まで入ると、碇はそのままゆっくりと腰を使いだした。
ぐちゅぐちゅと音を立て、快楽に包まれながら乙女は困惑した。
大事な制服が汚れてしまうことと、碇が思いのほか制服プレイに欲情していることを知った。
(このあとは製品版でお楽しみください)