忘却の迷宮~黒騎士は姫君の愛を取り戻す~【第二話配信】

【第二話】 黒の公爵は淫らな指先と熱い想いで姫君を抱きしめる

 著作:赤城まや イラスト:かんべあきら

 

「……!」

ユリアナは思わず身を竦めた。花芯に、ミヒャエルの指先が触れたからだ。そこは既に密かに、身体から溢れ出す蜜でぐっしょり濡れていた。

ぞくん、と快感が触れられた部分から走り抜けると同時に強い羞恥がこみ上げた。改めて自分がどんな格好をしていたか思い知らされ、固く目を閉じる。

恥ずかしい、と今までで一番強く思った。心地よさのまま、彼にされるままにあられもなく足を開き、最も隠すべき部分を晒しているのだから。──しかもそこは今、蜜で淫らに濡れている。

「感じて、いるな……」

その時、低い声でそう言われてはっと目を開けた。ミヒャエルの黒い瞳に、またも間近で見つめ返される。だがその瞳は自分の姿を揶揄していなかったし、好色な表情を浮かべてもいなかった。先程の笑みとも違う、ひどく真剣な眼差しでこちらを見つめている。

またしても胸が跳ね上がった。ミヒャエルは身を起こすと脇の小卓に置いた清潔な布で手を軽く拭い、ユリアナの首から下がったままのサファイアのペンダントをそっと外し、小卓に置いた。

彼は確かに、それを一度、凝視したように見えた。だがユリアナは、ただされるがままになっていた。彼の手が優しく触れる感触が、とても心地よく感じてしまう。

「そのまま、じっとして。身体の力を抜いてほしい……」

ミヒャエルに再び囁かれ、ユリアナは思わずこくりと頷いていた。抵抗するつもりはもうなかったし、それ以上に自分は確かに心地よさを感じていた。そして確かに、彼に魅了されていた。なんて綺麗な、晴れ渡った夜空のような瞳だろう……。

ユリアナの、まだ不安と恥ずかしさを滲ませながらも素直な仕草に、ミヒャエルはまた微笑みを浮かべた。そしてその首筋に口づけし、軽く歯を立てた。同時に左の乳房を捉え、大きな手で包み込むようにして愛撫する。その唇や指、手の平から痺れるような心地よさが新たにこみ上げてくる。

「あ、ンッ……」

それぞれ感じやすい部分を刺激され、ユリアナはひくりと喉をのけぞらせた。ミヒャエルは彼女の喉に、胸に、口づけを繰り返し、濡らしていきながら下へと身体を移動させていく。時折、彼女の腕の内側や胸の突起など、感じやすい部分に軽く歯を立てる。そのたびにユリアナはジン、と刺激を感じ、震えた。心地よい感覚に全身が包まれていきながら、時々少し強い刺激を与えられる。それで一層、うっとりとしてしまう。

──どうして? この人はほんの少し前まで、私を恐ろしい勢いで問い詰めてきたのに。そして私は、彼が怖くて怯えていたのに……──

ユリアナはそっと彼を見た。彼は熱く、そしてひどく真剣な眼差しで彼女とその身体を見つめ、愛撫を繰り返していた。次第に自身を下へとずらしていきながら、どこか切迫したような仕草で、舌で丹念に、執拗に彼女の肌に触れていく。歯を軽く立て、唇で吸った箇所には微かに赤い花びらのような痕が残った。まるでユリアナの身体に、自分が触れた証を刻みつけるかのように。

「ンッ、あンッ……」

だが行為に痛みは無く、ユリアナはされる度に小さく甘い声を上げてしまった。行為そのものもだが、ミヒャエルの丹念でありながらどこか激しいその仕草に、心が強く揺り動かされるのがわかる。

ミヒャエルは今、ユリアナの腰に両手を回し、軽く浮かせてその肌を執拗に愛撫していた。に口づけ、華奢な腰骨に歯を立て、臍に先を尖らせた舌を差し入れてこじる。そのたびにユリアナは切なく身をくねらせた。蜜壺が火照り、脈打って、そこから蜜がとめどなく溢れていくのがわかる。花芯と花びらはすでにぐっしょりと濡れそぼち、白い内股まで溢れる感触があった。

──どうして私を、こんなに……──

「ンッ……!」

巡らせかけた想いは、与えられた快感で途切れた。臍の下、蜜壺を隠した柔らかな三角の膨らみにミヒャエルが軽く息を吹きかけたのだ。淡い柔らかな茂みがそよぎ、蜜壺をやんわりと刺激されてユリアナは思わず身をしならせる。蜜が更に溢れ、肌が濡れるのがはっきりとわかった。

その愛撫で足がさらに開いてしまう。ミヒャエルはそれを見て取ると、先程触れたよりも大きく、ユリアナの太腿をはっきりと押し広げた。そして、再び濡れた花びらを指先で開かせ、今度は明らかにわかる仕草で、その中に隠されていた花芯を愛撫し始める。

「きゃ……! ──あ、あァッ……」

思わず声を上げた。ミヒャエルは花芯の先端のくぼみに触れ、指先で軽くつつき、くりくりと転がすように愛撫してきた。最も感じやすい部分に触れられ、ジンジンと絶え間なく刺激的な快感がこみ上げる。新たな、直接的な刺激に蜜壺は火照り、さらにとろとろと蜜を溢れさせる。ユリアナは、花芯とそこに繋がる茎とが一層熱くなり、ひくひくと震えるのを確かに感じた。

と、彼女が激しく反応するのに気付いた様子で、ミヒャエルがさらに情熱的に指を動かしてくる。先端を擦られ、蜜を塗りつけられて、ユリアナは開かされた足を震わせた。白い指が反り返る。

「あ、あうッ……」

甘く切ない声とともに、花芯の先端のくぼみが耐えかねたように開き、彼の指先に吸い付く。

「……! あンッ、そんなッ……」

彼の指がゆっくりとその内部に滑り込んでくる。ユリアナは流石に驚いて声を上げた。だが彼女の花芯は、蜜でたっぷり濡れている為なのか、意外な程に抵抗なくその指を受け入れていった。

内部の肉襞が、震えながらも開き、彼の指に吸い付く。まるで、彼を受け入れることを望んでいたかのようだ。内部の熱く濡れた肉襞が彼の指に擦られ、刺激される。ぞくぞくと快感がこみ上げ、その指を包み込んだ感触にユリアナは身を竦めた。思わず右手を伸ばし、彼の背に触れる。

「ンッ、あ……。違、うッ、もっと……」

──えっ……!?──

その時、口から、ごく自然に漏れたその言葉に、ユリアナは呆然と目を見開いた。自分は一体、何ということを言ったのか。しかも彼にすがりついてまで。

だが、事実だった。擦られ、刺激されたユリアナの花芯の内部は切なく脈打ち、何かを激しく求めていたのだ。彼の指を受け入れている花芯や茎、そして蜜を送り込んでいる蜜壺はさらに熱く火照り、ひくひくと脈打ってユリアナをかき立てていく。

「欲しいか、ユリアナ……」

「あっ……」

彼女の声を聞いたとたん、ミヒャエルはさっと顔を上げ、こちらを見つめて低く囁いてきた。ユリアナは頬を染めた。だがその『欲しい』という言葉は、彼女の突き上げるような想いにぴったりと合っていた。さらに、

「俺も、欲しいのだ。いい、か……」

何か急くように、ミヒャエルが言ってきた。そしてユリアナは、はっきり彼に頷いていた。

「……」

──ミヒャエルは唇をほころばせた。そして、ゆっくりと指を引き抜く。

「あ、ンッ……」

すがりついていた肉襞を、逆向きに擦られ、離されて、ユリアナは思わず切ない声を上げた。どくん、と茎や花芯が脈打ち、蜜がさらに溢れ、シーツやユリアナの白い内股を濡らしていく。恥ずかしさと快感とに翻弄され、ユリアナは火照る身体を持て余すように枕に横顔を埋め、喘いでいた。息がひどく荒くなっていた。

と、微かに布の擦れる音に、ユリアナははっと顔を上げた。ミヒャエルが着ていた服を脱ぎ捨てていた。茶のウールの上着を脱ぎ捨て、下に着ていたハイネックのチュニックを下着と一緒にはぎ取る。とたんにその日に焼けた、精悍な身体が露わになる。着やせするなのだろうか、その肩や腕は、鍛え上げられた筋肉に覆われ、胸板も厚かった。

「……!」

ユリアナは思わずその姿に見とれ、それからはっとした。彼の全身には、あちこちに傷痕が残っていたからだ。特に右の胸に、斜めに横切った痕が、引きれたようになって白く、はっきりと残っていた。

──戦場で受けた、傷かしら……──

彼が今の国王、ゴッドフリード一世と、他国との戦いでを並べて戦ったことは聞いていた。それが激戦だったことも。それらの傷は、彼の精悍さを一層際立たせていたが、ユリアナはそれが痛々しく見えて、思わずそっと手を伸ばしかけていた。

「──!」

とたんに、ミヒャエルは彼女の手を押さえ、再びその太腿に手をかけて、さらに押し広げた。そして穿いていたサージのズボンも、下履きと一緒に蹴り脱ぎ、逞しい雄根を露わにさせ、ユリアナが頬を染める間もなく、ゆっくりとその身を沈めてきた。

「──ッ……!」

ミヒャエルの雄根が、花びらを大きく広げ、花芯にあてがわれてくる。彼の優しく低い声とは裏腹に、それは鋼鉄のように固く怒張し、しかも熱く脈打っていた。その先端には、僅かに露が滲んでいる。ユリアナは目を見開き、息を呑んでミヒャエルに顔を向けた。彼は黒い瞳に、今まで以上に強い光をたたえてこちらを見つめ返してくる。

「ま、待って、そんな、無理、ッ……」

先程触れた時、その熱さや精悍さを感じてはいた。だが実際、それを花芯にあてがわれた時、その実態がはっきりと伝わってきて、ユリアナは思わず身震いし、そう口走ってしまった。そして自分の言葉の生々しさに思わず唇を押さえる。

だがその声にミヒャエルは微かにまた、笑みを浮かべた。何かひどく愛しそうな眼差しだった。

「大丈夫だ。じっとして……」

ミヒャエルは、ユリアナに負担をかけないようにその身体に覆い被さると、再びその首筋に、胸に、鳩尾にと唇と指先で愛撫を始めた。既に彼の濃密な愛撫を受けて、すっかり敏感に、感じやすくなっていたその身体は、すぐにまた反応し、柔らかく蕩けていく。

「あ、やぁンッ……。そん、なッ……」

その愛撫の間、雄根は花芯にあてがわれたままだ。その為、彼が動く度に押し当てられた雄根の先端が花芯を刺激し、ひどく淫らな感触が伝わってくる。既にその部分は蜜と、ミヒャエルの先端からの露でぐっしょりと濡れている為か、クチュリクチュリと扇情的な、粘液質の音が響く。

──あ、そん、な……。私、おかしく、なってしまい、そう……──

雄根の先端で何度も花芯を刺激され、さらに同時に胸をとても心地よく揉みしだかれて、ユリアナは切なく身悶えた。感じやすい部分を一度に刺激され、翻弄されて、自分でも止めようのないあえぎがこぼれる。そして彼の黒い瞳はずっとこちらに注がれたままだった。その視線も、心地よい。

──その瞳で見つめられると、呪縛されたみたいに、動けない……──

「あ、ァッ……。だ、だめッ……」

ユリアナはかぶりを振った。ひくりと白い喉がのけぞる。ミヒャエルの愛撫を全身で受けた身体は、素直に柔らかく蕩けて開き、するりと、彼の雄根を自ら進んで呑み込み始めた。

その反応を待ちかねたように、ミヒャエルの雄根がゆっくりと挿入されてくる。花芯が限界まで開かされ、狭い茎の中の肉襞が、身体を揺さぶられるほど強く擦りあげられた。とたんに、頭の天辺から足の指先まで、稲妻のように快感が走り抜けた。

「──ひあぅッ……! ぁッ……」

指の時とは、比べものにならない圧倒的な精悍さで、彼の雄根が挿入されてくる。ユリアナは思わず身を竦ませた。だが与えられる衝撃と同時に、肉襞を擦りあげる突き上げてくるような快感があり、さらに彼の熱さと力強さが、脈打ちとともに伝わってきた。それら全てが、頭の中が真っ白になるような、心地よい感覚だった。

「ユリアナ……。きつい、か……」

その時、ミヒャエルが問いかけてきて、はっと彼を見た。ミヒャエルの瞳が、間近にあった。その問いかけてくる言葉が、身を繋げているためか直に身体に響き、それも刺激になってしまう。

ミヒャエルはユリアナの背に手を回し、ゆっくりと、だが決してためらわない力強さで、彼女の中に身を進めていた。その瞳は熱く燻り、やはり、彼女をじっと凝視している。

ユリアナはうっとりとその瞳に見とれた。黒い瞳の中に、自分が小さく映り込んでいる。彼に囚われてしまったかのようだと思った。けれどそれは、恐ろしいものではなかった。

「いいえ……」

精一杯声を絞り出し、かぶりを振る。するとミヒャエルは頬をほころばせ、ユリアナをさらに抱き寄せ、自分の身体を覆い被せてきた。

「あぅッ……。あ、アッ……」

ユリアナは小さく声を上げた。その動きで、ミヒャエルの雄根がさらに奥まで挿入されてくる。それが彼女の最奥に達し、一番深い、感じやすい部分を、その先端で強く、穿った。

「あ、ああッ……!」

ユリアナの足指が反り返り、背が若木のようにしなる。一瞬、自分の身体が全て、ミヒャエルで満たされたような錯覚に陥った。目眩がするような快感がこみ上げ、ユリアナは思わず彼の精悍な身体にすがりついた。それで一層、最奥を深く突かれることになった。肉襞が脈打つ。

「あンッ……。あ、奥に、ッ……」

「ユリ、アナ、くッ……」

その反応に、ミヒャエルの瞳が熱く輝き、自分を強く抱きしめるのを、ユリアナははっきりと感じた。挿入された雄根が、一層硬く怒張し、すでに限界に近くなっているのがわかった。それでさらに肉襞が押し広げられ、擦りあげられて新たに快感が伝わる。

その動きで、もう一度深く最奥を穿たれた時、ユリアナは与えられた衝撃と快感に、思わず瞼を閉じた。その瞼の裏が真っ白に灼ける。二人はそのまま、同時に達していた。

──あぁッ……。何だか、昇天してしまいそうに、気持ち、いい、ッ……──

体内に熱い男の迸りを感じながら、そのまま意識が遠のいていくのを、ユリアナは感じていた。そしてその時、耳元でミヒャエルが囁いた。

「頼む、どうか、思い出してくれ、ユリアナ……!」

その声は切なく、そして切羽詰まった響きがあった。だがその言葉を問いただすことも出来ないまま、ユリアナは意識を手放していた。
 

第二話 了

 

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