書籍情報

幽閉王子とお針子の寵姫【書下ろし・イラスト10枚入り】

幽閉王子とお針子の寵姫【書下ろし・イラスト10枚入り】

著者:伊吹芹

イラスト:純友良幸

発売年月日:2016年05月27日

定価:972円(900円+税)

針子のアリアーヌは仕立屋に籠もり仕事をする毎日を送っていたが、ある日、言い掛かりをつけてきた貴族から仕立屋を守る為に身売りする形でテール王国の王宮へと連れて行かれる。そこで、軟禁されているディトリッシュ王子に引き合わされる。貴婦人のように振る舞う王子を正気に戻すため、王子の寵姫となることに。襲われ純潔を失ってしまうが、ディトリッシュが狂人のふりをしているのではとアリアーヌは思い始め……!

お取扱店

登場人物

◆アリアーヌ

歳は十代後半。職人気質で無口。小さな仕立屋に住み込みで働く貧しいお針子。美貌ゆえに言い寄られたり妬まれることが多く、人買いに攫われかけたりもした。そのため自身の容姿を疎ましく思っている。仕立屋として工房に籠もり、容姿とは無関係に腕だけで食べていくのが夢。
◆ディトリッシュ

歳は二十代中盤くらい。テール王国の第四王子。父の死後、母が再婚。兄弟は隣国に嫁いだ姉以外、全て不審死を遂げた。兄弟は義父に暗殺されたと考えており、自らも毒を盛られた後、正気を失ったふりをして身を守る。狂人の演技として女装をし基本的に女口調で話す。

立ち読み

人は、ディトリッシュ王子が狂っているという。しかし、そうであろうと優しい人に違いない――自分の純潔を与えた人だからそんな風に感じるわけではない――と、思いたい。
誰も来ないこの部屋で、本来、この人は自分をどう扱ってもいいのだ。痛めつけて言うことを聞かせても構わないし、殺したとしても――そうたいしたことにはならないはずだ。
それなのに、天蓋の下ではこの人は優しく触れてくれる。
アリアーヌの身体の強張りが解けると、ディトリッシュ王子の手は白い胸を掴んだ。
「あ!」
身体が跳ね上がろうとするのを、ディトリッシュ王子が抱き止めた。
「豊かな割には硬い胸だ。此処は特に」
ディトリッシュ王子はアリアーヌの胸の先端を抓んだ。
「ああ……王子殿下……」
「ディトリッシュと呼べ」
「……でも……」
そう言いかけると、ディトリッシュ王子はアリアーヌを組み敷き、膝の間に指を入れた。
「あ!」
温かい手で背中を撫でられていただけなのに、そこはもう蜜が溢れていた。とても安らいだ気持ちでいた――つもりだったのに、身体がそんな風に反応しているとは思っていなかった。
「ディトリッシュだ。そう呼べば――痛い思いはさせないでおいてやる」
「――ああ……」
ディトリッシュ王子は、柔らかな草(くさ)叢(むら)を指先で分け、アリアーヌの小さな珠に触れた。昨夜までは自分の身体にそんな部分があることさえ意識したことがなかった。今は、そこに触れられるとどんな風になってしまうのか知っている。ディトリッシュ王子はそこを繰り返し撫で上げた。
「……あっ……あ……!」
あの感覚がやってくる――そう思った瞬間、ディトリッシュ王子は指を動かすのをやめた。
「殿下……王子……殿下……」
「続きをして欲しいのだろう? 俺の名を呼べ」
「……ディトリッシュ……様……」
「様もいらぬ」
ディトリッシュの右手はアリアーヌの感じやすい部分を捕えたまま止まっている。唇は触れそうなほど近くにあるが、くちづけようとはしない。
「――ディトリッシュ」
そう呼ぶと、ディトリッシュは激しく指を動かした。
「ああ!」
一気にやってきた絶頂に慄えるアリアーヌの顔を見ながらディトリッシュは笑った。その笑みは残酷だったが、とても満足そうだった。
ディトリッシュはアリアーヌの胸の間に顔を埋めながら、硬くなった先端を両手で愛撫した。絶頂の余韻の抜けないアリアーヌは声を上げ続けた。
「ディトリッシュ……!」
呼びかけに応えるようにディトリッシュはアリアーヌの脚を開かせた。
ああ――そんなこと。でも――
羞恥心はそれを拒み、覚えたばかりの欲望は、それを求めている。
昨晩、ディトリッシュは時間をかけて舌と唇を使ってアリアーヌを苛んだ。
それは死ぬほど恥ずかしく、息が出来なくなるほど苦しかったのに、またそれをして欲しいと思ってしまう。
熱い舌が裂け目を舐め上げ、硬くなった珠に触れる。それを繰り返されると、声を抑えられなかった。
「……ああ……!」
「さっきは、探さなければわからないほど小さかったのに、こんなに張りつめて」
「んっ……ん……!」
ディトリッシュはアリアーヌのそれを強く吸い、内側に指を埋めた。
「ああ!」
その場所は蜜を溢れさせ、ディトリッシュの舌や指が動く度に水音を立てている。アリアーヌは息をすることさえ思うようにできず、声を上げ続けているのにディトリッシュは不満なようだった。
「狭い」
「……んっ……」
ディトリッシュの唇が小さな珠から離れると、呼吸は楽になった。
「此処はまだ――か」
ディトリッシュは絶え間なく指を動かしながら言った。
――何が「まだ」なのだろう?
「だが、まあ、痛くない程度にはしてやる。女を痛めつける趣味はない」
前夜も、そう言われた。
確かに、もう痛くはない。しかし心地よくもない。自分の内側に二本の指が出入りする違和感は、どちらかというと不快に近い。
極小さな珠を嬲られて全てを忘れて快感に喘ぐのも、今のように自分がどんな格好をしているのか理解しながら脚を開き続けるのも恥ずかしい。早く満足して、終わらせて欲しい。そう思っているのに、ディトリッシュは内側を探るように指を動かし続けた。
「……あ……あっ……!」
ある瞬間に、アリアーヌは恐怖にも近いような感覚に襲われた。それは、先刻、ささやかながらも外側にある小さな珠で得られたものとは種類が違っていた。
「ここか」
ディトリッシュは、そう囁くと指を曲げ執拗にそこを責め立てた。
「ああ……!」
それは、アリアーヌが覚えたばかりの快感とは違って、ゆっくりとやってきた。それはじわじわと滲み込むように、アリアーヌという器を満たしていこうとしている。
まだその感覚に戸惑っているというのに、ディトリッシュは、また舌先でアリアーヌの珠を突いた。
「ああっ……! や……! いやぁ……! だめ……!」
自分が何を言っているのかわからない。
「嫌? こんなに濡れて――締めつけているのにか?」
「怖い……! お願い、やめて……」
「怖い? 昨夜でさえそんなことは言わなかったのに」
「……死んでしまいそう……です……どうか、許し……お許しを……」
「よく死にそうになる女だ」
ディトリッシュは構わずにまた指を動かした。
「こうして女を死なせたとあれば、男として名誉でもあろうな」
アリアーヌの内側に、ディトリッシュのものが沈み込んだ。
「んっ……! あ……! ああ!」
前夜のような痛みはなく、そして先刻の違和感も消え去っていた。指よりも、もっと大きくて硬いものを突き立てられているというのに、寧ろ――息が止まるようなその感じは苦しくもあるが心地よかった。
「いいのだろう? 俺を抱け」
ディトリッシュは耳許で囁いた。掠れた声に、寒いわけでもないのに背筋がぞくぞくした。アリアーヌはディトリッシュの髪を掴んで引き寄せ、首と背中にしがみついた。
「そう――腕だけでなく脚も絡めてみろ」
アリアーヌは言われるままに立てていた両膝を曲げ、ディトリッシュの腰に巻きつけた。
「……あっ……!」
ディトリッシュのものに一層深いところまで貫かれ、アリアーヌは叫び声を上げた。とても熱く硬い。アリアーヌの内側は同じくらい熱く蕩けそうなほどに濡れている。
ディトリッシュは深く貫いた次の瞬間には、引き抜いてしまいそうなほど腰を引き、そしてまた深く押し込んだ。その度に、アリアーヌは叫び声を上げた。
――恥ずかしい。早く終わって――終わらせて。
そう思うと同時に、まだ終わらないでほしいとも思う。心臓が高鳴っている。息が苦しい。けれど――まだ、それを味わっていない。『それ』が何なのか、自分でもわからない。けれど、もう少しでわかる。
「ああ……! あっ……! もう……あ……だめ……! あたし……!」
ディトリッシュはアリアーヌの膝を自分の肩に掛けさせ、一層激しく動いた。
「あ!」
それがやってきた。多分、これが――愛欲の神が齎(もたら)す恩恵だ。
「ああっ……あ……ああ……!」
身体の中に煮え滾(たぎ)るような熱い波が荒れ狂っている。それは一瞬で終わるものではなかった。これ以上はないと思った瞬間に、また更に高みに押し上げられた。幾度となく深く貫かれ、また熱いものが満ちた。身体が勝手に跳ね上がり、そのまま何処かに飛んで行ってしまいそうな気がしたが、ディトリッシュが抑えつけ、一層激しく貫いた。
「あ! ああ……! あ……!」
ディトリッシュの髪から汗が飛び散る。
「……!」
声にならない呻き声とともに、ディトリッシュのものがアリアーヌの奥で慄え、汗よりも熱いものを迸らせた。
「ああ!」
アリアーヌは、ディトリッシュに縋りついた。
ディトリッシュはアリアーヌから離れると、身体を伸ばして横たわり、大きくためいきをついた。
アリアーヌはまだ息を切らし、動くこともできなかった。
俯せになって肘をついたディトリッシュはアリアーヌの顔を見下ろし、手の甲で汗ばんだ頬に触れた。
「――ああ……」
ディトリッシュはアリアーヌの髪を指に巻き、毛先でアリアーヌの胸の先端を撫でた。
「あっ……!」
「アリアーヌ」
ディトリッシュはそう呼び、またアリアーヌの胸の先端を口に含んだ。
「……ああ……」
ディトリッシュは、まだ足りないというのだろうか。
しかし、アリアーヌもこの上なく満足した後だというのに、激しいわけでもない、寧ろ緩慢なほどの舌先の動きに敏感に反応してしまう。
「……ん……」
その愛撫は、アリアーヌをこの上乱れさせるというよりも、身体の奥に残る熱を留めようとしているかのように優しかった。
「クロエには気を許すな」
陶然と身を任せていたアリアーヌは、その言葉に目を瞠った。
「……え……?」
クロエ? 幾つかの言葉を思い出すとクロエは長くこの王宮に仕えていたようだから、ディトリッシュと面識があってもおかしくはないが、何故その名を今――こんなことをしながら――口にするのだろう? そして、一体何に――
「王子……殿下、……ディトリッシュ一体、クロエの何に……」
「俺は気が触れている。何を口走ったとしても、おかしくはない」
ディトリッシュは、失言を誤魔化すかのように早口でそう言い、アリアーヌ自身の蜜と、ディトリッシュが瀉(だ)したものに濡れた場所に手を伸ばした。
「あ!」
「誰にも気を許すな。俺にも、王にも、女王にも、どの召使にもだ。でないと、死ぬぞ」
「ディトリッシュ――」
更に問いかけようとしたが、何かを考えることも、言葉にすることもできなくなった。
ディトリッシュがまた、アリアーヌの濡れた襞(ひだ)の間に入ってきた。
「ああ――!」

お取扱店