書籍情報

禁断の秘密クラブ【書下ろし】

禁断の秘密クラブ【書下ろし】

著者:かのえなぎさ

イラスト:天野 瑰

発売年月日:2014年12月05日

定価:972円(本体900円+税)

悪い男が教える悪いことを覚えるのは楽しいか? マンションの最上階にある秘密クラブ、そこは男たちが快楽にふける場所……。 毎日代わり映えのしない依頼に少し退屈していた弁護士の加賀亜紀人に、身なりの良い会社経営者の楠芳時から変わった依頼が持ち込まれた。仕事趣味人の集まりの「クラブ」を創設するため、その加入書と規約の作成を任せたいというのだ。芳時と食事をして酔った亜紀人は芳時に抱かれてしまう。さらに運転手の遠矢真にも抱かれてしまった亜紀人は男達との淫らな経験を重ねていくうちに、自分でも気づかなかった本性を知ることになり……。

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登場人物

加賀亜紀人(かが あきひと)
28歳。弁護士。実家が大きな弁護士事務所を経営しているが、経験を積むため中堅の事務所で働いている。毎日変わり映えのしない依頼をこなすことに少し退屈しているところに、芳時からの依頼が持ち込まれたことで、生活が一変する。整いすぎて冷たく見える外見の持ち主だが、世間知らずゆえの無防備なところがある。
楠芳時(くす よしとき)
43歳。身なりの良い会社経営者。会社の顧問弁護士がいながら、亜紀人の父親から紹介されたと言って、亜紀人に仕事趣味人の集まりの「クラブ」を創設するため、その加入書と規約の作成を任せたいという変わった依頼をしてくる。

立ち読み

「いい機会だ。わたしと深く関わろう。わたしなら、君を上手く導いてあげられる。――たくさんの悦びへと」
優しく唇を吸われながら、スラックスと下着をわずかに下ろされ、芳時のてのひらに包み込まれたペニスを扱(しご)かれる。愛撫は緩やかだが、与えられる感覚は強烈で、亜紀人の視覚に鮮やかな閃光が飛び交う。
芳時から与えられるキスが深くなり、逃げ惑っているうちに舌を捉えられる。促されるままにおずおずと舌先を触れ合わせ、搦め捕られていた。引き出された舌を、濡れた音を立てながら吸われ、甘噛みされる。
亜紀人が熱い吐息をこぼすと、芳時が低い声で囁いてくる。
「怖くないだろう、わたしは。君が素直に反応してくれるなら、絶対に怖い思いはさせない。だから、君のすべてが見たいな」
囁きと愛撫、酔いのせいもあって、亜紀人の思考は蜜を絡めたように鈍くなっていた。どう返事をすればいいのかと考えようとするのだが、思考がまとまらない。もっとも芳時は、亜紀人の返事など本当は求めていなかった。
「……嫌と言わないということは、いいってことだね」
都合よく解釈をした芳時の手がスラックスにかかり、亜紀人は咄嗟に制止しようとする。芳時は安心させるかのように微笑み、亜紀人の腹部に恭しく唇を押し当ててきた。
「体から力を抜いて。君の体をじっくり見たいんだ。そして、悦ばせたい」
まるで自分の印を刻みつけるように、芳時は何度も肌に唇を滑らせ、吸い上げてくる。そのたびに亜紀人は、芳時が言っていることは本当なのかもしれないと思うようになる。
ヘソに唇が押し当てられ、舌先でくすぐられると、微かに声を洩らして腰をもじつかせる。スラックスと下着を引き下ろされ、足から抜き取られるときに、一緒に靴下も脱がされていた。
亜紀人は、抵抗らしい抵抗もできないまま、身につけていたものすべてを芳時に奪い取られたのだ。
「思った通り、きれいな体だ。素直で、反応もいい。触れているわたしも、楽しくなってくる」
感嘆したように話しながら、芳時は体中のあちこちに触れてくる。膝や腿に唇を押し当ててきたかと思うと、突然、肩先に軽く歯を立て、そのまま腕から指先へと舌先を這わせてくる。そして次に、腰から脇腹を舐め上げられ、たまらず亜紀人は身を捩る。
「――さあ、亜紀人くん、またキスをしよう」
芳時に名を呼ばれ、そのことに違和感を覚える前に、唇を塞がれる。
唇を吸われて、素直に心地いいと思った。口腔を舌でまさぐられるのも、舌先を触れ合わせるのも、緩やかに舌を絡め合うのも、もう抵抗感がなくなっている。それどころか――。
「んうっ、んっ……」
芳時の手に包み込まれた亜紀人のペニスは、形を変えていた。与えられる愛撫を快感として認識しているのだ。指の腹で先端をくすぐられ、濡れていることを知る。身を焼きそうな羞恥に、慌てて芳時の手を払いのけようとしたが、ペニスを握る手にわずかに力を込められる。
「怯えたら、怖いことをすると言っただろう?大丈夫だから、体から力を抜いて、すべてわたしに任せてごらん。とてもいいことをしてあげるから」
これは淫(みだ)らな恫喝(どうかつ)だ。芳時のキスに応えながら、亜紀人はおずおずと下肢から力を抜く。芳時が胸元から腹部、腿へと唇を這わせていき、膝に手がかかったとき、まるで魔法でもかけられたように、両足を開いていた。
恥ずかしい、と感じることすら咎(とが)められているように思え、必死に意識の外へと羞恥心を追い払う。
「――ようやく、ここにキスができる」
芳時の呟きが耳に届いたとき、亜紀人は全身を貫くような快美さに襲われた。身を起こしたペニスの先端に、芳時が唇を押し当てたのだ。
亜紀人は大きく息を吸い込んで、背を反らし上げる。芳時の手によってさらに足を大きく広げられ、羞恥に満ちた姿勢を取らされるが、芳時に逆らえない。
「あっ、あっ、やめ、て……くださ……」
「ダメだよ。わたしがしたいんだ。君を快感で泣かせたい。ここから、たくさん蜜を出せるだろう?」
舌先で先端を突かれて、上擦った声が出る。括(くび)れまでを熱い口腔に含まれて、舐られるだけではなく、吸われ、そっと歯を当てられたところで、亜紀人は愛撫に理性を溶かされる。
「はあっ……、んくっ、んっ、んんっ、くうっ……ん」
浅ましく腰が揺れるのを、自分では止められなかった。芳時は、そんな亜紀人を煽(あお)るように、ペニスの根本を指で擦り上げてくる。
「ひあっ、あっ、あうっ――」
堪える術もなく、亜紀人は奔放(ほんぽう)に乱れる。生まれて初めて、快感で我を失っていた。だからこそ芳時の次の行動にも、まったくの無防備だった。
片足を慎重に抱え上げられ、尻の肉を揉(も)まれたかと思うと、双丘の間をくすぐるように指が行き来する。
「あっ、な、に……」
違和感に亜紀人が身じろごうとすると、芳時にペニスを口腔深くまで呑み込まれ、湿った粘膜に包まれる。亜紀人が快感に溶けると同時に、アナルを指でこじ開けられていた。
信じられない場所で異物が蠢く感覚は、生理的な嫌悪感を催した。しかし、亜紀人が示した反応は、芳時の口腔に精を放つというものだった。
自分でも何が起こったかわからず、呆然(ぼうぜん)とする。しかし、優しく穏やかな物腰でありながら、容赦ない芳時は、下肢から力が抜けたのをいいことに、アナルを指で犯し続ける。
「……君の蕾が、発情してきている。赤く色づいて、少しずつ綻(ほころ)んで、ヒクヒクと蠢いて……。こうも素直だと、苛(いじ)めたくなるね。こうして――」
アナルから一度指が引き抜かれ、すぐにまた挿入されてくる。指の数を増やして。
「ううっ、うっ、うあっ」
思いがけない行為に、亜紀人の体は驚いていた。意思とは関係なく、アナルがきつく収縮を繰り返し、苦しいのに指を締め付けてしまう。芳時は、その様子をじっと見つめていた。これ以上なく羞恥を刺激される部分を、眼差しだけではなく、指でも犯され、亜紀人は惑乱する。
「あっ、嫌……、見ないで、ください……。もう、許してくださいっ……」

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