書籍情報

わけあり乳母と溺愛侯爵~婚淫のゆくえ~【書下ろし・イラスト10枚入り】

わけあり乳母と溺愛侯爵~婚淫のゆくえ~【書下ろし・イラスト10枚入り】

著者:有允ひろみ

イラスト:花綵いおり

発売年月日:2018年02月23日

定価:972円(900円+税)

『君は私とこうするのがすきなのだろう? 違うといっても体がこんなにも反応しているのだから。』
ある伯爵に見初められ、婚約まで済まされた子爵令嬢のジュリアは、自由を求めて屋敷を飛び出す。その道中、盗賊に襲われ旅銭を失うが、通りかかったドリアン侯爵のもとで彼の姪の乳母兼家庭教師として勤めることになるジュリア。ある真夜中、不意に唇を奪われて彼への想いが強まるものの、当の本人は花嫁探しに躍起になっていた。困惑する想いに犯された体が熱を持つ最中、ジュリアは花嫁候補に選ばれ、子作りすることになり……!?

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登場人物

◆ドリアン・ドートリッシュ

グレイランド国、侯爵の位置にある青年。濃褐色の瞳と髪色をしている。厳つく、傲慢さがあるが、共に暮らす姪には溺愛したように愛情を注ぐ。愛情に対し、懐疑的な部分が目立つ。
◆ジュリア・マッカラム

リリック国、マッカラム子爵の三姉妹、その末娘。癖のある赤髪に、琥珀色の瞳をしている。溌溂としていて、意志が固く、一度決めたらすぐ行動に移す。

立ち読み

「誰だ?」
部屋の奥から聞こえてきた声は、間違いなくドリアンのものだ。
(やっぱり! ここはドリアン様のお部屋だったんだわ!)
なんということだろう! こんな時間に男性の部屋に足を踏み入れるだなんて、到底まともなレディがすることではない。
(どうしよう。返事をしなければ変に思われる……。でも、こんなところでなにをしているのか問われたらなんて答えたらいいだろう!)
ジュリアが逡巡していると、声がしたほうから水音が聞こえてきた。どうやら彼は入浴中らしい。ますます返事をし辛くなったジュリアは、このままランプをひとつ借りて部屋を出て行こうとした。しかし、きびすを返して歩き出したそのとき、大きく聞こえてきた声に呼び止められてしまう。
「待て! 誰だと聞いている!」
背後からぶつけられた怒気に射すくめられ、ジュリアはぴたりと足を止めた。しかし、今さらどう返事をすればいいのかわからずに身を固くして立ち尽くしている。
そうしているとふたたび水音が聞こえ、ふいに部屋を照らす灯りが暗くなった。それと同時に、ひたひたという足音がジュリアのほうに向かって近づいてくる。距離が縮まるごとにひとつずつランプが消えていっている様子で、足音がすぐ後ろに来たときにはもう自分の足元すら見えないほど部屋の光度が下がっていた。
こう暗くては、もう逃げ出すこともできない。もしかして不法侵入の罪で、いきなり背中を鞭打たれたりするのだろうか。ジュリアは恐怖のあまり目を固く閉じて唇を噛む。
「誰かと思えば、新しく雇われたメイドか?」
勘違いをされそうになっているけれど、それを正せば正体がばれてしまう。せっかく得た働き口を手放すわけにはいかない。
ジュリアはどうしていいかわからず、いっそう唇を強く噛んで身を縮込まらせる。
「なぜ黙っているのだ?」
答えられるようなことがなにひとつ見つからなかった。仕方なく、なおも口を開かずに沈黙を続けた。
しばらくすると、暗闇の中、足元で軽い金属音が聞こえた。見れば、ジュリアの右足の少し先に灯りが点いたランプがひとつ置かれている。
それはジュリアの下半身を照らしてはいるが、腰から上はほとんど灯りが届かないほど小さなものだ。
(どうしよう……! こんなことなら部屋でおとなしくしていればよかった……)
なんのためにこんなに暗くしたのかはわからないが、きっと恐ろしい罰を受けるに違いない。
いきなり背中を剣で切りつけられたらどうしよう。逃げ出そうにも、足が床に吸い付いてしまったようになり動かすことができない。
振り下ろされるのは鞭か剣か──。
ジュリアは心の中で十字を切る。
しかし、身体に感じたのは痛みではなく、右肩を掴む大きな掌の温かさだった。
「こんな時間に主人のもとに忍んでくるとは……。ここに来る前はいったいどんな家で働き、どんな教育を受けてきたのだ?」
肩に置かれた手が、首筋を通って顎に移動してくる。指先が輪郭(りんかく)をなぞり、鼻筋を下りてかみ締めている唇の上で止まった。
「ふむ……顔立ちはとても美しいようだな……。そんなに強く噛むと唇が切れてしまうぞ」
指先がジュリアの唇を離れ、喉を経て鎖骨の上に下りる。そのまま突っ立ったままでいると、今度は彼の左手がジュリアの肩を後ろから強く抱き寄せてきた。
(わかった……。きっと後ろから羽交い絞めにして首を捻るつもりなんだわ!)
このままだと殺されてしまう!
そう思ったジュリアは、どうにか逃げ出せないかと身体を前に進めようとしてみた。しかし、全身は棒のように硬く強張り、まったく身動きが取れなくなってしまっている。
「じっとしているところをみると、やはりそういうことなのだろうな?」
低く響くドリアンの声が、ジュリアの耳の上で響いた。
指がジュリアの顎を掴み、やや振り向いた形で上向かせる。暗さのせいで細かな顔の判別はできない。けれど的確に位置を探り当てた彼の舌先が、ジュリアの唇を割る。滑り込んできた舌に口の中をいっぱいにされ、一瞬にして全身が熱く痺れた。
いったいなにが起こっているのか理解できない。
(これはキス……? 私、ドリアン様とキスをしているの……?)
絡んでくる彼の舌が、ジュリアの口腔を丁寧になぞってくる。
頭がぼんやりとしてきて、頬が熱く火照る。
どうすればいいのかわからないままキスを受け続けているうち、いつの間にか顎を掴んでいた彼の右手がジュリアの腰に移っていた。そして、編み上げているドレスの腰紐を解き始める。
よほどそうすることに手馴れているのだろう。あっという間にきつく締め上げていた胸元が緩み、両方の乳房があらわになる。抵抗する暇もなく引き下ろされたパニエが、ドレスごと床に落ちた。もはや身に着けているのは靴下と靴だけ。
突然の出来事に驚いているうちに正面を向かされ、腰をしっかりと抱き寄せられる。
「……んっ……、っ……」
ふいに大きな掌で左乳房を掴まれ、驚いて身体が後ろに倒れかかってしまう。斜めになった背中を横抱きにされ、そのまま近くにあった長椅子の上に仰向けに横たえられた。顔とつま先は薄闇に包まれたままだが、ぼんやりとしたランプの灯りがジュリアの身体の中心を暗闇から浮かび上がらせている。
ジュリアは万が一にも顔を見られまいと、両腕を顔の前で交差させた。
「なるほど。君は身体よりも顔を隠すのだな」
ドリアンが小さな笑い声を漏らした。
「しかし、それも理解できる。君の肌はとても白く、身体つきもたいそう魅力的だ」
ドリアンは感じ入ったようにそう呟く。そして、おもむろに長椅子の横に肩膝をつくと、乳房を掌で包み込んでゆっくりと揉み込んできた。
「……っん……、ん……」
ジュリアはとっさに唇を掌で押さえ、声が出てしまうのを防いだ。
(いったいなにがどうなってこんなことに?)
ジュリアの身体は、恥ずかしさのあまり小刻みに震えている。耳の奥に自分の心臓の音が響き、目の前の暗闇にチカチカとした星が見えた。
ドリアンの指が、ジュリアの胸の先をつまんだ。そして、もう片方の乳先に唇を寄せて繰り返し甘噛みしてくる。
「……ぁっ!」
はじめて知る甘い愉悦が、ジュリアの全身を駆け巡る。ふつふつと肌が粟立ち、両方の乳先が硬く尖った。身体全体が熱くなり、意識が朦朧(もうろう)としてくる。左の足首を取られ、長椅子の背もたれの上に置かれた。はっとして視線を下に向けて、自分がありえないほど淫らな姿勢をとらされていることに愕然(がくぜん)とする。それと同時に、ドリアンが腰に布を巻いただけの格好であることに気づいた。
逞しく隆起した胸板には、まだ水滴が残っている。それが飴色にきらめきながら下腹のほうへ下がっていった。まるで美しい絵画のようなドリアンの裸身に目がくらみそうになる。
胸元に留まっていたドリアンの唇が、徐々に腰のほうに移っていく。まさかと思っているうち、彼の舌がジュリアの柔毛の中に分け入り、その先に潜む悦楽の尖りを捕らえた。そして、先端を舌先で嬲り、ちゅっと吸い上げてくる。
ジュリアの身体がびくりと震え、つま先がきつく内に巻いた。下腹の奥に熱が宿り、吐息が漏れそうになる。
ドリアンの唇が執拗に花芽を弄んでいるうち、さらにその先を目指していた舌が愛液にまみれた蜜窟のほとりに到達した。
「……ひっ……!」
ジュリアははっと息を呑み、脚を閉じようとした。しかし、ドリアンの手に阻まれてそうすることができない。それどころか、まだぴったりと閉じたまま誰一人受け入れていない蜜窟の中に、そっと舌先を差し入れてきた。
蜜窟のごく浅い部分に、とんでもない違和感がある。まさかそんなところを舐められるとは思ってもみないことだ。想像もしない事態に頭がついていかない。
硬く尖らせた舌が、少しずつ奥を目指している。長椅子の上で反り返った身体を、ドリアンの手がやんわりと押し留めた。彼の指が太ももの内側をさまよい、もう一方の手が乳房を捏ねるように愛撫している。
「……ん……っ……、く……ぅ……」
懸命に声を抑えるけれど、喉の奥に留まった嬌声が掌の内側に零れ出てしまった。
こんなにひどいことをされているというのに、なぜか身体はこれまでにないような反応を見せてしまっている。
ドリアンの舌が再度花芽のほうへ移動してきた。唇がそこを包み、ちゅくちゅくと音を立てて吸い上げてくる。激しい快楽が一気に押し寄せてきて、目の前で真っ白な閃光が弾けた。
身体が熱く溶け出しているように感じる。心がふわふわと浮かび上がり、なんともいえない高揚感に囚われて全身が震えた。
(なに……これ……っ……?)
目元を隠したままの唇にキスをされた。乳房を優しく撫でるように愛撫される。いつの間にかお互いの舌が絡み合っていた。はじめて知った快楽の余韻が、ジュリアの全身に甘い倦怠で包み込んでいる。
「君はまだ処女なのだな。……なのにここへ来たということは、それなりの覚悟があってのことか?」
ドリアンの言葉を聞きジュリアは、はっと我に返った。
そして、改めて自分の状態に目を向け、あわてて椅子の背もたれにかけていたかかとを下ろした。広げられていた脚を閉じてできるだけ身体が隠れるように腰を捻(ひね)る。
いったい自分はここでなにをしているのか。なぜドリアンとこんなことになっているのだろう? 今となっては、こうなったきっかけも理由もわからない。
こらえ切れないほどの恥ずかしさを感じて、ジュリアはできる限り身体を丸くして縮込まった。もうなにもかもおしまい。自分はこのまま純潔を奪われ、正体を知られた上で家を追い出される運命にあるのだ……。


(この続きは製品版でお楽しみください)

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