書籍情報

姫君は海賊にさらわれる【特別版イラスト入り】

姫君は海賊にさらわれる【特別版イラスト入り】

著者:森本あき

イラスト:三栗チコ

発売年月日:2014年10月03日

定価:935円(税込)

「海賊の掟ってやつを体に教え込んでやろうか」 海賊の儀式って、公開セックス!? 海賊カイルにさらわれたセス。反発するが、彼の厳しくも温かい言葉で、亡き家族への罪悪感が癒された。そして、どこか暗い影を宿すカイルの瞳の意味を知りたいと思った。だから船の雑用係になったけど――雑用係って、性欲処理係!? 逃れるためには、船長であるカイルの専属になるしかない。でもその儀式は、なんと公開セックス!! 「硬くなってきたな。気持ちいいのか?」シャツを引き裂かれ、恥ずかしくってたまらないのに強引にイかされちゃって…。淫らな儀式で海賊団に仲間入り。

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登場人物

カイル
海賊船の船長。
セス
17歳。

立ち読み

「んっ…」
頬を触っていた指がそのまま降りて、セスは思わずその手をつかんだ。もう一方の腕は、セスの腰に回っている。後ろから抱きかかえられる格好。つらかったらもたれかかってろ、とカイルはそっとささやいた。
「なめらかな肌だな」
カイルは、わざとみんなに聞かせるように声を大きくしている。あごや首や肩を撫でていた指が、さらに下を目指した。
きゅっ。
乳首をつままれて、セスの体がのけぞる。
「やぁっ…」
初めての感覚。そのまま、乳首を引っ張られた。指ではさみこまれて、乳首が、ぴん、ととがっていく。
「あっ…だめっ…やっ…」
体の中を、むずむずとしたものが駆けめぐった。自分を慰(なぐさ)めているときよりも、もう少し弱い、だけど、はっきりとした快感。
乳首を触られているだけなのに。
セスはぼーっとし始めた頭で考える。
それも、片方の乳首をいじられているだけなのに。
どうして、こんなに、気持ちいい、と思ってしまうのだろう。
「硬くなってきたな。気持ちいいのか?」
カイルは意地悪く言った。
分かってる。これは見せつけるためなのだから、そうやってあおっていることは分かっているけれど。
恥ずかしくて、セスは思わずうつむいてしまった。耳元で、低い声でささやかれる。
「顔を見せてろ。おまえの感じてる顔を、な。俺の言う意味、分かるだろ?」
セスはうなずいて、また前を向いた。視線を上に向けて、甲板を見ないようにする。
「反対側もいじってやろうか?」
とがった乳首をたわむれるように指で弾いていたカイルが、聞いてきた。セスは何も答えられない。
まだいじられていないほうの乳首は、まるで連動するようにじんじんしている。
いじってほしいのかもしれない。
だけど、もうこれ以上の快感はほしくない。
「なあ、もっと気持ちよくしてほしいんだろ?」
あおるような言葉。それと同時に、乳首をひねられた。
「いやぁっ…」
セスの声が、一段と高くなる。
ごくり、とだれかのつばを飲む音が聞こえた。
見られている。
この行為は、みんなに見られている。
そう、見せつけるためにやっているのだ。
「反対も、こうやって真っ赤にしてほしいんだろ?」
「…いじって…」
セスはわざと甘えるような声を出した。
「もっ…我慢できなっ…」
体をくねらせると、ひゅう、という口笛も聞こえる。
「かわいいこと言うな」
からかうような口調に、セスは後ろを振り向いた。カイルがウインクをしてきて、合格、と唇の動きだけで告げる。
セスはほっと息を吐いた。
「でもな、片方だけじゃ不満だろうから、両方いじってやるよ」
腰を押さえていたほうの手を、今度は上に滑(すべ)らせた。まだピンクの乳首を、ひねるようにつままれる。
「やっ…」
セスは、ぶんぶん、と首を振った。二つともいっぺんに触られると、さっきまでとは比べものにならない快感が走る。

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