書籍情報

子爵育ちの売られた令嬢【書下ろし・イラスト10枚入り】

子爵育ちの売られた令嬢【書下ろし・イラスト10枚入り】

著者:雛瀬智美

イラスト:花綵いおり

発売年月日:2017年10月27日

定価:990円(税込)

「お前の涙が止まるなら、朝まで何度でも抱いてやるから」
子爵令嬢のクラウディア・アルペンハイムは没落した子爵家の救済のためにバッハシュタイン伯爵家のメイドとなる。そこで執事のエドウィン・バルツァーに心惹かれるも、伯爵に一方的に想われてしまう。ある夜、ついには伯爵に襲われてしまうが、その窮地にエドウィンが現れ、助け出される。「……お前をいとおしく思うから、救い出したんだ」避難した彼の部屋で互いに想いを伝えあい結ばれた。その後も伯爵に想われる中、二人は逢瀬を重ねていき……!

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登場人物

◆エドウィン・バルツァー
伯爵家に勤める美貌の執事。銀髪で、伯爵と同じ藍色の瞳をしている。長身痩躯でクールな性格。有能な人物で、執事の他にも仕事を任され伯爵に頼られている。
◆クラウディア・アルペンハイム
没落した子爵家の令嬢。淡いプラチナブロンドの髪と緑柱石の瞳、母親に似て美しい容姿をしている。家を救うため買われる形でバッハシュタイン伯爵家のメイドとなる。

立ち読み

執事部屋の広い寝台で、どちらともなく四肢を絡め合う。
彼は時折、苦しげに眉をしかめ低く呻いた。夢中になってこの時を過ごしているのが感じられて、とても嬉しい。私と同じ気持ちでいてくれてるのだと、心から伝わってくるからだ。ゆっくりキスをして、衣服を脱がせあって、彼が私を組み敷く。肌の温度はすぐに高まり、お互いに溺れていくのに時間はかからなかった。汗の匂いさえ、どちらのものかもうわからない。それでも就寝時刻に自分の部屋を抜け出して、彼の部屋に誘われてからさほどの時は流れていないはずだった。
「愛してるよ……クラウディア」
耳元でささやかれるたび、感じて濡れる。彼の言葉は女としての自分を目覚めさせる。
エドウィン・バルツァー。バッハシュタイン家の若き執事。
初めて会った時から、彼が気になって仕方なかった。これは恋なのか、別の感情なのか。わかりきっているはずの無意味な自問に答えないことで、私は自分を律していた。
だからこそ、皮肉にもあのことがなければ、彼は、私は、思いを伝え合うことはなかったかもしれない。
ゆっくりと、エドウィン……エディの背中に腕を回し、両脚を絡める。
彼の剛直が蜜壺に突き立てられ、弾む息が鼻から漏れた。自らの襞が、震え、彼を絡め取る。くっ、と顔を歪めた彼が、いきなり強く突き上げてくる。愛称で呼んで欲しいと言われた時、どんなに幸せな気持ちになったか彼はきっと知らないだろう。
「あっ……はあっ」
蜜壺を行き来する彼が、一層成長し、動きも早くなった。私は彼の背中にしがみつき、爪を立てた。
「エディ……っ」
「くっ……」
襞が彼自身を絡め取り、締め上げる。離れたくない。もっと、一体感を感じていたい。半ば泣きながら、エディを呼んで、すがる。ずっとつながっていられるわけじゃない。この夜が永遠に終わらなければいいのにと思いながら、私は彼に強く抱きついた。
「クラウディア、そんなに締めるなよ。わざと煽っているのか?」
「……離れたくない」
ぽろぽろ、と涙をこぼすたび彼はそれを舌で拭った。昼間は誠実で穏やかな姿しか見せないのに、夜のエドウィンは嗜虐的だ。私を独占しているという優越感があるのかもしれない。不器用で切ない人だけど、独占欲で縛りつけられることも嫌じゃないと知った今は、彼の思うがままに愛し、汚してほしいとさえ思う。
ここにいるのは子爵に仕えるクラウディアではない、ただの一人の女だからだ。エドウィン・バルツァーだけのクラウディア・アルペンハイムなのだ。
「あっ……やっ……ああ」
破裂しそうなエディ自身が、最奥で暴れる。その苛烈さに焼き尽くされそうになった。
しとどに溢れた蜜が潤滑剤となり、痛みを感じることなく彼の肉欲を受け止める。エディ自身の形になって、広がった隘路(あいろ)は、貪欲に彼を求めてひくついた。
「クラウディア……綺麗だ。その月明かりに透けるような白い肌も金髪も緑の瞳も」
「エディ……エディ……っあ」
抱き上げられて膝の上に乗せられる。こんな格好はしたことがない。未知への期待からか、私はさらに興奮してしまう。下から突き上げられ、断続的に喘ぐ。私は媚びて甘えている。
彼の前でだけ見せる醜態だ。女の性を実感する。
乳首をくわえ、噛んでは吸われる。揉まれながら、乳首をいじられると、奥がキュン、とうずいてしまう。ぺろり、と舌でなぞる時、私の顔を見上げる。その眼差しにヤラれる。エディの頭を押さえて抱え込むと、彼が小さく笑った気がした。
「クラウディアは、乳房を愛されるのが本当に好きだな」
「やっ……そんな、こと」
「ほら、言葉より身体は正直だ」
そう言うなり乳首を吸われ、思わず声が漏れた。カッと熱くなる顔を面白そうに見上げるエディをまた胸に押さえつけ、「いじわる」と呟く。
辱めて楽しむ。普段の紳士的な姿はどこにもない。乱暴で、極めて人間的だ。
蜜で潤った蕾をエディの指が撫でる。繋がりながら蕾に触れられたら、息が荒くなり、私は真っ逆さまに堕ちていく。びくびく、と襞が一層絡みついて、エディ自身を引き絞ろうとする。逃したくない。
「っ……あ……はっ」
人差し指が乳首をつまむ。指と指に挟んで、唇に含む。卑猥な音を立てて、乳首を吸われて、びくん、びくんと奥がわなないた。とろり、と蜜が太腿を伝い落ち、シーツを汚す。
いきなり、腰の動きが早くなり、衝撃に涙が溢れる。
「だめ……イッちゃうから……!」
「イケよ……」
エドウィンは、脚の小指を折り曲げ、身体を弛緩させた私を見届けた後、自身を抜いた。
腹部に吐き出した熱いものを、彼は、丹念に拭き取り、私の隣に横たわる。
こんな風じゃなく抱かれたい。それは、彼と結婚すればかなうのか。
乳房を押しつけるようにエドウィンに抱きついた。この屋敷にいる限り、私たちは一緒になることはできない。私は伯爵家のメイドであり、彼は執事として伯爵に仕える身。
伯爵家に買われる形でメイドになった私を妻にして、ここを出ることはできないのだ。
「……っ」
「お前の涙が止まるなら、朝まで何度でも抱いてやるから」
「ねえ……エディ……もう一度抱いて」
大胆に腰を押しつける私に苦笑し、エディは押し込むように、私の蜜壺に衰えていない自身の熱を突き入れた。
「あっ……ん」
横から穿たれ、乳房を揉みしだかれる。
長い指が乳首とふくらみを押し包む度、私の蜜壺は疼きを増すようだった。
「エディ……」
荒々しく揉まれて乳房は形を変える。蜜壺で動く彼の力強さに、うっとり、とした心地になった。
自らも腰を揺らし、彼を受け入れる。首筋を流れる滴をエディが、舌で掬い、熱いキスの刻印を残す。ちゅ、と頂きを啄まれ、ぶるりと震える。
「大好き……あっ……ん」
荒々しく舌が入り込んでくる。自らも舌を差し出し絡めあった。
抱きついて、腰を押しつける。より彼を深く感じたくて、対面で抱き合った。そして、下から突かれては、途切れ途切れに喘がされる。


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