書籍情報

夜の狂王と淫らな生贄 【書き下ろし・イラスト10枚入り】

夜の狂王と淫らな生贄 【書き下ろし・イラスト10枚入り】

著者:麻倉とわ

イラスト:夜咲こん

発売年月日:2017年8月25日

定価:972円(900円+税)

「本当に何も知らないのだな。ふふ、これは教えがいがある」
レアンドル王国国境を守る辺境伯の娘エリアーヌは、父にかけられた謀反の疑いを晴らすため王都へ伺候する。しかしついぞ謁見の叶う国王マクシミリアンに薬を盛られ、純潔を奪われる。しまいには父や領地を人質に城への滞在を命じられてしまう。その後、昼と夜の彼が別人格であることを知るエリアーヌ。夜は淫らに、昼は慈しみ深い彼に困惑しつつも惹かれていくエリアーヌは、マクシミリアンが現状に苦しまされていると気づき……!?

お取扱店

登場人物

◆エリアーヌ・アンジェル・ド・ラロシュ
メドワール辺境伯の長女で、国一番と讃えられた母譲りの美少女。18歳。長い金髪の巻き毛、緑色の瞳をしている。朗らかで愛情深く、行動的な一面もあるが、支配的な継母のせいで本来の自分を出せずにいる。
◆マクシミリアン・シャルル・ド・レアンドル
レアンドル王国の若き美貌の賢王。黒髪で藍色の瞳をしている。25歳。昼間は聡明で思いやりのある青年そのものだが、夜になると我を失い、狂おしく攻撃的な性格になる。

立ち読み

しなやかな人差し指が珊瑚(さんご)色の唇に伸びてきた。
寝台に横たわる少女は翡翠(ひすい)の色をした大きな目を見開き、かすかに息を呑む。長い金色の巻き毛がヴェールのように小さな顔を取り巻いていた。
「今夜も美しいな、エリアーヌ」
合わせ目をゆっくり撫でられ、エリアーヌと呼ばれた少女は口を開いて、ぎこちなく指先を受け入れる。唇で第二関節まで挟み込むと、さらに舌を使ってチュクチュクと舐め啜った。
「いい子だ」
寝台の傍らに立つ青年が満足そうに微笑んだ。
無数に灯された蝋燭の光が彫像のような美貌を照らし出す。艶やかな黒髪に囲まれた顔は男らしく整っているのに、深い藍色の瞳は焦点が合っておらず、夢見るように揺れている。しかしだからこそその笑顔は目を奪われるほど艶めいて見えた。
「だいぶ上手になったな」
まるで褒美を与えるかのように、指の腹が柔らかな口内を這い回る。頬の内側や、かすかに震える桜色の舌、きれいに並んだ白い歯列までなぞられ、エリアーヌはくすぐったさに声を上げた。
「あ、ん」
自分でも驚くほど甘い喘ぎだった。
相手も同じように感じたらしく、低い笑い声が響く。
「ふふ、あいかわらず敏感だな」
「い、いえ、そんな」
「……そうかな?」
唇から引き抜かれた指先が今度は胸元へと移った。右側のふくらみを柔らかく探り、きれいに整えられた爪が可憐な頂(いただき)を弾く。
「きゃうっ!」
「ほら、ここがもうこんなに硬く尖っている。両方ともだ。まだ、ろくに触ってもいないのに」
確かにその言葉どおり、小さな二つの突起は透ける絹地を押し上げて、恥じらうように薄赤く染まっていた。すかさず左側の粒を摘ままれ、軽く爪を立てられた。
「あっ」
鋭い痛みが走って、エリアーヌの腰の奥が鈍く疼く。
かすかな、けれども明らかな快感の兆し――それを察したように、繊細なナイトドレスが勢いよく引き裂かれた。下着をつけていないので、真珠色に輝く裸身はもちろん、髪と同じ色の下生えまで露わになってしまう。白絹がまとわりつくなめらかな肌には、今まで青年の唇が印した痕が花びらのように散っていた。
「触れてほしいのだろう……こんなふうに」
器用な指先が鴇(とき)色の肉果を挟み、押し潰すようにこね始めた。
「い、嫌ぁ」
身体が勝手に跳ねて、寝台がギシリと軋んだ。それでもエリアーヌはまろやかな乳房を両手で隠すことも、自分を弄ぶ男に背を向けることもできない。ほっそりした四肢が、赤い絹のリボンで寝台の柱にしっかり結びつけられているからだった。
月も星も見えない暗夜――。けれど今、エリアーヌが囚われているところはさらに濃い闇に包まれている。そして彼女の夜はまだ始まったばかりだった。
「うっ!」
ふいに乳首をきつく捻られて、エリアーヌは唇を噛んだ。
痛いのに、気持ちいい。嫌なのに、もっと続けてほしかった。
「お許しください、マクシミリアン様」
青年を見つめる緑の瞳に、混乱の涙が浮かぶ。
この城に来てから、エリアーヌの身体はすっかり変えられてしまった。毎夜気が狂いそうになるほど彼女を苛む若き王マクシミリアンによって。
人一倍感じやすく、とびきり愛くるしいのに誰よりも淫ら――エリアーヌをそう評したのも、また彼だった。
「どうか……もう許して」
「本当か?」
しなやかな指先は乳首こそ解放してくれたものの、今度は淡い色の乳暈(にゅううん)を優しくなぞり始めた。
「嘘つきめ」
そのまま何度も円を描かれて、エリアーヌはまた唇を噛む。羽でくすぐられているみたいで、とてもじっとしていられない。
こんなぬるい刺激ではもの足りなかった。もっと強く触れてほしいし、もう一方のふくらみもいじってほしい。それに、しっとりと潤みかけている両脚の奥も。もちろんそんなことを口にできるはずもないけれど。
「エリアーヌ、本当にやめてもいいのか?」
再びマクシミリアンが笑う。その笑い声は心底楽しそうだった。彼もよくわかっているのだ、自分の獲物が実は何を望んでいるのかを。 
「君は大好きだろう……私に見られながら、ここをじっくりいじめられるのが。いやらしい声を聞かれるのも好きなくせに」
エリアーヌは目を閉じて、強くかぶりを振る。そんなことを認められるはずがなかった。自分は国境を守る辺境伯の娘だ。それなりの誇りも意志もある。だが――。
「ひっ!」
小さな尖りに濡れた感触が走り、細い喉が反った。マクシミリアンが身を屈め、乳首を舐めたのだ。けれどもすぐに舌は離れてしまい、放り出された肉粒はいっそう硬くなる。
「もし君が本当に嫌なら――」
「い、いいえ」
気がつけば、エリアーヌは拘束されながらも誘うように胸を突き出していた。
「やめないで……どうか、マクシミリアン様」
「いいね、エリアーヌ。素直な娘は好きだよ」
寝台を大きく軋ませて上に乗ると、マクシミリアンは開かれた脚の間に身体を入れてきた。長い指が白い腿を優しく撫で上げる。
「あっ!」
「どうしてほしい?」
「な、舐めて」
エリアーヌは目を閉じて、必死に言葉を紡ぎ出した。それも彼に教え込まれたいやらしい言い方で。
どれほど屈辱的でも、その問いに答えなければ望みは決してかなえられない。マクシミリアンは衝動のままに自分を抱くけれど、その気になれば恐ろしく忍耐強いのだから。
「よく聞こえないな。もっと大きな声で」
「たっぷり舐めて、強く吸ってください……わたくしの胸を」
「なるほど。それだけでいいのか?」
「触れてください、どうか……いつものように、うんといじめてくださいませ、わたくしの……み、淫らな花を」
「ああ、かわいいエリアーヌ」
マクシミリアンは笑いながら、恥じらいに染まるエリアーヌの頬に口づける。
「わかった。仰せのままに」
白い肌に唾液の痕を残しながら、マクシミリアンは左の乳房までゆっくり唇をずらしてきた。尖った先端ごと口に含み、音をたてて舐めしゃぶる。
「あっ、ああ……あ!」
右側には大きな手が伸びてきて、包み込むようにまさぐり、形が変わるほど揉みしだいた。
「あん、嫌ぁ!」
強過ぎる刺激に息が止まりそうになる。エリアーヌは無意識に逃れようとするが、拘束されている上に、マクシミリアンに覆い被さられていて、まったく身動きできなかった。
「あう……あ……ひぃう!」
なおも甘い拷問は続く。閉じられない下肢へも指が伸びてきたのだ。淡い茂みをくすぐられ、その奥でほころびかけている秘裂も容赦なく抉られた。
「あ……ああ」
「はしたないな。もうこんなに蕩けているぞ」
マクシミリアンがエリアーヌに、銀の糸を引く二本の指を突きつける。
「もっと濡らして乱れてみせろ、エリアーヌ。そうすれば存分に楽しませてやる」
「は、はい、マクシミリアン様」
柔らかな胸をこねられながら肉粒に歯を立てられ、愛蜜に濡れる秘処を指でかき回される。
エリアーヌは大きく喘ぎ、上気した頬を涙で濡らした。苦痛と快感がないまぜになって、炎のように身体を焼き尽くそうとしている。それでもなおマクシミリアンに従い、受け入れようとするのは、絹のリボンで縛りつけられているからではなかった。
たとえ欲情していても、藍色の瞳はなお、たゆたうように揺れている。まるで何かに抗って、もがいているみたいに。
繰り返し汚されて、無理やり快楽を教え込まれはしたが、エリアーヌはそんなマクシミリアンが気がかりでならなかった。
「あう……あん! ひぃっ!」
絶え間ない執拗な愛撫に啼きながら、エリアーヌは今宵も自分を残虐な王に捧げるのだった。


(つづきは製品版でお楽しみください)

お取扱店