「あ、ッ……」
シュミーズの紐が手際よくほどかれ、するりと頭をくぐってベッドの下に落ちる。白く、ほっそりとした身体にしては意外と豊かな胸が露わになった。
ベッドに横たわった姿勢のソフィアは頬を染め、震えた。思わず両手でその胸を抱きしめる。男性の前で、身体を露わにされるのは初めてのことだった。それに、
──やせっぽちのくせに、胸だけは大きいのね。まるで男を誘うかのようで、はしたないったら!──
義姉のマルタに、そう言われたことを思いだしたのだ。
けれどそんなソフィアの仕草に、彼は微かに笑うと、そっとペチコートと、ショーツにも手をかけた。そちらの紐も手早く外され、すぐに生まれたままの姿にされてしまう。ソフィアはさすがに恥ずかしくて、顔だけでなく全身を真っ赤にした。
「……!」
思わず顔を覆い、それだと胸を隠せなくなってしまって慌ててしまう。すると、その手を彼がそっと外してしまった。温かな感触だった。
「そんなに恥ずかしがらないでくれ。君は、とても綺麗だ……」
「え……」
真っ直ぐに彼に見つめられ、ソフィアの鼓動は跳ね上がった。短い間に二度も綺麗だと言われて本当に呆然としてしまう。けれど彼の瞳の真剣さに、震えながらされるままになった。
彼はソフィアの手を身体の上から降ろすと、手早く自分のベストと胴着を脱ぎ捨てた。途端、ソフィアの目は再び彼に吸い寄せられた。着やせする外見なのだろうか。やや細身に見えた彼の身体は、全身が鍛え抜かれた筋肉で覆われていた。厚い胸板と、割れた腹筋、そぎ落としたかのような腹部。首も腕も引き締まっている。そしてその胸元には、ペンダントのように、金鎖に通した金の指輪がかけられていた。
「……!」
ソフィアが彼の裸体に思わず見とれているうちに、彼はそのペンダントを外し、ベストの内側のポケットにしまうと、すぐに黒のボトムも脱ぎ捨ててしまった。その引き締まった腰から太もものライン、そして、ちらりと見えた男の証に、ソフィアはどきりとした。
と、彼がそっと、横たわるソフィアの上に覆い被さってきた。さすがに緊張して身を固くするその頬に、彼の温かな手が触れた。
「大丈夫だ。どうか身体の力を抜いて、俺に任せて欲しい」
言いながらもその視線はじっとソフィアに注がれている。真剣そのものの眼差しに、ソフィアは吸い込まれるような感覚を感じて小さく頷いた。すると、彼は再び唇を重ねてきた。すぐに舌と舌とが絡み合う。
熱くなったままのソフィアの身体は速やかに反応し、ぞくぞくと心地良い感触が再びこみ上げてきた。彼女は無意識のうちに、わずかに両足を開き、その間に彼を受け入れるような姿勢になっていたのだ。覆い被さる彼と、肌と肌とが強く触れあう。
と、彼が微かに呻いたかと思うと、いきなり唇を離した。
「え……」
何か、自分がまずいことをしたのかとソフィアは不安になった。だが次の瞬間、彼はソフィアの額や頬、顎、首筋、そして胸元に、キスの雨を降らし始めた。まるで唇だけでは足りないと言いたげな、熱烈なものだった。ソフィアの白い肌に触れる度にその熱い唇の感触が伝わってくる。
「あ、あンッ、……!」
ソフィアはその感触に身を震わせた。が、次の瞬間、胸の突起を強く吸われ、びくんと激しく身体をしならせた。じゅん、と強い快感が一気にこみ上げてくる。今までとは違う急激な感覚だった。同時に、もう片方の胸を彼の手に捕らえられ、そちらの胸の突起を手の平のくぼみに包み込まれて、ゆっくりと、だが確かな動きで揉みしだかれる。
イラスト③入る
「あぁッ……。そ、んな……」
ソフィアは目を固く閉じ、激しくかぶりを振った。白金の髪がさらさらと枕に広がる。けれど彼は片方の突起を唇から離さず、執拗に愛撫を続けている。強く吸い上げた後、固く張り詰めたその感触を確かめるように舌先で転がし、ごくわずかに歯を立てる。そしてもう片方の手も、胸から離れず、執拗に愛撫を続けている。
──こうされると、こんなに、気持ち、いい、なん、て……──
目を閉じたまま、うっとりとソフィアは思う。いつの間にかかぶりを振るのも忘れてしまった。ただ彼の愛撫に、されるままになっている。既にひそかに濡れていた身体の奥の花芯が、新たな快感にひくひくと震え、さらに蜜が溢れた。蜜はとろとろと流れ出て、花びらまでをぐっしょりと濡らしていく。その感触がはっきりと自身にも伝わってきて、ソフィアは心地よさとともに、恥ずかしさに消え入りそうになった。義母や義姉の意地悪な言葉がまたしてもよみがえってくる。
──私、本当はすごく、淫らな身体なのじゃないかしら……──
けれど恥ずかしく思うほどに、一層快感も強く感じてしまうようだった。そしてその濡れた感触が、足を密着させている彼にも伝わったらしい。彼はふと顔を上げ、こちらを見て嬉しそうに微笑んだ。
「君は、俺に感じてくれるのか……?」
言われてソフィアはまたしても真っ赤になったが、嘘をつくのが嫌で頷いた。
──だって貴方は、本当に素敵だから……──
そう言いたかったが恥ずかしくてできない。代わりに、ソフィアはそっと、彼の背に自分の腕を回した。けれどそれで十分に想いは伝わったらしく、彼はさらに顔をほころばすと、自身の身体をもっと下の方へとずらしていった。胸の下のみぞおち、臍(へそ)のくぼみ、そして足の付け根へとキスが重ねられ、ゆっくりと足が広げられる。
「きゃ……!」
その白い内股に口づけられ、ソフィアは思わず声を上げてしまった。不快の為ではなかった。そうされた途端、ぞくりとまた、強く心地良い感覚がこみ上げ、花芯から蜜がさらにあふれ出してきたからだ。恥ずかしさに思わず足を閉じそうになる。だが彼は優しい仕草ながら、それを許さなかった。そのまま足を左右に大きく押し広げられる。そして、花びらを指先で押し分けられ、花芯にそっと触れられた。
「ンッ……! あ、ンッ……」
痺れるような快感がこみ上げ、ソフィアは捕らえられた魚のように、びくんっ、と身を震わせた。初めて花芯に直接触れられて、今までとは別種の快感がこみ上げてきたのだ。触れられた箇所からではなく、身体の奥底からわき上がってくるかのような……もともと、ソフィアの中にあって、奥深く眠っていたものが呼び起こされたかのような快感だった。
ソフィアは自分でも驚いて目を見張った。花芯からは蜜が止
めどなくあふれ出して、白い内股を濡らすほどになっていた。その花芯を彼の指先がそっとまさぐり、小さく円を描くようにして愛撫する。すると快感がさらにわき起こってくる。
「あ、あアッ……。そ、そこ、は、だめッ……」
自分がどうなってしまうのかわからずに恐くて、ソフィアは懸命に言った。だが、想いとは裏腹に花芯からはさらに蜜があふれ出し、彼の指先をしっとりと濡らしている。
「綺麗だ。花が咲き始めたかのようだ……」
「……ッ!」
彼がそう言いながら、そっと花芯の中に指を差し込んだので、ソフィアは小さくあえぎ声を漏らした。けれど花芯は与えられた刺激に素直に応じて開き、するりと彼の指先を呑み込んだ。
「あ、あッ……」
ひくひくと花芯が動き、指を呑み込もうとする。自分のあまりに速やかな反応に、ソフィアは驚きを隠せなかった。
「痛い、か……?」
彼が顔を上げ、問いかけてきた。ソフィアは顎を引くようにして彼を見て、懸命にかぶりを振った。
痛みは無かった。むしろ花芯を押し分けられ、内部に触れられ、擦られたことで感じていた快感がさらに増し、ソフィアは言葉が出せないほどだったのだ。直(じか)に、もっとも感じやすい部分に触れられると、こんなにも心地よく感じるのかと思った。
──すごく、気持ち、いい……──
うっとりと彼を見つめて、そう思う。途端、ふいに彼が顔を歪めた。どうしたのか、まずい態度をとってしまったのかと慌てた。何しろこんな経験は初めてだったからだ。けれど彼は言った。
「そんな顔をされたら……もう、私も止められなくなる」
「え……」
ソフィアが目を見張ると、彼はそのまま身を起こし、静かに、だが断固として彼女の身体に覆い被さってきた。
「あ、ッ……」
その動きにソフィアはびくりとした。彼の男の証が、自分の太ももの辺りにまた触れたからだ。先ほどよりもさらに固く怒張して、張り詰めているのが感触でわかった。
──え、これを……?──
途端にソフィアは不安になった。指もやっとなのに、こんな精悍な男の証を受け入れることができるはずがない。思わず哀願するような眼差しで彼を見た。
「ンッ……」
その時、彼がまた、ソフィアの唇をふさいだ。舌をゆっくりと差し入れてソフィアの舌を、頬の裏側の粘膜を、さらに口の奥に至るまで丁寧に愛撫する。その動きで再び身体が密着し、感じている胸の突起がまた強く擦れ合う。
既に何度もそうして愛撫されていた身体は、すぐにまた心地よさを感じて熱くなった。それに彼の舌の動きは優しく静かで、ソフィアの心を安心させようとしているかのようだった。その動きに安堵がこみ上げ、心地よさと相まって、不安が消えていってしまう。手が自然に伸びて、彼の腕にそっと触れた。さらに足が緩み、新たな蜜が花芯からあふれ出す。
彼がふいに唇を離した。ソフィアは自分の唇が濡れ、熱を帯びているのに気付いた。彼はじっとソフィアを見つめ、言った。
「どうか、私を信じてくれ」
黒く輝く、黒曜石のような瞳の中に、自分の姿が映り込んでいるのをソフィアは見た。
「君を傷つけることは絶対にしない。だから、どうか……」
「あ……」
その真摯(しんし)な瞳と声に、ソフィアは震えた。何故か、亡くなった父と一緒にいる時のような安らぎを感じた。
「──はい……」
ソフィアは頷いた。途端、彼は嬉しげに顔をほころばせた。これまでずっと年上の男らしく、頼もしく、優しい視線で自分を見ていた筈(はず)の彼が、何か少年のように可愛い印象に見えてしまう。
けれど次の瞬間、強く自分を抱きしめた腕は、明らかに力強い男のものだった。そして足に触れた、男の証も。
彼は再び下に手を伸ばし、ソフィアの花びらをかき分けた。指先で花芯に触れ、愛撫する。
花芯は震えながらも、先程触れられた時よりも簡単に開き、さらに、吸い付くようにして指を受け入れた。自分の反応にソフィアは真っ赤になった。けれどそれよりも彼に強く惹かれ、与えられた心地よさに心が押し流されていった。
すると、彼はソフィアの片手を取り、背中に回させる。そして足をさらに開かせると、すでに濡れそぼっていた花芯に、自身の雄根を押し当てた。
「──!」
ソフィアは身を強ばらせた。雄根は、指とは比較にならないほどに精悍で固く、そして熱かった。まだ誰も受け入れたことの無いソフィアの身体は、その感触に震えた。
彼の雄根は、花芯をゆっくりと、だが確かな動きで穿ってきた。それに呼応するかのように花芯はひくひくと震えながら大きく開き、懸命にそれを受け入れていった。
「あ、ぅッ……!」
あまりに強い衝撃に、ソフィアは思わずその青い目を固く閉じ、身をのけぞらせた。ほっそりとした身体が、吹雪に遭った白樺(しらかば)の若木のようにしなる。その唇から切ない悲鳴が漏れた。
力に満ちた雄根に、花芯の内部の肉襞を激しく擦り上げられる。最も感じやすい部分への刺激に、全身を貫くような強い快感が駆け抜ける。口づけや胸への愛撫、指を入れられた時とも比べものにならない激しい感覚だった。
「くッ、う……」
その時、彼の呻き声が聞こえた。その響きに、ソフィアははっと目を上げた。睫毛(まつげ)が触れあいそうなほど近くに、彼の顔が見えた。その瞳が熱くくすぶっているのに気付く。
「きつい、か……?」
食い入るように自分を凝視しながら、彼が聞いてくる。繋がっているところから、その声が震動となって直に伝わり、さらに快感を呼び起こした。
「あ……」
きつくない、と言えば嘘だった。何しろこんな体験は初めてだからだ。けれど彼に触れたことで感じている心地よさ、温もり、そして何より彼に何故か強く惹かれる想いが、それにまさった。ソフィアは懸命にかぶりを振った。そして自分からもう片方の手を彼の背に回した。息が上がって上手く言葉にできそうもなかったから代わりにそうしたのだ。両手で彼を抱きしめる。その動きでまた雄根が粘膜を擦り、快感がこみ上げた。
「……!」
彼は、まるでソフィアの想いは伝わったと言わんばかりにその身体を静かに引き寄せ、自分の身もさらに進めていった。
「あ、あぁッ……」
粘膜をさらに奥の方へと擦り上げられ、ぞくぞくと激しい熱さと心地よさがこみ上げて、ソフィアは声を上げた。指先が強く彼の背に食い込む。それに応えるように、彼がソフィアを抱き寄せた。
彼の熱くくすぶった、けれど愛しげにこちらを見る黒い瞳に、ソフィアは吸い込まれそうになった。その視線を受けると、一層心地よさと安堵がこみ上げてくるように感じた。
「く、ッ……」
「あうッ……!」
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