書籍情報

檻の中の情人【新装版イラスト入り】

檻の中の情人【新装版イラスト入り】

著者:水月真兎

イラスト:九条AOI

発売年月日:2015年09月04日

定価:918円(本体850円+税)

「ああ、そうだ。お前は、実の弟に犯されて毎晩悦びに泣くんだ。俺がそうなるようにこれからたっぷりと仕込んでやる」 中つ国の第一皇子で、優雅な容貌の青華。十年前、王の遺言で異母兄弟に譲られた王位を巡り反乱をおこすが、皇太后に捕われてしまう。以来果ての塔に幽閉され、牢番や囚人たちに嬲られ続けていたが、ある日、偶然果ての塔に異母兄弟の朱牙が現れる。「憐れむ気持ちが少しでもあるなら殺してくれ」と、青華は懇願するが、死んだと聞かされていた兄の存命を知った朱牙は怒りをあらわにした。自分を裏切り、殺そうとした罰だと、青華は蹂躙されるが…。

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登場人物

朱牙 (シュガ)
中つ国の若き王。16歳。青華とは異母兄弟。黄金の双眸に精悍な顔立ち、すらりとした長身で逞しい体の持ち主。
青華 (セイカ)
中つ国の王である聖王家の第一皇子。24歳。聖王家の正当な血筋の証である青い血が流れている。艶やかな長い黒髪に優雅で妖艶な容貌。華奢な体。

立ち読み

「だめぇ――っ!……だめ、朱牙ぁ」
「こんなにべとべとに濡らして……いやらしいな青華。貴い青い血の王族の、これが本性か?」
「嫌っ……」
言わないでと、悲鳴のように叫んだ。
朱牙に辱められれば、胸が締めつけられるように痛む。なのに、かえって妖しく潤み、溶けていく、淫乱な体がいとわしかった。
いくら嘘をついても、自分がどれほど汚れているか、ごまかしようもない。でも、朱牙に軽蔑されたくない。
「あぁっ、もうっ……!」
「いけよ。俺の手で弄られて、尻を舐められながら、いってみせろ」
「朱牙ぁ……あっ、あぁっ……あぁぁぁ――っ!」
見られたくないのに、耐えられずに欲望が薔薇色に染め上げた肌に散る。頭の中は真っ白に溶け、一瞬、錯乱した意識も遠ざかった。
「こんなに飛ばして……餓えていたのか?」
揶揄するような声音に、涙で霞んだ瞳をぼんやりと見開いた。青華のこぼした精液に濡れた指を舐めながら、朱牙が見下ろしている。
「……いやぁ!」
自分の体液を、朱牙が舐めている。それだけでも、この場から消えてしまいたかった。行為を無理強いする弟より、彼にそうさせてしまった自分の罪のほうがずっと重い。
「まだ、こんなものでは許さないぞ。おまえは俺に復讐されたいのだろう?」
あくまでもこれは復讐なのだと言い聞かせて、乱暴に青華の顎をつかんだ朱牙は、青い虹彩を覗き込んだ。
「うつ伏せになって、尻を掲げろ。『突いてください』と哀願しろ」
暴力で犯されるほうがよかった。復讐なら、まだ安心できる。すでに朱牙の力に反抗する気力もなく、青華はのろのろと夜具にうつ伏せになった。
小さな白い尻を朱牙によく見えるように掲げて、自分の屈辱的な姿に涙があふれてくる。
「ほら、青華?」
「突いて、くださいっ……」
強制されるままに、あさましい言葉を口にした。そのせつな、じんと激しい痺れが体の奥を震わせ、どうしようもない自分の欲に細い泣き声が洩れた。
「ああ。たっぷり突いてやる」
朱牙の所作は乱暴ではなかった。けれど、その分もわざと時間をかけ、高い熱と質量を覚え込ませるようにじりじりと挿入され、夜具をつかんで咽び泣かされる。
「あっ……あぁ――っ、あぁ……っ」
「いいか?」
「あ、いいっ……朱牙ぁ……」
体の中を満たしていく快楽以外、何も考えられなくなる。甘くしゃくり上げながら、知らず知らずしなやかな腰が揺れる。 「ゆっくりだ。青華……息を吐いて、全部呑み込め」
「くっ……ふ、はぁぁ――んっ……」
「今度は締めつけてみろ」
「あんっ、あ、ああ……朱牙っ」
内壁でみっちりと包み込んでいるものをゆるやかに抜き挿しされ、その感触に痺れたように四肢がひくついた。
(戻れなくなる。闇に、堕ちていく……)
こうなることを恐れながら、どこかで待っていたのだろうか。本当に死にたかったのなら、自分で自分に手を下すこともできたはずだ。でも、青華にはそれができなかった。
未練があったとすれば、朱牙にほかならない。幸せを祈るふりをしながら、ともに堕ちることを望みはしなかっただろうか。
「いいぞ、青華。上手いな。俺も……堪らなくいい」
「朱牙っ……あっ、あっ……あぁっ、あぁ――っ」
背中から抱きしめてくる腕に、すがりつくように爪を立てた。
夢中になって華奢な腰を振り、激しく打ちつけ始めた荒々しい情熱に、青華はいつの間にか意識をさらわれた。

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