書籍情報

イケメン義兄と一つ屋根の下【書き下ろし・イラスト10枚入り】

イケメン義兄と一つ屋根の下【書き下ろし・イラスト10枚入り】

著者:沙布らぶ

イラスト:南香かをり

発売年月日:2021年1月29日

定価:990円(税込)

『もっと――七瀬がほしい。落ちておいでよ、ここまで』
証券会社に勤める滝嶋(たきしま)七瀬(ななせ)は、ある日父が贈賄の容疑をかけられていることを報道で知る。誠実な父がそんなことをするわけがないと確信する。けれど、会社経営に携わってこなかった七瀬は真実を知る術がない。そこで彼女は、父の後妻の連れ子であった義兄・日羽(ひう)奨(しょう)悟(ご)に連絡を取ることに。憧れの兄だった奨悟は子共の時と変わらずに優しかったが、父の潔白を証明する条件に、七瀬に自分の恋人になれと言ってきて――。

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登場人物

◆滝嶋七瀬(たきしま ななせ)
証券会社勤務 25歳
滝嶋製薬株式会社の社長令嬢。優しい父と二人暮らしをしていたためしっかりとした性格をしているが、父が彼女に会社を継がせる気がなかったため証券会社で働いている。母が早いうちに滝嶋家を出て行ってしまい、後妻と義兄の奨悟によく懐いていた。後妻が病で亡くなり、奨悟が家を出てからは連絡先も知らなかったが、父が贈賄の疑いをかけられたことで彼を頼ることになる。黒髪を背に流しており、色白。
◆日羽奨悟 (ひう しょうご)
コンサルティング会社社長 30歳。 七瀬の義兄。いつも冷静で、いじめられっ子だった七瀬をよく助けてくれていた。 学生時代から起業しており、現在はベンチャー企業を支援するコンサルティング会社を設立している。七瀬の父の窮地を聞いて八年ぶりに七瀬と連絡を取った。大学を卒業した二十二歳の時に母が亡くなってからは滝嶋家とは縁遠くなっていたが、七瀬の父との交流はあった。背が高く細身であり、すらりとしたスーツを着こなす。

立ち読み

プロローグ


 


ひんやりとした指先が、七瀬(ななせ)の背中をそろりと撫でた。


火照った体はその刺激だけで反応してしまい、濡れた唇からは思わず甘い声がこぼれ落ちる。


「っ、あぁ……」


きつく体を抱きしめられ、熱い楔を身中に迎え入れた七瀬は、必死で男の背中に腕を回して迫りくる愉悦に耐えようとする。だが、男の方もそれをわかっていて、敢えて焦らすように彼女の体を軽く揺さぶった。


「やめ、ぇっ……は、奨(しょう)()……!」


潤んだ蜜壺が、きゅうきゅうといじらしく雄杭を締めつける。深い場所まで穿ってくるそれは、もったいぶったような動きで七瀬の弱い場所を攻め立ててきた。


「ッは、あっ、あ――だめ、そこはっ……」


「ダメじゃないだろ。七瀬はここが一番感じるんだから――もっと、って、おねだりしてごらん」


耳元で、濡れた声がそう誘いをかけてくる。


まるで教え諭すような優しい口調とは裏腹に、凶悪なまでに怒張した肉楔はさらに感じる場所を擦ってきた。


すでに七瀬の体は限界まで高められていて、あとほんの少しの刺激で理性が決壊してしまう――それをわかっているから、奨悟はわざと動きを緩慢にして彼女のことを焦らしているのだ。


「ぁ、あ……そんな、い、言えるわけ……」


「じゃあ、俺もこれ以上は動いてあげない。七瀬が自分でしてほしいことを教えてくれない限りはこのままだ」


「そんな――ンぁっ、あ……」


意地悪な言葉を聞いて、七瀬はしがみついた背中に爪を立てた。


それでも奨悟は、艶っぽい表情を崩すことなく彼女が懇願する時を待っている。スーツ姿の時はそれほど目立たない、細身だが筋肉のついた体はしっとりと汗をかいていた。


「奨悟……っ、い、意地悪しないで。お願い……」


「なんでもするって言ったのは、七瀬の方じゃないか。俺は七瀬の味方だし、お前が望むことはなんだってしてあげたいと思ってる。それこそ、今も昔もね」


度重なる愛撫で、七瀬の体は絶頂の寸前だった。


けれど、そこに至るあと一手が足りない。奨悟が思い切り突き上げてくれさえすれば、あとは快楽の奔流に身を任せるだけでよかった。


けれど彼は、美しい顔にうっすらとした笑みを浮かべたまま、なおも彼女の耳元で優しく囁くだけだ。


「言ってごらん。お前が思っていることを、口に出して俺に教えてくれないか」


記憶の中の優しく頼れる奨悟の面影と、今目の前で自分を抱いている奨悟が重なった。


どんな時でも自分の味方で、いじめられていた七瀬のことを助けてくれた大好きな奨悟。


――血の繋がらない、大切な義兄。


「ぁ……ぁう、動いて……」


ゆるゆると頭を振りながら、七瀬がようやくぽつりと呟いた。


すると、奨悟の大きな手が七瀬の腰に添えられる。冷たい手のひらを感じて、思わず蜜壺の中がきゅんと疼くのがわかった。


「どんな風に?」


「ンぅ……い、いっぱい……激しくして、奥まで突いてほしいの……っ」


羞恥でどうにかなりそうだったが、そうでも言わなければ奨悟は本当に動いてはくれないだろう。それがわかっていたから、七瀬は震える声でなんとか懇願を口に出した。


「気持ちよく、なりたい――」


「……よくできました。頑張ったね、七瀬」


ちゅ、と頬にくちづけられたかと思うと、次の瞬間にはぐぷんっと音がするほどに強く突き上げられる。


「か、ふっ……! あっ、あァ――んぁっ、あ、やっ……!」


いきなり与えられた強すぎる刺激に、七瀬の目の前で星がはじける。


かと思えば、しっかりと彼女の体をとらえた奨悟がなおも激しく膣奥を突き上げてきた。


「ひぁぅッ、ぁ、んんっ――やめ、ぁっ……」


互いの体をきつく抱きしめあうと、互いの胸がこすれあって微量の快感を生み出していく。


肌を滑り落ちる汗の感触だけでも身もだえするほどに気持ちよくて、七瀬は目に涙の膜を張って甘い声を上げた。


「だめぇっ……! そんな、ぁ、激しくッ……」


「七瀬がしてほしいって言ったんだろう? だから俺は、全力でお前のお願いをかなえただけだ――もう、イきたくて仕方がなかったんだろう」


ふっと耳元に息を吹きかけられて、大きく体が震える。


だらしなく開いた唇を懸命に動かして、七瀬はようよう言葉を紡いだ。


「ひぐ、ぅっ……ンぁ……イっちゃ、ぅ――お兄ちゃん……!」


「っ……」


その言葉に、一瞬だけ奨悟の動きが止まる。七瀬の方も、自分が今何を口走ってしまったのかと我に返った。


(もう……こんな風に呼ぶことなんて、ないと思ってたのに)


もう自分たちは家族ではない。一滴も血が繋がっていない彼を兄と呼んでいたのは、人生の中でもほんの短い間だけだ。


「……七瀬」


「え――は、ぁぅっ!」


ぼんやりとしていたのもつかの間、七瀬の名を呼んだ奨悟が、更に強く腰を打ちつけてくる――抱き合った形のまま、七瀬はされるがままに揺さぶられるしかなかった。


「ひぁっ、ァ、だめぇっ……! あ、ぁぁッ……! だめ、イ、くぅっ……!」


ひく、と喉がひきつったかと思うと、目の前がぱっと明るくなって体が硬くこわばる。


次の瞬間訪れた暴力的な快楽を真正面から受け止めて、とうとう七瀬は忘我の極致へと達した。


「あ、は――はぁっ、ぁ、んん……」


ぶるっと体を震わせて絶頂の余韻を味わう七瀬は、ぐったりとしながら奨悟の胸に体を預けた。強すぎる愉悦のせいで、指先一つもまともに動かせない。


「しょ、うご……」


「まだだよ、七瀬。俺がイッてない」


「あっ、待って――奨悟ッ!」


切羽詰まったような声で笑った奨悟が、なおも律動を繰り返す。


激しい抽送は達したばかりの蜜壺には刺激が強く、突き上げられるたびにあられもない声が七瀬の唇からこぼれ落ちていった。


「ひァんっ! ァ、やっ……あっ、ァあっ!」


「七瀬――可愛い顔。トロトロに蕩けた、いやらしい表情をしてる」


「言わないで……あぁっ、や、くぅっ……!」


ぐぷぐぷと、互いの体液が混じりあう音が寝室の中いっぱいに響き渡る。


そんな音を立てるほどに自分が感じているのだというのが目の前に突き付けられているようで、七瀬はさらに強い愉悦を覚えた。


「んっ――七瀬の中に、全部出すから……」


「ぁ、は――ぁく、ぅうっ……」


緩やかな宣言の後、言葉通り熱い精液がびゅくびゅくと膣奥に注がれる。


欲望の奔流が自分の体内に吐き出される感覚に、一瞬だけ眩暈を覚えた。だが、次に訪れたのはそれよりも強い快楽と幸福感だ。



「っあ……はぁっ……」


永遠にも思えた吐精が終わりを告げた時、今度こそ七瀬の体からは一切の力が抜けてしまった。


目の前がぼんやりとして、どこか浮遊感を覚えながら再び奨悟の胸に体を預ける。今度は、彼もそのまま七瀬のことを受け入れてくれた。


「奨悟――もっと、ひどくしてくれてよかったのに」


「それは、いくら七瀬のお願いでも無理かな。俺は別に、お前を無理矢理抱きたいわけじゃない」


背中を軽く叩いてくれる奨悟の手の冷たさは相変わらずだ。


体が火照っている今は、そんな彼の手に触れているだけで心地いい。


「本当にごめんね……奨悟に、無理なお願いばかり言って迷惑ばかりかけてる」


「俺はそんな風には思ってない。言っただろう? 日羽(ひう)奨悟は絶対に滝嶋(たきしま)七瀬の味方だ――今も昔も変わらない」


互いを助かめるように求めあった後だというのに、七瀬は浮かない顔を隠せなかった。


そんな彼女をなだめようと、奨悟がそっとキスをしてくれる。


「ん……ありがとう、奨悟。――あのね、勇気がほしかったの。ほんの一押しでいいから、奨悟に背中を押してほしくて」


「勇気、か。俺は納得していないんだよ。今回のことだって――」


なにか言いたげに眉を寄せた奨悟の唇に、今度は七瀬が自分のそれを押し当てた。


彼が言おうとすることはわかっている。自分がこれから行おうとしていることが、もしかして自らの身を危険に晒す可能性があるということも。


「お願い、奨悟」


慈母のように柔らかい表情を浮かべた七瀬は、愛する義兄の頬を両手で挟み、それからゆっくりと彼に抱き着いた。汗ばんだ体同士が、再び密着する。


「わたしを、悪い女にしてほしいの」


穏やかな表情とはまるで違う、冷たく不穏な言葉――その言葉をかき消すように七瀬をベッドに押し倒した奨悟は、再びその白い体を貪り始めたのだった。


(このあとは製品版でお楽しみください)

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