「い、いけませんっ! イーサンさま……!」
邸宅の裏手にある厩うまやで、クロエはグロースクロイツ家当主に後ろから抱きつかれた。
足元の藁がワサワサと乾いた音を立てる。ちょうど馬たちは厩番に新鮮な草を食べに連れ出されていて、周りには誰一人見咎める者もいない。
だからといって、やっていいことと悪いことがある。
「痛っ……!」
拒むクロエの肘鉄を喰らい、イーサンがくぐもった声を上げた。
「クロエ! くそっ、逃がさないぞ――」
ドレスの裾を持ち、クロエは必死になって厩の中を逃げ惑う。
几帳面な厩番のおかげで、中は比較的綺麗だ。馬糞などどこにも落ちていないし、食べ残したサツマイモはかごの中にきちんと集められている。
「あ――」
だけど、ちょっとした地面の凸凹に躓つまづき、逃げる足が大幅に遅くなった。
その隙を突くようにイーサンの左手に腰を捕らえられ、岩壁に身体を押しつけられた。
「イーサンさま、いけませんっ! いくらなんでも、こんなところで――ぁんっ!」
右の尻肉を掴まれ、指先で内ももをまさぐられる。
「こんなところとは、どんなところだ? 厩や邸宅はもちろん、この辺り一帯はすべてグロースクロイツ家のものだ。そして、クロエ――君は僕専属の侍女であり、僕がもっとも愛する太っちょの子豚ちゃんだろう?」
「太っちょの子豚と言われるほど太ってはいないつもりです!」
イーサンに腰肉を摘ままれ、クロエはくすぐったさに身をよじった。そして彼を軽くにらみ上げると、どうにか束縛から逃げ出そうとした。
「ああ、たしかに。しかし、間違いなく着やせするタイプだ」
そう言われると同時に、ドレスの裾を勢いよくたくし上げられ、履いているドロワースをずらされた。露出した白い臀部に、イーサンの硬く猛る屹立があてがわれる。
「あぁ、この柔らかな感触がたまらないよ……。二つの肉山を突けば強く押し戻してくるし、その間に潜む蜜壺の中は……ほら、もうとろとろになって僕の肉棒を待ち受けてくれている」
「きゃあっ!」
反り返った屹立で左右の花房を割られ、無防備な秘裂を縦横にいたぶられる。つま先で立って挿入を防ごうとするけれど、ぬらぬらとぬめる蜜窟の入り口は屹立を容易に招き入れてしまう。
「やぁんっ……! ダメッ……イーサンさま……あ、あっ……あああんっ!」
額にイーサンの髪の毛がかかった。
頭のてっぺんに音を立ててキスをされ、下から突き上げるように腰を動かされる。
「なにがダメなものか。クロエ……なんて気持ちいいんだ……。お前の蜜壺は天からの贈り物だ」
胸元のリボンを解かれ、ドレスの前を一気に引き下ろされた。零れ出た乳房がイーサンの手の中で躍動し、乳先を指でひねられてあられもない声を上げる。
あまりの快楽に耐えられなくなったクロエは、石壁に手をついて倒れそうになる身体を支えた。
「あぁ、クロエ……僕のものをきつく締め付けた上で、中をヒクヒクと震わせるなんて……。実に素晴らしい性の技法だ。愛しているよ、クロエ……。君ほど僕を奮い立たせ、性的に惑わせる女はいないよ」
強弱をつけリズミカルに腰を振られて、クロエはとうとう前のめりになって藁の上に倒れ込んでいた。陽光を浴びた藁の匂いが、鼻腔の中いっぱいに広がる。
「イ……サンさま……。中……そんなにしちゃ……あ、あっ……ん、ふああっ!」
挿れられたまま、ぐるりと仰向けにさせられ、唇に濃厚なキスをされた。口の中にサクランボの味が広がったのは、さっきイーサンが食べたチェリーパイのせいだろう。
唇を繰り返し合わせながら、乳房を掌で揉み込まれた。まるでパンの生地をこねるように丁寧、かつ執拗に。そうしている間も、蜜窟の壁は彼の切っ先によって掻かれ、じゅぷじゅぷと音を立てながら淫猥な蜜をたらし続けている。
「この身体……生涯僕だけのものだ」
イーサンの焦げ茶色の瞳が、クロエの白い肌と金色の髪を愛でる。クロエの青色の瞳が瞬きをする間にキスが唇から首筋に移り、やがて胸の先端に辿りつく。
「お前のここは、まだ処女の初々しさを保っているな……。クリームのように柔らかで、舐めると舌の上でとろけてしまいそうだ」
イーサンが左の乳房を口に含み、乳先を舌でコロコロと転がしてくる。
「あんっ! ゃあああんっ……あ、あぁ、イーサンさま……」
クロエは自分の胸に口づける彼の頭を腕に抱きかかえた。そして、うっとりと目を閉じながら押し寄せてくる愉悦の波に身をまかせる。
「クロエ、ようやく素直に感じる気になったんだな? 毎回必ず嫌がってみせて、結局は快楽の虜になる……。心は清純でも肉体はとてつもなく淫らだ。そんなところも可愛くて仕方がない。さあ『気持ちいい』と言ってごらん。こうして僕と交じり合うのが、この世の中で一番の至福だと啼ないて見せてくれ……」
腰の抽送が激しくなり、キスが再び唇に戻ってくる。
「きもち……いいです……。イーサンさまと交じり合うのが……この世の中で……一番の至福……あっ……、ああああっ!」
「もっとだ、クロエ。もっと僕をほしがって、思い切り乱れるんだ」
「あぁ……イーサンさま……」
イーサンの手に導かれ、クロエは大きく脚を開き、左右の膝を両方の肘の内側に抱え込んだ。
屹立を咥え込んでいる秘所が上向き、すっかりあらわになる。
(イーサンさまと私……こんなにも淫らなことを……)
二人が繋がっている部分を目の当たりにして、クロエの中が激しく収縮した。
「あぁ、すごくいいよ……。まるで、僕のすべてが抱きしめられているような心地よさだ……」
「イーサンさまっ……あぁ……ぁ、ああああっ!」
クロエの中で屹立が硬さを増し、上から打ち付けるように最奥まで突かれると、脳天で白銀色の閃光が弾けた。
それと同時に、クロエの中で屹立が脈打ち、切っ先から熱い性がほとばしる。
「あぁ、クロエ……」
名を呼ばれ、繰り返し唇にキスをされた。二人は見つめ合いながら互いの体内に宿る熱を感じ合っている。
性と蜜が交じり合うクロエの蜜窟の中で、屹立が再び硬さを取り戻す。イーサンの腰が、海岸に打ち寄せる波のようにゆっくりと動き出した。
(この続きは製品版でお楽しみください)