書籍情報

心地の良い場所【特別版イラスト入り】

心地の良い場所【特別版イラスト入り】

著者:北川とも

イラスト:九条AOI

発売年月日:2015年05月01日

定価:935円(税込)

手に入れたら、もう離さない。お前の過去も、俺のものだ。 頑(かたく)なに他人を寄せ付けない昭洋と、彼が唯一心を許す槙瀬が二人きりで働く槙瀬調査事務所には、昭洋に甘い笑みと鋭い視線を寄越す顧客の会社社長・水野と、槙瀬に秋波を送って昭洋を不快にさせる弁護士の中条がよく訪れる。ある日昭洋の元に友人が相談を持ちかけてきて…。男達のエモーショナル・ラブ!

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登場人物

塚本昭洋(ツカモトアキヒロ)
槙瀬調査事務所のたった一人の所員。真面目な好青年だが、あることがきっかけで人と深くかかわることを避けるように……。
水野潤一(ミズノジュンイチ)
三十二歳の若さにして不動産会社の社長。甘い雰囲気のハンサムだが、飄々として捉えどころのない一面も。

立ち読み

熱っぽく水野に一方的に唇を貪られてから、そっと囁かれた。
「……抵抗しないと、お前にロクでもないことをするぞ。俺は悪党だから、弱っている今のお前でも容赦しない」
「それ――」
「たまらなく、お前が欲しい。過去も気になるけど、こうして今、お前といるのは他の誰でもない、俺だ。言っておくが、一度手に入れたら、もう離さない」
昭洋は怖々と体から力を抜き、水野の胸に身を寄せる。痛いほどきつく抱き締められた。
何を知っても自分を求めてくれる水野に、昭洋はまずは感謝してから、そして狂おしいほどの愛しさを覚えた。
震える声で、大事なことを水野に告げる。
「奪って、ください……。責任を取ってください。槙瀬以外、欲しくなかったのに……、あなたが現れた。また傷つくかもしれないのに、それでもぼくは、あなたを欲しくなったんです。だから……」
抱き締められたまま、水野が慌ただしく靴を脱ぎ捨てる。昭洋はしっかりと水野にしがみついていた。
「――……奪って、いいんだな?」
念を押されて頷くと、水野にもう一度、荒々しく唇を塞がれる。昭洋は応えながら、心の中で槙瀬に謝っていた。槙瀬に見捨てられてもかまわないと思うほど、今はひたすら水野が欲しくて、満たされたかった。
濡れた音を立てて唇が離されると、昭洋は熱い吐息をこぼして水野の肩にすがりつく。
「いいな?」
耳にキスされながら水野に囁かれ、着ているジャケットをその場で脱がされる。ポケットに携帯電話が入っているため、足元に落とされると重みのある音がした。
唇を啄ばまれながらネクタイを解かれて抜き取られる。壁に背を押し付けられ、首筋に忙しく水野の唇を這わされながら、昭洋はワイシャツのボタンを外されていく。スラックスからワイシャツを引きずり出され、すべてのボタンが外されると、ベルトも緩められる。
ファスナーが下ろされたところで、さすがに昭洋は水野の手を止めた。間近で目が合い、水野に短く耳元で囁かれる。昭洋は夢中で頷いた。
場所をベッドに移すと、枕元のライトをつけた水野にのしかかられる。
「水野さんっ……」
うつぶせの姿勢のまま背後から抱きすくめられ、うなじに唇が押し当てられる。最初は柔らかくキスを繰り返されながら、羽織っただけとなったワイシャツを脱がされる。
体を起こしかけていた昭洋も、室内の蒸れた空気にねっとりと肌を撫でられて、体を強張らせてうつぶせのまま横になる。
剥き出しとなった背のあちこちに、水野の唇が押し当てられて丹念なキスを繰り返される。そうしながら自らもスーツを脱いでいっているのか、ベッドの下に軽いものが落とされる音が続く。
昭洋の背に重なった水野の素肌は熱く、すでに汗ばんでいた。腕で体を支えているらしく、背にかかる重みは心地良く苦しくはない。
「昭洋……」
名を呼ばれながら再び繰り返されるキスは、さきほどより濃密で情熱的だ。肩先に軽く歯が立てられて、昭洋はビクリと身を震わせる。
肩甲骨のラインをキスでなぞられると、昭洋は初めて声を洩らしていた。
「は、あぁ――……」
背後からきつく抱き締められて、ごく自然に腰を抱え上げられる。寛げられていたスラックスの前から水野の指が入り、下着の中に潜り込んできた。
「あっ、うう」
昭洋は上擦った声を洩らして腰を揺らす。敏感なものを水野のてのひらにあっという間に包まれた。一方の手でスラックスと下着をゆっくりと下ろされていく。
水野のてのひらの中で、昭洋のものはゆっくりと形を変えていく。その反応を待っていたように、水野に体の向きを変えられて仰向けにされた。
待ちかねていたように唇を塞がれ、舌を絡める。その間にスラックスと下着を脱がされて、ベッドの下に落とされた。丁寧に靴下まで脱がされて、昭洋の体はカッと熱くなる。
水野のような男にここまでしてもらうことへの、羞恥と申し訳なさからの反応だ。
両足を左右に大きく開かされて、中心にあるものを再び水野のてのひらに包まれる。
「あっ……」
もっと発情を促すように上下に擦られながら、顔を下ろした水野の舌先で胸の突起を弄られる。疼くような微かな快感が胸に広がり、昭洋は静かにのけ反る。すぐに、感じやすい突起は水野の口腔に含まれ、熱心に愛撫されるようになる。
昭洋は片足をシーツに突っ張らせて体をビクビクと震わせる。久しぶりに与えられる愛撫に、体は貪欲に反応して自分でもどうしようもない。
水野にきつく突起を吸い上げられながら、てのひらに包まれたものは確実に育って硬くなってくる。先端を指の腹で軽く撫でられると、強烈な快感が背筋を駆け抜けた。
「はっ、んんっ」
堪えきれない声を上げると、さきほど泣きすぎた余韻で小さくしゃくり上げる。ふいに顔を上げた水野に慰められるように唇を吸われ、昭洋もぎこちなく吸い返す。
首筋から肩、腕へと唇が這わされ、そして胸元から腹部へと丹念なキスが繰り返される。
昭洋は心地良い愛撫に半ば酔い、体から緊張を解いていく。
ここで水野が大きく動き、昭洋は片足を抱えられて胸に押し付けられる。すでに馴染み始めた水野のてのひらに、しなって反り返ったものを包まれる。
「んくぅっ」
悲鳴に近い声を上げ、昭洋は胸に押し付けた片足を爪先まで突っ張らせる。昭洋が体を強張らせると、素早く顔の位置をさらに下ろした水野の口腔に、てのひらで刺激されたものを一気に含まれた。
「あっ、あっ、ああっ――……」
大きく身悶え、のけ反り、昭洋は絡みついてくる水野の愛撫から逃れようとするが、反応したものを熱い粘膜で緩く締め付けられ、腰が跳ねるほどの快感を感じる。
ついには、動けば動くほど鋭い快感が走ると悟り、のけ反った格好のまま昭洋は動けなくなってしまう。それでも次々に快感を与えられ、頭上のシーツを握り締めて喘ぐ。
口腔から出された昭洋のものは、先端から尽きることなく透明な涙を滲ませる。それを水野が舌で舐め取る光景を、昭洋はつい見てしまう。水野は、どうしてそこまでと問い詰めたくなるほど、夢中になって舌を使っていた。
「ふっ、くあっ……。あっ、やぁ、水野、さ……」
「気持ちいいか?どんどん溢れ出してくる」
汗で濡れた背にシーツが張り付く。息をするのも苦しいほど、とにかく熱かった。それ以上に、水野の何もかもが熱い。
「うっ、くうっ、イ、クぅ――」
羞恥も忘れて昭洋がとうとう訴え、水野の髪に片手の指を差し込む。先端にキスされ、露骨な音を立てて吸われ、ゆっくりと口腔に呑み込まれようとしたとき、突然部屋の電話が鳴り始めた。
「あっ……」
一瞬、何が起こっているのかわからなかった昭洋だが、緩慢な動きでテーブルの上の子機に視線を投げかける。すぐに、槙瀬だと思った。携帯電話にかけても電源が切られているので、自宅の電話にかけてきたのだろう。
「――出てもいいんだぞ」
静かな口調で水野に言われて見ると、昭洋のものの先端に軽いキスを繰り返しながら、上目遣いに昭洋を見上げてきていた。その、普段は絶対見せない野性味のある表情に、昭洋の背筋に熱い疼きが駆け抜ける。考えるより先に首を横に振っていた。
「い、です……。それより……」
「イきたいか?」
先端に舌が這わされて昭洋は身震いする。我慢できなかった。
「……イかせて、ください……」
言い終わると同時に水野の口腔深くに呑み込まれ、昭洋は達していた。
昭洋は声も出せずにのたうち、水野の口腔に絶頂の証を迸らせる。この間だけは、鳴り続ける電話の呼出音も聞こえなかった。ただ、乱れた自分の息遣いだけを、他人のもののように聞く。
ぐったりして喘ぎ続ける昭洋に対して、水野の愛撫は容赦なかった。今度は両足を折り曲げられてしっかりと胸に押し付けられる。
「ああっ」
昭洋は甘く掠れた声を上げる。一度は事務所のソファの上で、水野の指に開かれた内奥の入り口に、今度は舌を這わされていた。
妖しい感触に昭洋は首を左右に振る。このとき電話は留守電に切り替わるが、すぐに切られてしまう。だが今はもう、些細なことだった。
内奥に指を挿入されて腰を揺する。ようやく顔を上げた水野に必死になってしがみつくと、指を出し入れされながら、興奮と羞恥を煽るように囁かれる。
「お前の中が、舐めるように吸い付いてくる」
理性も体も、快感に溶かされていく。
内奥から指が出し入れされる度に呻きながら、昭洋は両手でシーツを握り締めて乱れる。
付け根まで挿入された指に、大胆に内奥を掻き回される。
「んっ、んあっ、ああっ……」
水野の背に両腕を回してしがみついた昭洋は、感じる快感のままに奔放に腰を揺らし、くねらせる。
「……お前がストイックなんて、俺はどこを見てたんだろうな」
責められたのかと思い、昭洋はうかがうように水野を見上げる。途端にしたたかな笑みを向けられた。
「俺が一方的に振り回さなくて済む。同じように感じ合えるってことだろ?」
「水野さん……」
指が引き抜かれ、身じろいだ水野に下肢を密着させられる。このとき、綻んだ内奥の入り口に熱く硬いものが擦りつけられてきた。
「うっ」
昭洋は小さく声を洩らして顔を横に向ける。水野に耳や頬にキスを繰り返されながら、昭洋の内奥はゆっくりと押し開かれていく。
時間をかけて水野のものをすべて含んでしまう頃には、昭洋は甘苦しさと熱さから、両手をしどけなくベッドに投げ出していた。
「痛くないか?」
水野に囁かれ、汗で額に張り付いた前髪を指先で梳かれる。昭洋は頷き、顔を背ける。
男を受け入れることに慣れた体は、貪欲に水野のものを締め付け、ひくついている。痛みどころか、満たされることで官能を刺激され続けている。
感じる罪悪感すら、感度を高める材料になっているようだった。
露にした首筋に唇を這わされ、熱っぽく愛撫される。一方で水野の腰がゆっくりと動かされ、内奥の奥深くを間断なく突かれ始める。
「あっ、あっ、あっ……ん、あうっ……、い、ぃ――」
「ここか?」
微妙な角度をつけられて、水野に内奥の感じやすい壁を擦られる。昭洋はビクビクと体を震わせる。一度は放ったというのに、中から愛されることで昭洋のものは再び反り返り、水野の下腹部に擦られているせいもあって、先端から透明なしずくを滴らせていた。
最初の交歓はすぐに訪れた。水野にふいにきつく抱き締められて、大きく一度突き上げられる。その衝撃に、まずは昭洋が二度目の絶頂の証を噴き上げ、次いで水野のものが内奥深くで脈打ち、熱い液体が叩きつけられる。
耳元に水野の呻き声を注ぎ込まれ、身をよじりたくなるほどの愛しさを覚えた昭洋は、震える指先で、汗で湿った水野の髪を掻き乱す。
「――お前は、俺のものだ。いいな?」
汗を浮かせた顔に見下ろされながら、心に刻みつけようとするかのように水野に囁かれる。昭洋は荒い呼吸を繰り返しながら笑いかけ、水野の頰にてのひらを押し当てる。
「あなたも、ぼくのものですよ」
「お前の過去も、俺のものだ」
ためらってから頷いた昭洋は、自分から水野の唇にキスする。
繋がったままキスを繰り返し、愛撫を施される。まだ絶頂の余韻も去っていないうちから、昭洋は乱れさせられていく。
水野は独占欲の強い男だと、身をもって実感していた。そして、その水野と比べて劣らないほど、昭洋もまた独占欲が強い。
一度体を離されてうつぶせにされた昭洋は、まだこれからだと言いたげに背にのしかかってきた水野に腰を抱えられ、背後から挑まれる。
「あっ、やっ……、まだ――……」
「聞かない。一晩中、離してやる気はないからな」
まだ硬さを失わない水野のものが、内奥に強引に挿入されてくる。深く呑み込んでいきながら、昭洋は背をしならせ、腰をよじる。水野が大きく何度も息を吐き出している。
自分でも自制できないほど淫らに蠢く腰を摑まれ、緩やかに突き上げられる。昭洋は悦びの声を上げていた。
腰を掴んでいた水野の両手が動き、丹念に背を撫でられてから、胸に回される。てのひらで突起を転がされ、指先で刺激されると、内奥を収縮させて昭洋は感じてしまう。
規則正しい律動が内奥で続けられる。そこに再び電話が鳴り始める。途端に水野の腰の動きが速くなり、昭洋は夢中でシーツを握り締める。
「あっ、あっ、ああっ……」
「今だけは、槙瀬さんのことは忘れろ」
水野の言葉に、昭洋は大きく頷いていた。

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