書籍情報

王子様の溺愛に囚われて【書下ろし・イラスト8枚入り】

王子様の溺愛に囚われて【書下ろし・イラスト8枚入り】

著者:大原一恵

イラスト:上原た壱

発売年月日:2017年7月28日

定価:972円(900円+税)

「僕はもうエナを裸にして、メチャクチャに愛したい」
大学2年生の奥沢英奈は、ある日留学生のエイドリアンと出会う。日本に慣れない彼の世話を何かとやく英奈にエイドリアンも懐き、良好な日々を過ごしていった。時は流れ7年後――広告代理店で働く英奈は突然インターンの教育係に任命される。やってきたアードリアンと名乗る青年、彼が美男子へと成長したエイドリアンだと気づいた時、「英奈に会うためにやってきた」と告白される。アードリアンの求愛に喜ぶ英奈だが、彼が本物の王子だということを聞かされ……!

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登場人物

◆奥沢英奈(おくさわえな)
広告代理店で働くキャリアウーマン。きつめの印象を与える奥二重だが、笑うと人懐っこく崩れる。正義感が強く、嘘が苦手。誰に対しても公平で正直なため人から好かれる。インターンでやってきたアードリアンの教育係を任せられる。
◆アードリアン・ブリュ
北欧の小国の第三王子。金髪に緑の瞳をしている。学生時代、身分を偽って日本へ留学し、英奈に面倒を見てもらった過去を持つ。英奈の会社のインターンを利用して英奈との再会を果たす。

立ち読み

広いスイートルームの居間で、彼は跪(ひざまず)いていた。豪華な絨毯に調度品の数々、少し浮世離れした部屋の中で佇む英奈(えな)を、シャンデリアの光が照らす。
そして、彼の金色の髪が光を弾いていた。綺麗だな、と英奈は思う。まるで、お姫様に愛を乞う騎士のようだ。
夢見心地で見詰める先で、彼が立ち上がって英奈を抱きしめる。
「君を、僕にください」
綺麗な笑みを浮かべて、彼は言う。王子様、とみんなが呼ぶ。金色の髪はくせっ毛で、睫までも金色。その睫に縁取られた緑の瞳は、真摯(しんし)な色を浮かべている。
「手、もう回してるのに」
間近な吐息に、かろうじてそう答えた。柔らかな外見のくせに、彼の腕はしっかりと彼女の腰をホールドしていた。
「ちょっと、がっついてます」
囁きながら、彼が耳元にキスをした。そのくすぐったさに首をすくめて、英奈は小さな溜息をついた。
「もういいでしょう?」
「何が?」
焦らすように言った英奈の頬にキスをし、唇の端を舐めながら、金髪の王子が言う。
「抱いても」
ストレートな言い方だった。彼がそんなふうにはっきりと言葉にするなんて思わなかったので、英奈は思わず至近距離で彼の顔を見返した。
「何?」
「……いつもと違う」
「いつもは、猫かぶってました」
「……でしょうね」
巧みな彼の指先は、英奈を抱きしめながら胸元を撫でている。悪戯をするような仕草で、確実に英奈の性感を煽ろうとしている。
「アードリアン」
それが彼の名前。正真正銘の王子様だ。でもその一方で、英奈を征服しようとしているひとりの男でもある。
押しつけてくる下半身は、すでに半分ほど勃ち上がっている。その強い欲望に、英奈はジリジリと炙(あぶ)られているような気さえしてくる。
少しだけ身体を離そうともがくと、さらに強く抱きしめられ、胸元に顔を押しつけられた。
「エナ、聞こえる?」
早鐘のような鼓動――欲望の奔流を必死に耐えているのだと言わんばかりの切羽詰まった声。それがなんだか愛しくて、英奈は彼の背中に腕を回した。
「聞こえる」
「僕はもう、エナを裸にして、メチャクチャに愛したい」
ストレートな言葉にクラクラする。今までに、ここまで英奈を求めてきた男がいただろうか。
「愛して……」
そう誘った。彼の背中に回した手に力を込めると、アードリアンはますます腕に力を込めて、英奈の顔にキスの雨を降らせた。
細い、けれど男らしい手で、力で、英奈の胸を揉みしだく。甘く溢れる吐息をすくい取るように、アードリアンは彼女の唇を丹念に舐め、耳朶をゆるく噛み、首筋にもキスをした。
英奈の身体の奥から、最初の快感の波がやってくるのを、彼は間近で見詰めている。
「アードリアン……」
自分を呼ぶ声が小さく震えたのを、彼は感じていた。右手を英奈の胸元で遊ばせながら、左手を背中から下半身へと滑らせていく。
「エナ、気持ちいいの?」
「……言わせるんだ?」
うっすらと目を閉じかけていた英奈は、瞼を上げてチラリとその綺麗な顔を見返す。アードリアンはニコリと笑って頷いたが、瞳の奥には獰猛な欲望が渦巻いていた。
「気持ちいいわよ」
「うん」
「……だから、早く脱がせて」
「はい」
彼女の言葉に、アードリアンは恭(うやうや)しく頷き、促すように視線を流す。つられて見た先には、寝室にある豪華なキングサイズのベッドがあった。
「えっ?」
背の高いアードリアンが屈んだ途端に、英奈は小さく抵抗する。
「無理無理無理!」
慌てて彼を突き放すように身体を離した。
なぜなら彼は、英奈をお姫様抱っこでベッドに連れて行こうとしたからだ。
「なぜ?」
「重いから」
体重を知られてしまうという羞恥もあったが、それ以上に、大人の女性をアードリアンが抱き抱えられるとは到底思えなかった。
「エナくらい、抱き上げられるよ?」
「……そんな華奢な身体で?」
すると綺麗な王子は、にっこりと笑って軽々と英奈を抱き上げてみせた。
「華奢じゃないです」
「……ホントだ」
英奈は認めざるを得なかった。彼が、とても綺麗で華奢に見えるとしても、身体はしっかりとした男であると言うことを。
「女性は、お姫様抱っこを望むものなんでしょう?」
「……相手によると思うけど」
そう返しながらも、英奈は彼の首筋に腕を回して身体をゆだねた。英奈を抱いて寝室に入るときにも、彼は重たそうなそぶりすら見せなかった。
そして、丁寧に、とても大切な物を扱うように、英奈をベッドの上に下ろす。
「抱かれ心地はいかがでしたか?」
いたずらっ子みたいに言う彼に、英奈は感心したような顔で言った。
「極上でした」
「すてきな乗り心地でしょう?」
「そうね……」
そろりと手を伸ばして、背中のファスナーを下ろそうとする手に協力するように、英奈は少し前屈みになる。
彼は丁寧に英奈の髪を避け、ファスナーを恭しく下ろした。スルリと腕を外して、下着姿になった英奈を、アードリアンはまじまじと見詰める。
「見ないで」
「見たいです」
「後ろ見てて、自分で脱ぐから」
「それは許されません。あなたも、さっき脱がせてって言った」
「……そうだけど」
その辺りは頑として譲らなかった。仕方なく、英奈は彼の手に自分をゆだねる。彼はゆっくりと丁寧に、英奈の下着を脱がせた。
「アードリアンは脱がないの?」
「僕の裸を見たいですか?」
見たい、と答えてから、英奈は手を伸ばして彼のシャツをパンツから引き出した。少し乱暴にボタンを外していく。
「エナは性急だ」
少し笑うような声が頭上から聞こえてきたが、その声に微かに興奮が混じっているのを英奈は聞き逃さなかった。
「アードリアン、興奮してる」
「そうです」
英奈は、上半身をはだけたアードリアンに組み敷かれた。アードリアンの高い体温に包まれる。雄の匂いが強くなったような気がした。
彼の掌が英奈の白い肌の上を這う。首筋を舐め下ろして、ゆるく揉んで突き立った乳首の先にキスをされると、英奈の吐息が少し濡れた。
焦らすような、それでいて巧みな愛撫に、英奈の身体がどんどん蕩けていく。今まで感じたことがないような快感が、体の内側から湧き出てくる。
それは際限なくあふれ出し、アードリアンの指先を濡らした。
「濡れてる」
少し感動したように言うアードリアンの唇を、英奈は自分の唇でふさぐ。
「言わないでよ」
「燃えない?」
「何で日本語勉強したの」
呆れた口調で言った英奈は、次の瞬間ハッと息を呑み、甘苦しい溜息を漏らした。アードリアンの指先が、英奈の内側に入ってきたのだ。
それはとても繊細な動きで、英奈の内側を侵していく。クチュ、と濡れた音が聞こえるたびに、英奈は耳からも犯されていく。
「ああ……」
彼の唇が突き立った乳首に触れる。ゆるりと舐め、強く吸われると、それだけで腰が揺れてしまう。
「エナ、綺麗だ」
彼の声に、エナが震える瞼を上げる。少し困ったような表情で、アードリアンが見詰めている。
「ふふっ……」
その顔が、お預けを喰らった犬みたいに見えて、英奈は少し笑ってしまった。欲望と、抑圧とが彼の中でせめぎ合っているのが、手に取るようにわかる。
「もっと、乱暴にしても大丈夫なのに」
英奈の誘惑にアードリアンは勝てない。彼女の身体に覆い被さると、嵐のような乱暴さで香り立つ肌を蹂躙した。
左の胸をきつく揉みしだきながら、右の乳首を舌先で転がし、緩く噛む。乱暴に脱いだパンツと下着が、ベッドの端からドサリと床の上に落ちた。
熱い彼の分身が、英奈の太股にこすりつけられる。我慢できないというように、少し濡れた感触さえ伝えてきた。
大胆に両脚を開いて彼の身体を挟み込む。その間に身を置くと、彼は一瞬身体を起こして高い位置から英奈を見下ろした。
「綺麗な花が乱れる姿が、こんなに感動的だとは……」
「文語的」
笑おうとしたが笑えなかった。彼の両手が英奈の腰から下へと撫で下ろされていったからだ。
震えるような快感が駆け上がってきた。小さな悲鳴を上げそうになるのを、必死になって抑える。
彼の腕の力に従って膝を曲げる。アードリアンは身体を屈めて、英奈の白い腿の内側に口づけする。何度も何度も強く吸って、バラ色の跡を残した。
「アードリアン……」
名を呼んでも、彼はそれを止めない。それどころか、力強い舌先で、英奈の濡れた泉近くまで舐め上げてくる。
「あぁ……っ」
掴まれた両脚が震えた。自分の秘所を間近で見られているという羞恥と、それを押さえつけて尚湧き上がってくる快感に苛(さいな)まれる。
「エナ、腰が揺れてる」
からかうような声に、もう言い返す気力もなかった。ただ、内側から溢れかえる泉の中に、彼を迎え入れることしか考えられなくなっていた。


(このあとは製品版でお楽しみください)

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