書籍情報

このたび竜陛下につがいにされて溺愛花嫁になりました

このたび竜陛下につがいにされて溺愛花嫁になりました

著者:百門一新

イラスト:緒田涼歌

発売年月日:2023.10.27

定価:990円(税込)

十三歳で捨てられてしまった元令嬢のメリッサは、それから五年「竜陛下」が治める獣人国の王城で、侍女として元気に楽しく暮らしていた。竜陛下ことグレンは父親のように接してくるが、人型のときの彼はあまりに美しいから、十八歳になったメリッサの乙女心は戸惑ってばかりだ。そんな彼女はある夜、竜陛下の発情期に居合わせ、彼の「つがい」になることを求められる。甘々に甘やかしてくるグレンとの時間に心地よさを覚えるメリッサだったが、二人の間にはやはり種族の壁があって……。

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登場人物

立ち読み



 

序章

 

メリッサは、アルデニア王国の王城で五年を過ごして十八歳になった。

ここは竜陛下と呼ばれている、美しい銀色の竜グレン・アルデニアが治めている獣人族たちが暮らす自然豊かな大国だ。

彼はメリッサにとって、救ってくれて、居場所をくれた尊敬する素敵な王様だ。

普段は人の姿をしていて、ブルーの瞳を持ったとても美しい男性だった。

年頃になると意識してしまうくらいの美貌だったが、困ったことに彼にとっては、何年経ってもメリッサは〝保護した子供枠〟みたいだ。

『メリッサ、私のことはグレン、と』

『はい、竜へい――グレン』

名前呼びは子供だからかなと当時は思っていたのだが、今も変わらなかった。

彼はメリッサだけそのまま名前で呼ばせ、あれから五年経った今も自分の近くで侍女仕事をさせている。

目の届く範囲で、というのは父親みたいな気分なのだろう。

その優しすぎる美しい微笑みにメリッサが年頃の気持ちで密かに困っても、グレンはお構いなしで子供みたいに構った。

 

――だから一層、こんなことになるなんて思ってもみなかった。

 

竜の彼は満月の夜に〝蜜月の発情期〟を迎えた。

それは特別な発情期で、その翌日もメリッサは彼の腕の中に捕らわれた。

 

「発情期間中、こんなにも幸せを感じたのは初めてだ」

まだ日中の王宮の、謁見の間の近くの竜陛下の休憩室。

そこにはメリッサの甘ったるくなった喘ぎ声と、耳を塞ぎたくなるようないやらしい水音と興奮した男性の吐息が上がっていた。

「一度まぐわったのがたまらないほど忘れられない。メリッサを愛したくて、もう一度あの至福の中で締めつけられたくて、私の頭の中はいっぱいだ」

ソファに座った彼の膝の上に、メリッサは背を預ける形で座っていた。彼女のドレスのスカートはたくし上げられ、彼によって開かれた脚のとろとろに濡れたその正面には、グレンの衣装から取り出された欲望がそそり立っている。

待って、というメリッサの言葉も間に合わなかった。

達した余韻に身体が甘く痺れて動けないでいる間にも、後ろから持ち上げられ、彼の欲望を下から挿れられていた。

「ああぁっ――あん、ンッ」

後ろから抱き締めて、グレンがすぐ抽挿を始めた。

「あんっ、あっ、あぁ……なんでこんなに、いいのっ……んぅっ、あっ、ン」

なんでこんなに気持ちいいのか、彼が下から腰を跳ね上げるたび自分の腰が一緒に浮くのを、メリッサは全身をがくがくと震わせながら眺めるしかない。

「〝つがい〟になったからだ」

「あ、あ、つが……い……ひぅっ」

彼にこの場でほぐされて果てたばかりのそこに、深く突き刺さるこの姿勢での行為は、怖いくらいに気持ちよかった。

「そうだ。私の愛おしい伴侶のために、私のここはこうして大きくなる。その子種は宿った魔力さえも伴侶のために作用する」

「んっ、あぁ、それってもしかして媚薬みたいな――」

だから、昨夜も繋がってからはどんどん気持ちよくなったのか。

「私は入れただけで果ててくれたのも、嬉しい」

グレンがメリッサの髪に顔を埋めた。

「私のものを気に入ってもらえたようだな。夫婦には大切なことだ、嬉しく思うぞ」

「んっ、ぁ……グレン……っ」

彼がすーっと匂いを嗅いでいるのも気になったが、抱いた腕で身体を触られて、ぞくんっと反応してしまった。

「ああ、メリッサ、とてもいい」

中が締まった拍子に、首筋に当たった色気溢れる彼の喘ぎを聞いて、どきっとする。

(……こうすると、気持ちいいの?)

これまで自分のことでせいいっぱいだったから、それはメリッサにとってどきどきするような新知識だった。

つまり、と思ってこくりと唾を呑み、彼の方へ少し顔を向ける。

「わ、私が気持ちよくなったら……グレンも気持ちいい?」

「そうだよ。メリッサは気持ちいいか? 私のオスは、どうだ?」

彼がもう少し腰をソファの前へと滑らせ、メリッサの奥を小刻みにとんとんとノックする。

「あっあ、それっ……ああ、あ……だめぇ……気持ちい、いっ」

「メリッサは奥が好きなんだな。ではここは?」

彼のそったものが、腹の後ろをごりゅっとこすった瞬間、メリッサは息を止めてぞくぞくっと身体を震わせ背をそらした。

その衝撃の強さに目がちかちかした。

たまらず逃げ腰になったが、動かしたせいでもっと気持ちよくなってしまう。するとグレンが後ろから揺らし、また腰が勝手にはねて自分で上下に動いた。

「あんっ、ん、グレンだめ、止まって……私の腰、止まんなくなっちゃう……っ」

恥ずかしくてやめたいと思ったが、上がった腰が彼の身体へと着地すると気持ちよさでまた腰が浮いた。そうして快感に引き戻されるように再び腰が沈んで――。

「あ、あ、違うの、私、止めたいのに」

気づくとメリッサの腰は自らぱちゅっぱちゅっと上下運動を繰り返していた。彼が激しく動いていた時よりも、ぐぽっ、ぐちゅっと生々しい愛液の音がした。

あまりの気持ちよさに、メリッサの中から愛液がしとどに溢れているのだ。

「ああメリッサ……!」

するとグレンが首に吸いつき、指でメリッサのドレスの襟を引っ張った。お仕着せではないドレスは呆気なく滑り落ち、ふるんっと乳房が飛び出した。

「やんっ、脱がさないって言った、のにっ、ンッ」

「見ないようにするから」

そういう問題ではない。メリッサから丸見えなのも大問題で――。

と思ったものの、後ろから乳房を貪るみたいに揉み込まれて思考は甘く染まった。

「ああぁっ、やぁ……っ」

同時にグレンが、さらにソファの上を滑って腰の突き上げを激しくした。その際に膝でテーブルを押して茶器が音を立てた。

「あんっ、あっ、同時はだめっ……もっと気持ちよく、なっちゃう……っ」

乳房に直接触れられると、柔らかい肉に彼の指が埋まる感触も気持ちよかった。

形を変えられる際に不思議な心地よさがあって、それが官能の熱となって、二人の結合部にじんっと集まってくるみたいだった。

「メリッサ、可愛い。もっと聞かせてくれ……」

獣みたいに首筋や肌を舐めながら、グレンがややつんっと主張していた乳房の先端を弄ってぷくりと硬くする。

そうすると、甘い痺れがじんっと起こった。

お腹の奥がきゅぅっと切ない疼きを強めると同時に、察知したみたいに彼が腰づかいを乱した。

「やぁっ、んっ……あぁ、イく、そんなことされたらイくのっ、あんっ、んっ」

「私も出そうだ。とてもいいよメリッサ」

うっとりとした声でグレンが言う。

「休憩時間も残り少ない。そろそろ出すよ」

「ああぁっ、奥……! そんなに激しく叩いたらぁっ」

彼はメリッサの太腿を抱いて広げさせると、上に乗っているメリッサをがくがくと揺らすほど激しく突き上げた。

(あ、そうだ、今は……休憩時間で……)

ハタと彼の言葉で思い出したら、グレンが「ふっ」と強がった苦しそうな吐息をもらした。

「メリッサ、他のことを考える余裕がまだあるみたいだな?」

「えっ? ちが――」

すると彼がソファに深く座り直した。メリッサの両脚を両腕で抱きしめるように抱え、そのまま身体ごと上下する。

「あっあっあん、だめ、ああっ、グレンっ、これ深くて……!」

メリッサは、たまらず目から涙をこぼして頭を振った。

「逃がさないよメリッサ、奥で感じて、私の子種を受け止めてもらわなければ」

ずちゅんっと何度目かに彼の上に落とされた瞬間、メリッサはびくびくっとのけぞった。

「ああ、よく締まる。とてもいい」

軽く達したそこを彼はぐりぐりと刺激した。ほんのわずかな間を置いて、甘く切なく疼く奥を力いっぱい穿つ。

「あぁっ、あ、ああっ、ン、気持ちいいっ、やぁっ」

「キスで口を塞いでしまうのがもったいないくらいに、いい声だ」

「あっあ、だめ、部屋の外に聞こえ、ちゃっ……あぁっ」

果てたはずなのに気持ちがいい。声を、抑えきれない。

彼が後ろからメリッサの白い肩に軽く噛みついた。そうするだけで中にいる彼を、またきつく締めつけてしまう。

蜜壺が、彼がそこにいることを悦んでうねっているのだ。

メリッサは、中がグレンを求めているのを感じた。昨夜一度注がれ、感じた彼の熱を、再びそこにとねだって疼いているのだ。

「ああメリッサ、出すぞっ」

その『出したい』と願うような声を聞いて、メリッサの膣が期待するみたいに収縮を強めた。

「あっ――」

その瞬間、速められた律動でメリッサは達していた。

グレンが色っぽい呻きをもらし、深く突き立てて奥で精を吐き出した。

あまりにも多かったのか、愛液と共に彼の白濁がぶしゅっともれるのを感じた。互いに身体を強張らせて、ぶるっと背を震わせる。

「は、ぁっ……」

間もなくして、どちらからともなく息が吐き出された。

グレンが脚を離してくれて、メリッサは彼の上にくったりと身を預けた。グレンもまた、満足そうにソファに沈む。

「――メリッサ」

くすぐるように頬を撫でられて、彼の方へと顔を向かされ唇を奪われた。

「はっ、ふ、ぅん……んんっ」

絶頂感に彼を包み込んだひだがひくひくとするのを感じながら、熱くなった舌をねっとりと絡めるのは気持ちよかった。

「とてもよかった。私だけの、つがい」

グレンが銀糸の髪を揺らして少し離れ、うっとりと見つめてくる。

あまりの快感で頭がぼうっとしていたメリッサは、夢ではないのかと一瞬思った。こんなことありえるはずがないのにとまた考えてしまう。

だって彼は父親として自分をそばに置いて、意識していたのは彼女だけだったから――。

(この後は製品版でお楽しみください)

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