「どうした?」
「本当に、俺とやりたいんだ……」
「さっきから言っているだろう。信じてなかったのかよ」
「そんなこと信じられるわけないでしょうが」
「おまえ、本当に純粋培養(ばいよう)だな」
「悪かったですね」
「いいや。喜んでるの」
「馬鹿……」
「さぁ、もっと俺を感じろよ」
ねだられてしかたなく、彼の肩口にもう一度顔をつけた。
「なぁ、抱き合っていると気持ちいいだろう」
「……」
違うとは否定できない。身体はやるせなくて昂ぶり始めていた。
「やっぱさ、好きな奴と抱き合うって最高だよな」
しみじみと彼はそんなことを言う。
「俺のこと好きなんですか?」
「あのな、さっきから言っているだろうが。信じてなかったのか?」
彼は少し怒った顔で文句を言った。
「俺たちはこの前会ったばかりですよ。まさか、一目惚れだなんて陳腐(ちんぷ)なセリフを言うんじゃないでしょうね」 「言ってほしいわけ?」
「俺はそんなに夢見がちな年頃ではありません。記者は現実を直視すべきだと教えられました」
「つまんねえ奴」
「誰がですか?」
怒って俺は彼の背中を引っ掻く。
「痛いって」
「俺にはもっと痛いことをするくせに」
「やってみなければわからないだろう。気持ちよかったらどうする」
「いいわけないでしょう!俺のその……あそこに、それをその……」
「おまえの中に、俺のこれをねじ込んでヒイヒイ言わせたい」
「あんたね!」
怒って睨むと、彼はクスリと笑った。
「だから言っているだろう。優しく愛してやるって。なにしろこの俺が七年間も純愛していたんだからな」
「え……?なんですかそれ?」
「だから諦めておとなしく俺のものになれよ」
「ちょっと小日向さん!」
俺はわけがわからず聞こうとしたが、彼はそれには答えず、いきなり俺を離して身体を起こす。
「さ、抱き合うのは嫌じゃなかっただろう。キスは大丈夫だったよな」
「えぇ……まぁ」
「さっき俺に抱(だ)かれていったから、さわられるのも嫌じゃない」
「それは……」
「じゃ、次は舐められて気持ち悪いかどうかだな」
彼はクスリと笑ってそう言うと、いきなり俺の足を大きく開かせようとする。
「小日向さん!」
「さぁ、いい子だから。おまえのいいところを全部俺に見せて」
「待って!やっぱり嫌だって!」
だが、彼は俺が止めようとするのもかまわず、俺の足を強引に開かせると、そこにいきなり顔を埋めた。
「い、嫌だぁ~!」
俺は思わず驚いて叫んでいた。だが、彼は舌の先で俺の股間を舐めだしたのだ。
ねっとりとした舌の感触に俺は肌を震わせた。それは経験のない俺には強烈な刺激だった。
袋を手で柔らかく揉みながら、彼は俺の産毛(うぶげ)を舌の先で梳(す)き上げていく。
そのままヌルヌルになるまで舐める。俺はだんだん身体が熱くなり、息をするのさえ苦しくなっていった。俺のペニスは感じだしてまた力を漲(みなぎ)らせる。
すると彼は、それを舌で根本から先端へと丹念に梳き上げた。
まるで俺を味わうように舐められ、先端を舌の先で突かれる。
濁流のような快感がそこから突き上げてくる。
彼は乱れだした俺を見て、嬉しそうに微笑んだ。
俺は我慢できなくなって彼の髪を夢中で掴んでいた。裏側をやんわりと甘噛みされて喘ぐ。
そのまま指で弄られていた袋をギュッと摘まれる。
「あ……っ!あぁ……!」
俺の胸は波のように揺れて、俺は全身で喘いだ。
そのうち、彼は俺のペニスをしゃぶりながら、俺の硬いそこを指で弄りだした。
それに気づいて俺は思わず腰を引こうとした。
だが、すぐに彼は気づき、強く銜えていたペニスをしゃぶる。
俺は腰を引き損ねて、快感にすすり泣きだす。
後ろを指で弄られながら、前をしゃぶられ続けた。
俺のペニスは彼の口の中でパンパンに勃起してくる。
その頃には、後ろに受け入れさせられた指は二本になっていた。
彼は銜えていたものを離して、俺に聞いた。
「ここ、弄られると痛いか?」
「……痛いのは痛いけど……なんとなくむず痒い」
「どこが?」
「中の方」
恥ずかしいのを我慢して答えると彼は頷いて言う。
「舐めていいか?」
「そんなこと聞くなよ!」
俺は真っ赤になって怒鳴った。すると彼は意地悪く笑うと、舌の先で入り口の襞(ひだ)を濡らし始める。