書籍情報

淫らで甘い恋愛録 ~ジュリアンより愛をこめて~ 【書下ろし】

淫らで甘い恋愛録 ~ジュリアンより愛をこめて~ 【書下ろし】

著者:御木宏美

イラスト:有馬かつみ

発売年月日:2014年10月10日

定価:972円(本体900円+税)

「お前、武神のくせにポーカーフェイス下手だね」 「帰るなよ。覚悟きめてきたんだろ」 ビルの谷間にひっそりとある癒しのスペース、カフェ・ジュリアンは、さまざまなタイプの7人のイケメンに会える店💛 行くと幸せになれるという噂。ちょっと不器用だが誠実なヒナタはこの店で毎日アクティブに配達をしている。ある日、華のある抜群の美形のランがヒナタの部屋に乱入してくる。今まで味わったことのない快感を体験させられてイカされてしまう。ランの真意がつかめないヒナタ。「俺ってランの何なんだよ~!?」

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登場人物

ヒナタ

見た目20歳。身長172cm。主に配達担当。日に焼けて浅黒。目が大きい。アクティブな外見通りの熱い男。女性と話すのはちょっと苦手で不器用だが誠実で優しい性格。
ラン

見た目20代後半。身長180cm以上。副店長。背が高くて華がある。抜群の容姿。明朗快活で性格までイケメン。ランが行くところ、景気が上向く。

立ち読み

 店を退(の)けた深夜。
「ん……」
ヒナタは自室のベッドの上で、下半身裸になって膝をおっ開(ぴろ)げ、腹につくほどにそそり勃(た)った陰茎をいじっていた。
(あいつ、こんなふうにして……)
 昨夜、ランにされたことを思い出し、露出している亀頭を見おろしながら、それをもみ洗いするように指の腹で優しくこする。
(ぁ、あっ……)
ソフトに触っているだけなのに、快感が走る。
ヒナタは目を閉じて顎(あご)をあげた。
(気持ちいい……)
 これまでは、片手で竿をしこしことこするだけが、ヒナタのオナニーライフだった。それでも充分に気持ちよくて、満足していたが、昨日の夜、突然、乱入してきたあの男は――。
(ラン……)
 男にしては綺麗すぎるその顔が脳裏に浮かぶ。
 不意に我に返って、ヒナタは慌てた。
(バ、バカっ、なんで、あんなヤツのこと思い出してンだよっ)
 急いでその面影を追い払う。そして、手淫に集中した。
「ん、んっ……」
 新たに身につけたテクニックで、亀頭を集中的に攻める。
 先端に淫汁がじわりとにじんだ。
(ぁあっ……)
 今夜は濡れるのが早い。
『気持ちいいだろ?』
 魅惑的な甘い囁(ささや)きが耳の奥によみがえる。
(ラン……)
女性との性交の経験はまだない。キスもしたことがない。
その状態で、初めてヒナタの股間に触れた相手は、同性。
(けど……)
 見た目二十歳のヒナタより年上、それもはるかに人生経験が長くて、抜群の容姿。おそらくは、たくさんの女とも付き合ってきたんだろうランの手淫の技はたくみで。
 これまでの自家処理では味わったことのない快感を体験させられて、イカされた。
男としては、これ以上ないほどの屈辱。
実際、腹がたって、今日は一日中、めちゃくちゃ怒っていたのに、思い返して、ヒナタは同じことをしている。
(あ、あいつ、こうして……)
いきり勃った竿を握って、もう一方の手で鈴口をくじる。
(はあああっ……)
亀頭どころか腰全体に信じられないくらいの快感が走った。
(やべえっ……)
小さな穴から透明の淫汁がどっとあふれ出た。
(これ、マジ、止まんねえ……)
張りつめた幹も強くこする。
(あ、あ、あ……ラン……)
 瞼(まぶた)を閉じ、ヒナタは一心不乱に手を動かした。
「いい光景」
 突然、声が耳に飛び込んできた。
 ヒナタは驚いて目を開けた。
 目の前に昨夜と同じ人物が立っていた。
腕を組んで、ベッドの足もとにあるバスルームの壁の隅に片方の肩をつき、ヒナタをゆったりと眺めている。
「うーん。ぞくぞくするねえ」
 端整な顔に魅力的な微笑を浮かべて、満足げに呟く。
「……!?」
 大股開きに気づいて、ヒナタは慌てて脱ぎ捨てた下着とスウェットパンツを引き寄せ、股間を隠した。
「あーらら。いいところなのに」
「てめぇっ」
 真っ赤になりながらヒナタは睨(にら)みつけた。
「どうやって入ってきやがったっ!?」
 ランは腕を組んだまま、両方の肩を器用にひょいとあげた。
「鍵かかってなかったけど」
 そのとおり、在室中は、ヒナタはいつも玄関の鍵をかけない。
昨夜もそれでランに入られたのだ。
 用心するべきだったと気づき、ヒナタは己の失態を今さらながら悔やんだ。
 しかし、ノックもせずに他人の部屋に入ってくるのは、マナー違反だろう。
「っの野郎……」
羞恥と怒りに己のうかつさへの怒りも合わさって、ヒナタの周囲でバチバチと火花が飛ぶ。
「おおっと」
ランは両手をあげて一歩だけあとずさった。

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