書籍情報

囚われの聖騎士~凌辱の檻に堕ちて~【書下ろし】

囚われの聖騎士~凌辱の檻に堕ちて~【書下ろし】

著者:早瀬響子

イラスト:有馬かつみ

発売年月日:2014年10月17日

定価:990円(税込)

最悪の恋をしてしまった ――もしかしたら、俺はあの時から既に彼に惹かれていたのかもしれない 豊かな黒髪としなやかな身体を持つ水原戒は、レーデル王国のエドワード4世に忠誠を誓う騎士だった。ある日、若き国王ライオネル一世が率いる北隣の大国、アダマンティアが侵攻してくる。国王を逃がすため、囚われの身となる水原戒。城の地下牢で鎖に拘束される戒のもとに現れた、堂々たる体躯と、白金に近い金髪を獅子のようになびかせたライオネル一世。彼にされる今までに経験したことがない甘い淫らな拷問に耽溺していく戒は。

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登場人物

水原戒(みずはら かい)
19歳。ヨーロッパ北部の王国レーデルで、エドワード4世に忠誠を誓った騎士。有能で剣の腕もたつ。すんなりとして細身だがよく引き締った身体を持つ。
ライオネル1世
25歳。アダマンティアの新国王。長身の堂々たる体躯。白金に近い金髪。精悍な顔立ちで、蒼いダイアモンドのような目を持ち、上質な黒の軍服とマントを身にまとう。

立ち読み

「──大した強情者だな。まだ、言わぬか」
やがて、ようやくライオネルが手を止めた時、戒の身体は幾つもの傷で覆われ、血がにじんでいた。全身を痛みで覆われているかのようだった。その髪を再び掴まれ、顔を上げさせられる。
戒はぐったりと閉じていた瞳をかろうじて開けた。ライオネルに向けて声をふり絞る。
「存じ、ませ、ん……」
「……」
その時、彼の瞳がまたこちらを見た。その視線は戒の顔を凝視した後、這うように全身に注がれていった。再び視線が合った時、そこには別の光が浮かんでいた。
「違う手を使うか。……こちらの方が楽しめそうだ」
手を放し、戒の血のついた鞭を傍らのテーブルに投げ出す。そして一旦身を離した。
戒は思わず床に倒れそうになったが、両手の鎖がそれを許さなかった。荒い息が口から漏れる。今度は何をされるのだろう。だが死んでもエドワードの行方を話すまいと思った。
「えっ……」
──その時、ライオネルは思いもかけない行動に出た。彼は懐から小さな容器を取り出すと、その中身を指ですくって口に含み、いきなり唇を重ねてきたのだ。
「……っ!」
抵抗する間もなかった。彼の舌とともに、わずかに苦みのあるクリームのようなものが流れ込んできた。それはすぐに戒の体温で溶け、するりと喉の奥に滑り込んでいった。
まず押し込まれた舌の感触と、さらに喉に滑り込まされたものに戒は愕然(がくぜん)とし、懸命に首を振った。けれど顎を掴まれ固定されてどうにもならない。それが何かわからないまま、戒が必死に飲み込むまいとしているのに気づき、彼は舌をさらに深く差し入れ、戒の舌を押さえつけて強制的に喉を開かせた。
「んっ、う……」
戒はかすかにうめいた。意志に反して、丸二日食事も水も与えられていなかった身体は、流れ込んできたものと、ライオネルの舌とをすぐに受け入れてしまった。
こくりと喉が鳴り、飲まされたものが体内へと滑り降りていく。だがそれでもライオネルは唇を離さなかった。蒼い瞳が触れ合うほど近くで戒を見つめ、一瞬驚いたように瞠られた後、満足そうに細められ、ゆっくりとその口中をまさぐっていく。 戒は思わず震えた。水分を欲していた口の粘膜は、意に反して吸いつくように彼の舌に応じてしまった。ライオネルの舌は熱く、戒の舌先を嬲(なぶ)り、顎の裏を擦って歯茎をくすぐり、戒の舌の根本を噛んで再び吸い上げてくる。
舌と舌が強く触れ合った時、戒の背にぞくりと何かが走った。今まで感じたことのない感覚だった。戒は思わず身を捩(よじ)らせた。
「……っ!」
その時、いきなりライオネルが唇を離した。荒い息をつく戒を見て、笑みを浮かべる。
「驚いたな。まともな口づけも知らんのか。……だがいい反応だ。話が早い」
「え、……!」
その言葉に戒は顔を上げ、びくりと身を震わせた。
ライオネルは再び、先ほどよりさらに多めに容器の中身を指先にすくい取ると、鎖に繋がれたままの戒の身体を引き寄せ、もう片方の手で股間の下着をむしり取った。そして戒が驚いている間に傍らの小卓に容器を置くと、戒の剥(む)き出しにされた尻に両手を回した。そして、有無を言わせぬ荒々しさで、その白い双丘をぐいっと限界近くまで割り開いた。
「なっ……、くぅっ……!」
奥に隠れていた秘孔をいきなり晒(さら)され、さらに指を押し込まれて戒は愕然とした。予想もしていないことだった。ライオネルの指にたっぷりと付着していた薬が、ぐいぐいと容赦ない動きで戒の内部の肉襞に塗り込まれていく。 「やめっ、あ、ぁッ……?」
目を固く閉じて大きくかぶりを振り、両手首を拘束された格好でもがいていた戒は、思いもかけない責めにはっと瞳を開き顔を上げた。彼の指の動きに、自身の内部の肉襞がひくん、と大きく震えて反応したのだ。まるで彼の指に嬲られることを歓ぶかのように吸い付き、絡みつく。
「あ、あンッ……」
やがて秘孔からずるりと彼の指が引き抜かれた時、自然と唇から声が漏れ、戒は愕然とした。それは明らかに名残惜しげな声だった。しかも秘孔はひくひくと動き、退いたライオネルの指を恋しがるかのように震えている。その指先で薬を塗り込まれたとたん、肉襞は熱くなり、震え、うずうずと疼(うず)き始めた。そして同時に同じものを飲み込まされた内臓からも、何か甘い、痺(しび)れるような感覚がこみ上げてきた。さきほどの口づけされた時に感じた感覚に似ているが、遥かに強い。
戒は愕然とした。それは劣情だった。性的な、それも強い欲望を身体が感じている。
その感覚は、吸収された箇所から背骨の付け根へと吸い込まれ、そこから這い上がり、見る見るうちに全身にいきわたった。鞭で傷ついた筈の身体が痛みとは違う感覚に包まれていく。痛みは薄らぎ、同時に熱に浮かされた時のような、熱さを伴うふわふわとした感覚が全身を包んだ。
戒は呆然(ぼうぜん)とした。何故こんな行為で、それも彼が相手でこんな反応をしてしまうのか。
「ほう、もう効いてきたか」
「な、何を飲ませ……」
聞きかけたところで、戒はさらなる身体の変化にびくっと震えた。ぞくぞくとする心地よい感覚が立て続けにこみ上げて広がっていく。それが身体中を熱くさせると同時に頭をぼうっとさせていった。さらに、剥き出しにされた胸の突起や股間の牡茎を反応させ、びくびくと脈打たせ始めたのだ。敏感な部分の反応に思わず身をすくめる。こんな感覚は初めてだった。 「催淫剤だ。こうした責め方もある。体内と下半身と同時に塗り込んだから効き目はてきめんだろう。下からの方が吸収し易いだろうな」
ライオネルはさらに薬を指にすくい取りながら、笑って答えた。戒は愕然とした。ライオネルはそれをよそに、容器をまた一旦置くと、すぐに自身の身体の向きを変え、後ろから抱きすくめてきた。同時に、その両手が胸の突起を一度に捕らえる。そして突起を親指の腹で強く押し潰し、そのまま円を描くようにして淫らな薬を塗り込んでいった。
「ンッ、ンンッ……」
既に感じていた突起とその周囲の粘膜は速やかに淫らな薬を吸収し、たちまち感じやすく腫れてひりひりと熱を持った。そこを強く嬲られて戒は思わず切なく漏れる声を懸命に押し殺した。ライオネルの手の動きにつれて、信じられないほどの心地よさを感じてしまう。

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